品質管理概説

コンタクト センターの業務効率、エージェントのパフォーマンス、顧客満足度を向上させるよう設計された、Zoom Contact Center の AI 搭載型アドオンの概要をご紹介します。
品質管理概説

品質管理の概要

Zoom 品質管理は、コンタクト センターの業務効率、エージェントのパフォーマンス、顧客満足度を向上させるよう設計されたコンタクト センター アドオン

 

コンタクト センター業務において、顧客が満足する体験を提供することは不可欠です。このプロセスを簡素化する Zoom 品質管理は、業務効率、エージェントのパフォーマンス、顧客満足度を向上させることに特化して設計されたコンタクト センター アドオンです。品質管理では、これを実現するために、顧客とのインタラクションのモニタリングと分析、エージェントのパフォーマンス評価、実用的なインサイトの提供、プロアクティブな改善分野の特定に役立つ各種ツールや機能を提供しています。
 

品質管理では、文字起こしとレコーディングの分析を提供

 

品質管理では、中核となる人工知能(AI)および機械学習(ML)アルゴリズムを利用して、コンタクト センター エンゲージメントの文字起こしを分析し、コンタクト センターチームがよりよい顧客体験を提供するためのインサイトや分析情報を提供します。
 
 
 

品質管理のフレームワークには、組織のコンプライアンスを確保し、顧客センチメントに関するインサイトを取得するのに役立つ機能が含まれる

 

品質管理で分析を行うには、コンタクト センター エンゲージメントのレコーディングが必要であるため、アカウントは会話全体を確認して組織のコンプライアンスを検証できます。こうしたレコーディングは、品質管理の組み込みツールであるスコアカードや評価などと組み合わせることができ、マネージャーやスーパーバイザーがエージェントと顧客のインタラクションを評価する際に役立つとともに、確立されたプロトコルや手順に沿っていることを確認できます。
 
さらに、品質管理は会話で使われる単語やフレーズを基に、文字起こしの分析から顧客センチメントを判断するよう設計されています。たとえば、乱暴な言葉遣いが発された瞬間、マネージャーに代わってほしいという要求、苛立ちの表現などが、会話のセンチメント スコアに反映されます。これにより、顧客の不平不満が爆発して重大な結果に陥る前に、プロアクティブな対策を取ることができます。
 

Zoom の品質管理には、スピーチ分析が追加料金なしで含まれる

 

コンタクト センター ソリューションの中には品質管理機能をスピーチ分析と切り離して提供しているものもありますが、Zoom 品質管理は、お客様への追加料金なしで両機能を同じプロダクト内で提供しています。
 

品質管理では、エンゲージメント全体ではなく、特定のインタラクションに焦点を当てている

 

コンタクト センター エンゲージメントとは、顧客が問題の対処法を求めて電話してくる場合のように、コンタクト センターの顧客体験における特定の場面として定義されます。各エンゲージメントでは、顧客とエージェントとの一意の接点と定義されるインタラクションが 1 回以上行われます。Zoom 品質管理では、こうした個別のインタラクションに焦点を当てています。
 
 
たとえば、1 回のエンゲージメント(例: 電話での通話)の中で顧客が 3 回のインタラクション(1 回目はティア 1 サポート、2 回目はティア 2 サポート、3 回目は対マネージャー)を行う場合があります。顧客がいったん電話を切ってから再度通話した場合、新たなエンゲージメントが始まり、ここでも複数のインタラクションが発生する可能性があります。
 
 
Zoom 品質管理では、スーパーバイザーがエンゲージメント全体に含まれる特定のインタラクションを個別に確認できるため、エンゲージメント全体ではなく個々の接点に焦点を当てることができます。ただし、スーパーバイザーは引き続き共通のエンゲージメントに関連付けられたすべてのインタラクションを簡単に表示したり、切り替えたりすることができます。
 

品質管理では現在、音声とビデオの連絡先チャネルをサポート

 

品質管理では現在、音声とビデオの連絡先チャネルの機能をサポートしています。今後のリリースでは、品質管理で追加チャネルをサポートするよう拡張されます。
 

品質管理は Zoom Contact Center のみで利用可能

 

品質管理は現在、Zoom Contact Center のアドオンとしてのみご利用いただけます。現時点では、品質管理をその他のサードパーティ製コンタクト センター ソリューションと連携することはできません。
 

品質管理は現在、英語のほかに 17 の言語による会話インサイトと文字起こしをサポート(ベータ版)

 

品質管理は現在、英語のほかに以下の 17 の言語による文字起こしと会話インサイトをサポートしています(ベータ版)。
  • 中国語(入力は標準中国語、出力は簡体字中国語)
  • ドイツ語

