アカウントは、会話内で言及されたインジケーターをグループ化して追跡するための、複数のカスタム カテゴリを作成できます。これにより各アカウントは、それぞれのニーズや環境、分野に最適な方法で情報システムを柔軟に作成できます。
たとえば、チョコレート キャンディ専門の会社なら、「競合他社」というカテゴリを作成し、主要な競合他社のキャンディの種類(あめ玉、グミなど)のインジケーターを作成できます。品質管理を使用すれば、「あめ玉」というインジケーターを作成し、「ぺろぺろキャンディ」、「杖の形のあめ」、「バタースコッチ」などのキャンディに関するキーワードを含めることができます。さらに、「グミ」という 2 つ目のインジケーターを作成して、「ミミズの形のグミ」、「クマの形のグミ」、「フルーツの形のグミ」や、その他のソフト キャンディなどのキーワードを追加できます。
アカウント管理者は、これらを組み合わせて、もっともよく言及されているインジケーターや、言及されている競合他社、言及されている特定の製品を確認できます。これにより、顧客のセンチメントや、顧客が競合他社の製品に興味があるかどうかなど、重要なコンテキストを取得できます。
インジケーターの言語はインタラクションの話し言葉と一致
品質管理では、インジケーターの言語をインタラクションの話し言葉や関連する文字起こしと一致させます。そのため、インジケーターはビジネスがインタラクションを行うと想定される言語で作成する必要があります。
インジケーターは過去の会話にさかのぼって適用可能
アカウントに新しいインジケーターを追加すると、インタラクションの分析時に新しいインジケーターが過去にさかのぼって反映され、傾向が明らかになるにつれて企業が一般的なテーマを定量化するのに役立ちます。
アカウントでは最大 250 個のインジケーターを設定可能
このドキュメントの公開日時点で、アカウントでは最大 250 個の一意のインジケーターの使用が許可されています。
インジケーターは、エージェント、顧客、または両者にトリガーされるよう設定可能
アカウント管理者は、インジケーターの作成時に、会話の中で誰がキーワードまたはフレーズに言及したかに基づいて、会話の分析にインジケーターを記載するかどうかを設定できます。
たとえば、コンタクト センターのエージェントがある製品や機能セットを定期的に参照すると、言及されるインジケーターの分析にゆがみが生じる可能性があります。ただし、顧客がこれらの製品や機能に言及し、センチメントやビジネスニーズを示す場合には、これらのデータポイントが有用である場合もあります。あるいは、品質評価を行い、分析対象を網羅するために、エージェントまたは顧客のいずれかによるインジケーターの言及をアカウントで常に強調表示することもできます。
スーパーバイザーと管理者はインジケーターの言及の通知に登録可能
品質管理のスーパーバイザーと管理者は、インジケーターの言及に関するメール通知に登録することで、特定のテーマや傾向を追跡またはモニタリングできます。通知に登録する場合、ユーザーは通知を毎日、毎週、毎月、または継続的(発生するたび)に受信することを選択できます。
たとえば、コンタクト センターのマネージャーがエスカレーション リクエストのインジケーターの通知に登録すれば、顧客のマネージャーに代わってほしい、または状況をエスカレーションしてほしいという要求の発生頻度を追跡することもできます。
通知登録の対象は、特定のキーワードやフレーズ、またはインジケーター全体を選択可能
通知に登録するときに、ユーザーはインジケーターとともにすべての関連キーワードやフレーズの通知に登録するか、個別または限定した一連のキーワードの通知に登録するかを選択できます。
たとえば、「サービスのキャンセル」インジケーターを選択し、キーワードとして「キャンセル」、「終了」、「中止」、「契約終了」、「解約」を含める場合、ユーザーはこれらすべてのキーワードの通知に登録することも、重大な懸念事項を生じさせる特定のフレーズ(「契約終了」など)の通知に登録することもできます。
[インジケーター言及] レポートでは、インジケーターの出現頻度を把握し、傾向をプロアクティブに特定できる
アカウント管理者とスーパーバイザーは、[インジケーター言及] レポートで、インジケーターの出現頻度を把握できます。この動的なレポートには、設定済みのインジケーター、フレーズ、キーワードを含むインタラクションが行われた頻度や割合が表示されるため、経時的な傾向を確認するために使用できます。以下の画像に示すように、スーパーバイザーはインタクラクションをプロアクティブにモニタリングすることで、手動で検索することなく問題や傾向をすばやく特定できます。