 

  • ヒンディー語
  • ポルトガル語

 

  • ロシア語
  • デンマーク語
  • イタリア語
  • スペイン語
  • オランダ語
  • 日本語
  • スウェーデン語
  • フィンランド語
  • 韓国語
  • ウクライナ語
  • フランス語
  • ポーランド語
  • ベトナム語

品質管理は、Zoom のワークフォース エンゲージメント管理スイートの一部

 

品質管理は、Zoom のワークフォース エンゲージメント管理(WEM)スイートを構成するプロダクトで、コンタクト センター機能を強化するよう設計されたアドオン ソリューションが含まれています。WEM スイートの別のプロダクトであるワークフォース管理と併用すると、コンタクト センターのマネージャーはコンタクト センターの管理を簡素化できます。ワークフォース管理の機能には、エージェントの予測、スケジュール作成、シフト管理、休暇管理などがあります。ワークフォース エンゲージメント管理スイートの詳細については、Zoom アカウント チームにお問い合わせください。
 

品質管理が提供するインサイト

このセクションでは、品質管理で入手できるさまざまなインサイトについて説明します。
 

[インタラクション] メニューでは、会話の内容と品質管理で生成されたインサイトを一元的に確認できる

 

 

スーパーバイザーと管理者は、ウェブポータルの [インタラクション] サブメニューで、品質管理が分析したすべての会話を一元的に確認できます。承認済みユーザーは、この画面で任意の行に表示される青字のインタラクション ID をクリックして、そのインタラクションの詳細ビューを開くことができます。承認済みユーザーは詳細ビューで、レコーディングの再生、文字起こしの閲覧、関連する分析やコメント、詳細の表示を行うことができます。
 
インタラクション ID を選択すると、品質管理の会話分析が画面に表示されます。
 
 

[分析] タブでは、エンゲージメント スコアやセンチメント スコア、次のステップ、特定されたインジケーターやトピックなど、会話の要約を表示

 

インタラクションの表示中、[分析] タブでは品質管理が特定した会話インサイトの要約が表示されます。これらのインサイトには、以下が含まれます。
  • エンゲージメント: 通話時間比率、応答のタイムラグ、発言者の交代頻度など、さまざまな要因を基にした評価スコア。これを使用して、会話全体を通じて顧客がどの程度積極的に会話に関与しているかを推定します。
  • センチメント: 特に会話のセンチメントに焦点を当てた、ミーティング全体の分析に基づく評価スコア。スコアが高いほど肯定的であることを示し、50 前後のスコアは中立的なセンチメントであることを示します。
  • 次のステップ: 会話の文字起こしに基づいて特定された、アクション項目または結論を含む次のステップ。エージェントはこの情報を使用して、会話が進むべき方向性や、次の連絡があるまでに何を行う必要があるかを確実に理解できます。また、マネージャーとスーパーバイザーはこのインサイトを使用して、次のステップを基にした効果的な計画についてエージェントにコーチングできます。
  • コールアウト: 会話内で「重要」だと示された特定の単語やフレーズ。アカウントの設定済みインジケーター(後述)によって判定されます。AI 分析で特定された「よい質問」と「次のステップ」も特定します。
  • トピックのハイライト: 会話内で特定された広範かつ大規模なテーマ。アカウントで設定済みのトピック(後述)によって判定されます。
  • スピーチ イベント: 定義済みのしきい値よりも長時間の沈黙や掛け合いが会話で特定された回数、および通話を保留にした回数。
分析

分析では、トークリッスン比率や使用されたフィラーワードなど、エージェントと顧客とのインタラクション方法の詳細を提供する、エージェント要約も表示

品質管理による各会話の分析には、エージェントと顧客とのインタラクション方法のインサイトを提供する、エージェント要約が含まれます。エージェント要約から提供される詳細には、ユーザーのトークリッスン比率、中断なしの最長会話時間、使用されたフィラーワード数(1 分当たり)、平均会話速度、エージェントが返答するまでの平均待ち時間などが含まれます。マネージャーはこれらの指標を使用して、エージェントのパフォーマンスを徐々に向上させるための有意義なコーチングの機会を提供できます。
エージェントの概要

スーパーバイザーはスピーカー指標レポートを使用して、チームまたは個人エージェントの経時的なパフォーマンスの概要を確認可能

 

 
スーパーバイザーはエージェントのパフォーマンスをインタラクションごとに確認できますが、スピーカー指標レポートでは、各エージェントの経時的なパフォーマンスの概要を把握できます。これにより、スーパーバイザーは、エージェントのパフォーマンス(コーチングやフィードバックの結果として生じる変化など)を追跡したり、スピーチ イベント、会話速度、トークリッスン比率といった [エージェント要約] に示される指標の増減など、経時的な傾向を特定したりすることができます。
 

各インタラクションには、会話のセンチメントに関する経時的なグラフとともに、コンテキストを確認するための文字起こしとレコーディング済みセクションへのリンクを表示

 

品質管理によるインタラクションの分析には、経時的な会話のセンチメント グラフが含まれます。会話でのセンチメントが変化するたびに、ユーザーはインサイトのポップアップ ウィンドウを操作できます。このウィンドウには、追加のコンテキストを確認するための文字起こしの各セクションへのリンクや、会話の該当セクションを視聴するための埋め込み再生ボタンがあります。
 
 

センチメント スコアは現在、文字起こしの分析によって判定

 

現時点では、品質管理のセンチメント スコアは、会話の文字起こしの AI 分析のみを基に計算されており、トーンや声量、会話速度などの要因は考慮されません。たとえば、AI モデルは特定のコンテキストにおいて「すばらしい」という返事を肯定的、「わかりました」を中立的、なんらかの単語を否定的なものだと捉える可能性があります。
 

インジケーター(コールアウト)とは、競合他社のブランドや機能、製品への言及など、会話における重要な瞬間を示すカスタムのキーワードやフレーズ

 

[コールアウト] セクションで特定されるインジケーターは、カスタマイズ可能なキーワードやフレーズで、会話の分析内で強調表示されます。インジケーターを使用することで、会話における重要な瞬間を捉えたり、特定の競合他社や機能、製品、フレーズへの言及を追跡したりできます。アカウントはインジケーターを使用して、確認または追跡すべき会話の特定要素を突き止めることができます。
 
 
たとえば、競合他社よりも解約率を低下させることを目指している企業について考えてみましょう。この企業は、自社の製品と競合他社の製品のインジケーターを作成できます。これにより、会話の中でインジケーターが言及された場合、この企業はインジケーターが言及されたコンテキストをすぐに特定し、プロアクティブに顧客のニーズや、懸念事項があればそれに対処するべく、取り組むことができます。
 
 
たとえば、キャンディ専門の会社では、さまざまな種類のキャンディ(グミ、あめ玉など)のインジケーターと、それらのキャンディの具体例(ミミズの形のグミ、クマの形のグミなど)を作成できます。
 
 
以下の画像は、会話の分析で示されたインジケーターの例です。この画像では、「Hard Candy(あめ玉)」と「Gummy Candy(グミ)」というインジケーターが示されています。これは、会話の文字起こしでインジケーター固有のキーワードやフレーズ(例: gummy bears(クマの形のグミ)、gummy worms(ミミズの形のグミ))が言及されているからです。インジケーター(グミ)をクリックすると、文字起こしでインジケーターが言及された会話のセクションが表示されます。
コールアウト
文字起こし

インジケーターはカスタム カテゴリにグループ化され、各カテゴリには複数のインジケーターを指定可能

 

アカウントは、会話内で言及されたインジケーターをグループ化して追跡するための、複数のカスタム カテゴリを作成できます。これにより各アカウントは、それぞれのニーズや環境、分野に最適な方法で情報システムを柔軟に作成できます。
 
 
たとえば、チョコレート キャンディ専門の会社なら、「競合他社」というカテゴリを作成し、主要な競合他社のキャンディの種類(あめ玉、グミなど)のインジケーターを作成できます。品質管理を使用すれば、「あめ玉」というインジケーターを作成し、「ぺろぺろキャンディ」、「杖の形のあめ」、「バタースコッチ」などのキャンディに関するキーワードを含めることができます。さらに、「グミ」という 2 つ目のインジケーターを作成して、「ミミズの形のグミ」、「クマの形のグミ」、「フルーツの形のグミ」や、その他のソフト キャンディなどのキーワードを追加できます。
 
 
アカウント管理者は、これらを組み合わせて、もっともよく言及されているインジケーターや、言及されている競合他社、言及されている特定の製品を確認できます。これにより、顧客のセンチメントや、顧客が競合他社の製品に興味があるかどうかなど、重要なコンテキストを取得できます。
 
 
以下の画像は、先ほど紹介したインジケーターの例とその関連キーワードを共通の「競合他社」カテゴリにグループ化した例です。
 
 

インジケーターの言語はインタラクションの話し言葉と一致

 

品質管理では、インジケーターの言語をインタラクションの話し言葉や関連する文字起こしと一致させます。そのため、インジケーターはビジネスがインタラクションを行うと想定される言語で作成する必要があります。
 

インジケーターは過去の会話にさかのぼって適用可能

 