インジケーターの分析の詳細を表示すると、追加情報が棒グラフやバブルチャートで視覚化され、同じ情報を別の視点で確認できます。たとえば、以下の図では「解約リスク」インジケーターの追加情報を表示しています。

ここからスーパーバイザーはさらにインジケーター分析を絞り込み、インジケーターが言及された、文字起こし内の特定の会話や瞬間を表示できます。ここでは、アカウントまたはユーザー別にデータを絞り込んだり、特定のキーワードに絞ってコンテキストの文字起こしスニペットを表示したりできます。たとえば、以下の図では「解約リスク」インジケーターの一部として設定されている「解約」というキーワードの言及について示しています。

トピックは、会話に出てくる事前定義された広範なテーマを追跡し、顧客の懸念事項に関するインサイトを提供可能
特定のフレーズやキーワードに焦点を当てるインジケーターとは異なり、トピックは会話内の広範なテーマが強調表示されます。たとえば、話題によっては複数の視点からのテーマ(製品の安全性、プライバシー、価格設定など)で議論される場合があります。インジケーターのように、これらのテーマをキーワード別に追跡する代わりに、品質管理では、人工知能(AI)および機械学習(ML)アルゴリズムを使用して、事前定義済みのテーマに関連する質問や発言を特定します。
たとえば、顧客が一連のコンプライアンス規制またはセキュリティ規制の対象となっている場合、それらのトピックに関連する議論や質問を行うことがよくあります。そのため、品質管理で会話の分析を確認する際に、分析セクションでは、それらのトピックに関連する会話の文字起こしの一部が強調表示されます。
以下の図は、[トピックのハイライト] セクションに記載されているトピックの例を示しています。この図では、「Variety(多様)」、「Quality(品質)」、「Regulation(規制)」、「Business Requirements(ビジネス要件)」、「Cost(費用)」のトピックが強調表示され、これらのトピックに関する議論が会話の文字起こしに含まれていることを示しています。

品質管理には 7 つのデフォルト トピックがあり、最大 10 個のカスタム トピックを追加可能
品質管理には、会話内で自動的に追跡される 7 つのデフォルト トピック(価格設定、法務、プライバシー、セキュリティ、ユーザー要件、ハードウェア、ライセンス)があります。アカウント管理者はさらに最大 10 個のカスタム トピックを追加できますが、AI および ML アルゴリズムでトピックのテーマを理解できるように、さまざまなガイド文を提供する必要があります。以下の図は、「プライバシー」のトピックと基本的なガイド文の例です。

トピックは、インタラクションの文字起こしのみとマッチング
話し言葉の中で使われた単語を特定するインジケーターとは異なり、品質管理では AI / ML エンジンを使用してトピック プロセスをマッチングします。このエンジンのサポート対象言語は現在、英語のみです。したがって、他のサポート対象言語(スペイン語など)で交わされる会話はまず英語で文字起こしされ、その後トピックとのマッチングが行われます。トピックが英語以外のサポート対象言語で作成された場合は、英語に翻訳されて保存され、翻訳された文字起こしとのマッチングに使用されます。
スピーチ イベントには、インタラクションに、アカウントで定義されたしきい値よりも長時間の沈黙や掛け合いがあったかどうか、通話を保留にしたかどうかが記録
スピーチ イベントにより、スーパーバイザーは、アカウントで定義されたしきい値設定よりも長時間の沈黙や掛け合いがインタラクションで発生した瞬間と、通話を保留にした回数を特定できます。これにより、スーパーバイザーは、インタラクションが組織の基準を満たしているかどうかを特定して確認できるほか、これらのイベントがインタラクション内で発生したタイミングを特定できます。
スピーチ イベントの概要とラベルは、インタラクションのメディア プレーヤーの下に表示
スーパーバイザーがインタラクションを表示すると、メディア プレーヤーの下に会話のスピーチ イベントの概要と時系列が表示されます。これにより、誰がいつ発言したかや、トリガーされた各イベントの種類や長さを視覚的に理解できるため、スーパーバイザーはこれらの瞬間をすばやく特定し、確認できます。