アカウントに新しいインジケーターを追加すると、インタラクションの分析時に新しいインジケーターが過去にさかのぼって反映され、傾向が明らかになるにつれて企業が一般的なテーマを定量化するのに役立ちます。
 

アカウントでは最大 250 個のインジケーターを設定可能

 

このドキュメントの公開日時点で、アカウントでは最大 250 個の一意のインジケーターの使用が許可されています。
 

インジケーターは、エージェント、顧客、または両者にトリガーされるよう設定可能

 

アカウント管理者は、インジケーターの作成時に、会話の中で誰がキーワードまたはフレーズに言及したかに基づいて、会話の分析にインジケーターを記載するかどうかを設定できます。
 
たとえば、コンタクト センターのエージェントがある製品や機能セットを定期的に参照すると、言及されるインジケーターの分析にゆがみが生じる可能性があります。ただし、顧客がこれらの製品や機能に言及し、センチメントやビジネスニーズを示す場合には、これらのデータポイントが有用である場合もあります。あるいは、品質評価を行い、分析対象を網羅するために、エージェントまたは顧客のいずれかによるインジケーターの言及をアカウントで常に強調表示することもできます。
 

スーパーバイザーと管理者はインジケーターの言及の通知に登録可能

 

品質管理のスーパーバイザーと管理者は、インジケーターの言及に関するメール通知に登録することで、特定のテーマや傾向を追跡またはモニタリングできます。通知に登録する場合、ユーザーは通知を毎日、毎週、毎月、または継続的(発生するたび)に受信することを選択できます。
たとえば、コンタクト センターのマネージャーがエスカレーション リクエストのインジケーターの通知に登録すれば、顧客のマネージャーに代わってほしい、または状況をエスカレーションしてほしいという要求の発生頻度を追跡することもできます。
 

通知登録の対象は、特定のキーワードやフレーズ、またはインジケーター全体を選択可能

 

通知に登録するときに、ユーザーはインジケーターとともにすべての関連キーワードやフレーズの通知に登録するか、個別または限定した一連のキーワードの通知に登録するかを選択できます。
 
たとえば、「サービスのキャンセル」インジケーターを選択し、キーワードとして「キャンセル」、「終了」、「中止」、「契約終了」、「解約」を含める場合、ユーザーはこれらすべてのキーワードの通知に登録することも、重大な懸念事項を生じさせる特定のフレーズ(「契約終了」など)の通知に登録することもできます。
 

[インジケーター言及] レポートでは、インジケーターの出現頻度を把握し、傾向をプロアクティブに特定できる

 

アカウント管理者とスーパーバイザーは、[インジケーター言及] レポートで、インジケーターの出現頻度を把握できます。この動的なレポートには、設定済みのインジケーター、フレーズ、キーワードを含むインタラクションが行われた頻度や割合が表示されるため、経時的な傾向を確認するために使用できます。以下の画像に示すように、スーパーバイザーはインタクラクションをプロアクティブにモニタリングすることで、手動で検索することなく問題や傾向をすばやく特定できます。
 
 
インジケーターの分析の詳細を表示すると、追加情報が棒グラフやバブルチャートで視覚化され、同じ情報を別の視点で確認できます。たとえば、以下の図では「解約リスク」インジケーターの追加情報を表示しています。
 
 
 
ここからスーパーバイザーはさらにインジケーター分析を絞り込み、インジケーターが言及された、文字起こし内の特定の会話や瞬間を表示できます。ここでは、アカウントまたはユーザー別にデータを絞り込んだり、特定のキーワードに絞ってコンテキストの文字起こしスニペットを表示したりできます。たとえば、以下の図では「解約リスク」インジケーターの一部として設定されている「解約」というキーワードの言及について示しています。
 
 

トピックは、会話に出てくる事前定義された広範なテーマを追跡し、顧客の懸念事項に関するインサイトを提供可能

 

特定のフレーズやキーワードに焦点を当てるインジケーターとは異なり、トピックは会話内の広範なテーマが強調表示されます。たとえば、話題によっては複数の視点からのテーマ(製品の安全性、プライバシー、価格設定など)で議論される場合があります。インジケーターのように、これらのテーマをキーワード別に追跡する代わりに、品質管理では、人工知能(AI)および機械学習(ML)アルゴリズムを使用して、事前定義済みのテーマに関連する質問や発言を特定します。
 
 
たとえば、顧客が一連のコンプライアンス規制またはセキュリティ規制の対象となっている場合、それらのトピックに関連する議論や質問を行うことがよくあります。そのため、品質管理で会話の分析を確認する際に、分析セクションでは、それらのトピックに関連する会話の文字起こしの一部が強調表示されます。
 
 
以下の図は、[トピックのハイライト] セクションに記載されているトピックの例を示しています。この図では、「Variety(多様)」、「Quality(品質)」、「Regulation(規制)」、「Business Requirements(ビジネス要件)」、「Cost(費用)」のトピックが強調表示され、これらのトピックに関する議論が会話の文字起こしに含まれていることを示しています。
 
 

品質管理には 7 つのデフォルト トピックがあり、最大 10 個のカスタム トピックを追加可能

 

品質管理には、会話内で自動的に追跡される 7 つのデフォルト トピック(価格設定、法務、プライバシー、セキュリティ、ユーザー要件、ハードウェア、ライセンス)があります。アカウント管理者はさらに最大 10 個のカスタム トピックを追加できますが、AI および ML アルゴリズムでトピックのテーマを理解できるように、さまざまなガイド文を提供する必要があります。以下の図は、「プライバシー」のトピックと基本的なガイド文の例です。
 
 

トピックは、インタラクションの文字起こしのみとマッチング

 

話し言葉の中で使われた単語を特定するインジケーターとは異なり、品質管理では AI / ML エンジンを使用してトピック プロセスをマッチングします。このエンジンのサポート対象言語は現在、英語のみです。したがって、他のサポート対象言語(スペイン語など)で交わされる会話はまず英語で文字起こしされ、その後トピックとのマッチングが行われます。トピックが英語以外のサポート対象言語で作成された場合は、英語に翻訳されて保存され、翻訳された文字起こしとのマッチングに使用されます。
 

スピーチ イベントには、インタラクションに、アカウントで定義されたしきい値よりも長時間の沈黙や掛け合いがあったかどうか、通話を保留にしたかどうかが記録

 

スピーチ イベントにより、スーパーバイザーは、アカウントで定義されたしきい値設定よりも長時間の沈黙や掛け合いがインタラクションで発生した瞬間と、通話を保留にした回数を特定できます。これにより、スーパーバイザーは、インタラクションが組織の基準を満たしているかどうかを特定して確認できるほか、これらのイベントがインタラクション内で発生したタイミングを特定できます。
 

スピーチ イベントの概要とラベルは、インタラクションのメディア プレーヤーの下に表示

 

スーパーバイザーがインタラクションを表示すると、メディア プレーヤーの下に会話のスピーチ イベントの概要と時系列が表示されます。これにより、誰がいつ発言したかや、トリガーされた各イベントの種類や長さを視覚的に理解できるため、スーパーバイザーはこれらの瞬間をすばやく特定し、確認できます。
 
 

品質管理のツール

 

このセクションでは、品質管理で利用できるさまざまなツールについて説明します。
 

パフォーマンス管理では、エージェントのインタラクションの品質を評価し、改善分野を特定する機能を提供

 

パフォーマンス管理では、スーパーバイザーと管理者がコンタクト センターのインタラクションを体系的に評価し、スコアカードを通じて改善分野を特定するためのツールが提供されます。品質管理内にスコアカードのインフラストラクチャを構築すると、スーパーバイザーが定期的な評価の一環として、あるいは突発的に(臨時で)会話をレビューする際に役立つうえ、複数のレビュー担当者を同じインタラクションに柔軟に割り当てることができるため、評価者全員の評価の整合性を確保できます。
 

スコアカードは、顧客とのインタラクション中のエージェントのパフォーマンスをスーパーバイザーが評価するために使用する、ユーザーが定義した問題のリスト

 

品質管理では、エージェントのパフォーマンス評価を目的に作成された、ユーザーが定義した問題のリストを含むスコアカードによって顧客とのインタラクションが評価されます。各スコアカードのテンプレートは、十分なロール権限を持つ品質管理のスーパーバイザーまたは管理者が構築してから、会話に適用する必要があります。
 

スコアカードでは、はい / いいえ、単一選択、評価スケールの 3 つの問題タイプをサポートしており、自由に組み合わせて使用可能

 

品質管理の管理者はスコアカードの各問題に対して、はい / いいえ、単一選択、評価スケールの 3 つの問題タイプから 1 つを選択できます。各スコアカードでは、これらの問題タイプを自由に組み合わせて使用できます。
 
 

スコアカードの問題は、加重値、累積点、評価者コメント、必須回答、自動不合格に対応

 