品質管理のツール
このセクションでは、品質管理で利用できるさまざまなツールについて説明します。
パフォーマンス管理では、エージェントのインタラクションの品質を評価し、改善分野を特定する機能を提供
パフォーマンス管理では、スーパーバイザーと管理者がコンタクト センターのインタラクションを体系的に評価し、スコアカードを通じて改善分野を特定するためのツールが提供されます。品質管理内にスコアカードのインフラストラクチャを構築すると、スーパーバイザーが定期的な評価の一環として、あるいは突発的に(臨時で)会話をレビューする際に役立つうえ、複数のレビュー担当者を同じインタラクションに柔軟に割り当てることができるため、評価者全員の評価の整合性を確保できます。
スコアカードは、顧客とのインタラクション中のエージェントのパフォーマンスをスーパーバイザーが評価するために使用する、ユーザーが定義した問題のリスト
品質管理では、エージェントのパフォーマンス評価を目的に作成された、ユーザーが定義した問題のリストを含むスコアカードによって顧客とのインタラクションが評価されます。各スコアカードのテンプレートは、十分なロール権限を持つ品質管理のスーパーバイザーまたは管理者が構築してから、会話に適用する必要があります。
スコアカードでは、はい / いいえ、単一選択、評価スケールの 3 つの問題タイプをサポートしており、自由に組み合わせて使用可能
品質管理の管理者はスコアカードの各問題に対して、はい / いいえ、単一選択、評価スケールの 3 つの問題タイプから 1 つを選択できます。各スコアカードでは、これらの問題タイプを自由に組み合わせて使用できます。

スコアカードの問題は、加重値、累積点、評価者コメント、必須回答、自動不合格に対応
スコアカードの問題は、評価プロセスを向上させる多数の機能をサポートしています。スコアカードの問題で利用できる機能には、以下があります。
- 加重値: セクション内の問題の重要度に基づいて、合格点に達するために必要なポイントを増減できます。
- 累積点: 問題には、他のすべてのスコアカードの問題の累積評価点に寄与する値を付与できます。エージェントの行動に応じて、エージェントが適切な手順に従わなかった場合は、評価終了時までに累積点が合格点に達する場合も達しない場合もあります。
- 評価者コメント: スコアカードの評価者は、スコアカードの特定の問題に対してコメントやメモを残すことができます。これにより評価者は、エージェントのパフォーマンスに対してよかったことや改善の余地があることなどを示しながら直接フィードバックを提供できます。
- 必須回答: スコアカードの問題に必ず回答しなければならず、空欄のままにはできません。
- 自動不合格: エージェントがある問題を間違えると、スコアカード全体に「不合格」の成績が付けられます。
各スコアカードには、割合またはポイントベースの評価システムを使用
品質管理の管理者は、スコアカードの設計時に割合またはポイントベースのシステムを使用できます。割合ベースのシステムでは、全体評価が割合(90% など)で表され、ポイントベースのシステムでは数値スコア(90/100 または 133/150 など)で表されます。
これら 2 つのシステムに大きな違いはありませんが、割合ベースの評価ではセクションごとに加重スコアが有効になるのに対し、ポイントベースの評価では累積値のみが使用されます。
評価とは、評価者がエージェントの会話にスコアカードを適用すること

品質管理のスーパーバイザーまたはマネージャーがエージェントの会話にスコアカードを適用するときに、評価が行われます。評価を行うには、十分なロール権限を持つユーザーがインタラクションに移動し、[パフォーマンス] タブを選択して [評価] をクリックし、適切なスコアカードを選択します。
マネージャーは評価者に評価を割り当てられる
突発的な(臨時の)評価に加えて、十分なロール権限を持つマネージャーまたはユーザーは、他の品質管理スーパーバイザーまたはマネージャーに評価を割り当てることができます。
評価が割り当てられると、評価者は会話への直接リンク、使用するスコアカード、期日が記載されたメールを受信します。