スコアカードの問題は、評価プロセスを向上させる多数の機能をサポートしています。スコアカードの問題で利用できる機能には、以下があります。
 
  • 加重値: セクション内の問題の重要度に基づいて、合格点に達するために必要なポイントを増減できます。
  • 累積点: 問題には、他のすべてのスコアカードの問題の累積評価点に寄与する値を付与できます。エージェントの行動に応じて、エージェントが適切な手順に従わなかった場合は、評価終了時までに累積点が合格点に達する場合も達しない場合もあります。
  • 評価者コメント: スコアカードの評価者は、スコアカードの特定の問題に対してコメントやメモを残すことができます。これにより評価者は、エージェントのパフォーマンスに対してよかったことや改善の余地があることなどを示しながら直接フィードバックを提供できます。
  • 必須回答: スコアカードの問題に必ず回答しなければならず、空欄のままにはできません。
  • 自動不合格: エージェントがある問題を間違えると、スコアカード全体に「不合格」の成績が付けられます。

 

各スコアカードには、割合またはポイントベースの評価システムを使用

 

品質管理の管理者は、スコアカードの設計時に割合またはポイントベースのシステムを使用できます。割合ベースのシステムでは、全体評価が割合(90% など)で表され、ポイントベースのシステムでは数値スコア(90/100 または 133/150 など)で表されます。
これら 2 つのシステムに大きな違いはありませんが、割合ベースの評価ではセクションごとに加重スコアが有効になるのに対し、ポイントベースの評価では累積値のみが使用されます。
 

評価とは、評価者がエージェントの会話にスコアカードを適用すること

 

 

 
品質管理のスーパーバイザーまたはマネージャーがエージェントの会話にスコアカードを適用するときに、評価が行われます。評価を行うには、十分なロール権限を持つユーザーがインタラクションに移動し、[パフォーマンス] タブを選択して [評価] をクリックし、適切なスコアカードを選択します。
 
 
マネージャーは評価者に評価を割り当てられる
 
突発的な(臨時の)評価に加えて、十分なロール権限を持つマネージャーまたはユーザーは、他の品質管理スーパーバイザーまたはマネージャーに評価を割り当てることができます。
 
評価が割り当てられると、評価者は会話への直接リンク、使用するスコアカード、期日が記載されたメールを受信します。

エージェントは自分の評価に異議を唱えたり、承認したりできる

評価が実施されると、ユーザーはメールで評価完了の通知を受け取ります。そこからユーザーは評価を表示してフィードバックや考察を確認し、評価を承認するか、評価に対して異議を唱えることができます。


評価に異議が唱えられた場合、評価者はメール通知を受け取り、インタラクションを再評価するかスコアを再確認することで、エージェントのフィードバックに対応することができます。また、スーパーバイザーは、品質管理のウェブポータルから異議を唱えられた評価にアクセスできます。
パフォーマンス

スーパーバイザーは、エージェントによる評価の承認を必須にできる

 

必要に応じてアカウント管理者は、エージェントによる完了した評価の承認を必須にすることができます。この機能が有効になっている場合、エージェントは承認が必要な新しい評価に関するメール通知を受け取ります。ここからエージェントは評価を確認し、スコアを承認するか、異議を唱えることができます。アカウントで設定されている期間内にエージェントが承認または異議を唱えない場合は、システムによって自動的に承認されます。以下の図は、エージェントが受け取るメールの例を示しています。
 
 

キャリブレーションを使用すると、複数の評価者が同じ会話に対して共通のスコアカードを適用でき、スコアカードが一貫して適用されていることを確認可能

キャリブレーションは、組織内でスコアカードが一貫して適用されているかをテストすることを目的としています。キャリブレーションを実施するには、十分なロール権限を持つユーザーがキャリブレーション セッションを作成し、同じ会話に共通のスコアカードを適用する複数の評価者を選択する必要があります。評価者がキャリブレーション セッションに割り当てられると、通常の評価と同様のメールを受け取ります。キャリブレーションが正常に完了した場合は、評価者間のスコアの整合性がおおむね確保され、スコアカード間の差異はほとんどなくなります。
 
 
次の図は、キャリブレーション割り当てのポップアップの例を示しています。
キャリブレーションの割り当て

お客様は、手動または「オフライン」のインタラクションを追加して、コンタクト センター連携で記録されなかった会話を評価することも可能

 

スーパーバイザーとマネージャーは、自身のロール権限に応じて、品質管理で評価する「オフライン」のインタラクションを手動で追加できます。この機能により、これらのロールは、統合プラットフォーム内の Zoom Contact Center 連携でレコーディングされなかった追加のインタラクションにスコアカードを適用できるため、すべてのインタラクションで基準セットの整合性を確保できます。
 

スーパーバイザーとマネージャーは、話し合いやフィードバック、フォローアップのために、文字起こしの特定のセクションにコメントを追加可能

 

スーパーバイザーとマネージャーは、品質管理で分析された各インタラクション内の特定の時点にコメントを残すことができます。この機能により、会話内の重要な瞬間についてエージェントに直接フィードバックを提供したり、今後の話し合いやフォローアップで使用するセクションをマークしたりできます。さらに、コメント記入者は通知を送信するエージェントまたはスーパーバイザーにタグを付け、コメントに誘導できます。これらのコメントは公開のままにして全員が閲覧できるようにすることも、非公開にしてタグ付けしたユーザーのみに閲覧を制限することもできます。
 
以下の図は、会話内に残されたコメントの例を示しています。
 
 

モーメントとは、レコーディングされたインタラクションの短いセグメント(クリップ)のことで、他のユーザーと共有可能

 

品質管理のモーメントとは、会話の重要な瞬間に注目した短いレコーディングのことで、視聴や学習機会のために他のユーザーと共有できます。
 
 
たとえば、エージェントが会話における困難な状況や瞬間にきわめてうまく対処した場合、スーパーバイザーやマネージャーは会話を分割した短時間のレコーディングを作成し、エージェントの優れた対処法を目立たせることができます。その後、スーパーバイザーまたはマネージャーは、他のエージェントの参考になるよう、そのモーメントのレコーディング リンクをアカウント内外のユーザーと共有できます。
 
 

アカウント管理

 

アカウント設定

 

レコーディングや文字起こしにアクセスして分析するには、品質管理をアカウント レベルで有効にする必要がある

 

品質管理でインサイトを生成して分析するためには、アカウントの Zoom Contact Center のレコーディングや文字起こしにアクセスする必要があり、アカウント管理者または承認済みユーザーが Zoom ウェブポータル内で有効にする必要があります。アクセスを付与するには、以下の手順を実行します。
 

1. アカウント オーナーまたはアカウント設定の編集権限を持つアカウントとして、ウェブポータルにサインインします。



2. [アカウント管理] サブメニューで、[アカウント設定] をクリックします。



3. 設定リストの上部の [品質管理] タブをクリックします。場合によっては、[<] または [>] の矢印をクリックし、このオプションまでスクロールする必要があります。

 

4. [Zoom Contact Center のレコーディングと文字起こしを分析する] の設定を有効にします。

 

アカウント管理者はトピック、インジケーター、沈黙と掛け合いイベントのしきい値をさらにカスタマイズ可能

一般(品質管理以外)の十分なロールベース権限を持つアカウント管理者または承認済みユーザーは、トピック、インジケーター、沈黙と掛け合いイベントのしきい値の設定を編集およびカスタマイズできます。これらの設定メニューにアクセスするには、以下の手順を実行します。
 

1. アカウント オーナーまたはアカウント設定の編集権限を持つアカウントとして、ウェブポータルにサインインします。

2. [アカウント管理] サブメニューで、[アカウント設定] をクリックします。

3. 設定リストの上部の [品質管理] タブをクリックします。場合によっては、[<] または [>] の矢印をクリックし、このオプションまでスクロールする必要があります。

 

 

4. 適切な設定を変更します。

 

 

ユーザーのライセンスとロール

 

品質管理ではシートごとのライセンス モデルを採用

 

エージェントとスーパーバイザーには、シートごとのライセンス モデルによって品質管理へのアクセスが付与され、いずれかの機能へのアクセスが必要なユーザーごとにプロダクトのライセンスを割り当てる必要があります。たとえば、スーパーバイザーが 1 人でエージェントが 9 人の場合、合計 10 件の品質管理ライセンスが必要になります。
 

プロダクトにアクセスして使用するには、ユーザーに品質管理ライセンスの付与が必要

 

プロダクトにアクセスして使用するには、アカウント管理者または承認済みユーザーが、ユーザー アカウントに品質管理ライセンス(単体またはバンドル ラインセンス)を割り当てる必要があります。
 

品質管理では、カスタマイズ可能な権限を持つ 4 種類のロールタイプが提供されるほか、カスタムロールもサポート

 

品質管理には 4 種類のロールタイプがあり、ビジネスニーズに応じてユーザーにさまざまなアクセスレベルを付与できます。Zoom では各ロールにデフォルトの権限を付与していますが、アカウント管理者は独自のチーム ダイナミクスに応じて、カスタムロールを作成するか、デフォルト ロールをカスタマイズできます。デフォルト ロールは以下の一覧表のとおりです。

ロール

説明

品質管理管理者

管理者には、アカウントの Zoom 品質管理にアクセスして管理するための幅広い権限があります。

品質管理スーパーバイザー

スーパーバイザーはエージェントのグループを管理し、そのインタラクションや評価をレビューするためのアクセス権があります。

品質管理エージェント

エージェントは、Zoom 品質管理の一部の機能にアクセスできますが、アカウント管理特権はありません。エージェントは、ライセンスが割り当てられたときのデフォルト ロールです。

品質管理評価者

評価者には、インタラクションをレビューし、スコアカードを使用してパフォーマンスを評価するためのアクセス権があります。

適用可能な権限でカスタムロールを更新または作成するには、以下の手順を実行します。
  1. ロールの編集を許可されている Zoom アカウント オーナーまたは管理者として、ウェブポータルの [ロール管理] ページに移動します。
  2. [品質管理] タブをクリックします。

3. 編集するロールの右側にある鉛筆アイコンをクリックするか、[+ ロールを追加] をクリックします。

4. 必要に応じてロールアクセスを定義します。

5. 追加のロールがある場合は、同じ手順を繰り返します。

 

品質管理のロールはサービス固有のものであり、他のユーザーロールに優先したり影響を与えたりすることはない

 

品質管理固有のユーザーロールは本サービス専用のもので、アカウントの他のユーザーロールと競合することはありません。そのため、ユーザーは品質管理の管理者権限がなくても一般的なアカウント管理者になることができ、その逆も同様に可能です。
 

管理者は、SAML レスポンス マッピング、SCIM、または手動割り当てにより、品質管理ライセンスを割り当てることができる

 

アカウント管理者は、SAML レスポンス マッピングまたは SCIM を使用したシングル サインオン(SSO)を介して、またはウェブポータルを介して手動で、品質管理ライセンスの割り当てを管理できます。
 

データのプライバシーとセキュリティ

 

品質管理で分析された会話は、Zoom またはサードパーティの AI モデルのトレーニングに使用されることはない

 

Zoom がお客様のオーディオ、ビデオ、チャット、画面共有、添付、その他のコミュニケーションに関連するカスタマー コンテンツ(投票結果、ホワイトボード、リアクションなど)を使用して Zoom またはサードパーティの AI モデルをトレーニングすることはありません。
 

品質管理のクラウド レコーディング ファイルには、他の Zoom Contact Center と同じ保持ポリシーを適用

 

品質管理のインタラクションのレコーディングには、他の Zoom Contact Center のレコーディングと同じ保持ポリシーが適用されます。したがって、Zoom Contact Center 内でレコーディング ファイルが削除されると、品質管理内のインタラクションは削除されます。
 

レコーディングの免責事項と同意プロンプトは、Zoom Contact Center で管理

 

すべてのレコーディング同意プロンプトと免責事項は、Zoom Contact Center の設定で管理されます。品質管理では、本サービスに関連する独自のプロンプトは提供していません。
 

品質管理は、Zoom の米国を拠点とするクラスターでは世界中、Zoom の欧州を拠点とするクラスターでは欧州内で利用可能

 

品質管理は、Zoom の米国を拠点とするクラスターでホストされている Zoom のお客様には世界中で、また Zoom の欧州を拠点とするクラスターでホストされているお客様には欧州内でご利用いただけます。品質管理のお客様は現在、ホストされているアカウントのリージョン外に品質管理専用データを保管するよう設定することはできません。
 

本サービスを使用して生成したデータは保存時に暗号化され、AWS に保存

 

品質管理のアカウント データは、Amazon Web Services Key Management Service(AWS KMS)に保存された暗号化キーを使用して、256 ビット AES-GCM アルゴリズムで保存時に暗号化されます。

制限事項

品質管理は現在、規制の厳しい特定の業界や、行政機関向け Zoom では利用不可

 

品質管理は現在、特定のコンプライアンス要件がある可能性のある医療機関などの規制の厳しい業界ではご利用いただけません。さらに現時点では、品質管理は行政機関向け Zoom でご利用いただくこともできません。
 

品質管理は、エンドツーエンド暗号化(E2EE)ミーティングまたは通話との互換性がない

 

エンドツーエンド暗号化(E2EE)ミーティングと通話は、サービスの一部としてクラウド レコーディングやライブ文字起こしに対応していません。そのため、E2EE ミーティングと通話は品質管理の分析との互換性がありません。

結論

Zoom 品質管理では、人工知能と機械学習を活用した文字起こしとレコーディング分析を使用することで、エージェントのパフォーマンスと顧客満足度を向上させ、コンタクト センター業務の変革を支援します。品質管理では、センチメント分析などの包括的なインサイト、詳細なパフォーマンス指標、カスタマイズ可能なインジケーターを使用して、スーパーバイザーや管理者が改善分野を特定し、問題にプロアクティブに対処できます。これにより、コンタクト センター業務の効率化、エージェントのインタラクションの改善、顧客体験の向上が実現されます。品質管理の詳細については、Zoom アカウント チームにお問い合わせください。