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カスタマー サービス向け AI: チャットボットの枠組みを超えて CX を改善する方法

CX を向上させたいのであれば、企業はチャットボットだけに頼るわけにはいきません。顧客サービスを真に強化する AI 搭載テクノロジーを導入する必要があります。
7 分で読める

更新日 August 02, 2023

公開日 June 28, 2023

カスタマー サービス向け AI: チャットボットの枠組みを超えて CX を改善する方法
Jennifer Clark
Jennifer Clark

カスタマー サービスにおける人工知能(AI)と言えばチャットボットだという認識が定着してきています。 AI と機械学習(ML)を活用したチャットボットは、お決まりの質問への回答、24 時間 365 日対応の情報提供、多言語サポートの実現、全体的な顧客体験の向上などにより、カスタマー サービスチームの能力を増強してくれます。

しかし、カスタマー サービスに AI を活用するというオプションは、典型的なチャットボットをはるかに超えています。 企業は、カスタマー サービス業務全体を通して、AI を活用したテクノロジーをほかのさまざまな方法で導入できます。導入することで、良いカスタマー サービスを優れたカスタマー サービスへと進化させるのに役立ちます。

カスタマー サービスにおける AI の活用方法

AI を活用したカスタマー サービスを取り入れると、顧客やエージェントへの卓越したユーザー体験の提供から、より費用対効果の高い効率的なワークフローの構築に至るまで、業務のあらゆる側面にメリットがあります。一部では「AI が人間の仕事を完全に乗っ取る可能性がある」という意見もありますが、機械学習を活用した実際の AI は、人間が重要度の高いタスクに取り組む時間を確保してくれることで顧客体験を向上させています。

カスタマー サービスにおける AI の活用例

AI の活用によってカスタマー サービス サポートにどのようなメリットがあるか、その一例をご紹介します。

ビッグデータ分析

AI と ML は、大規模なデータ ストリームを短時間で分析できます。その速さたるや、人間は到底敵いません。さらに、こうしたテクノロジーは、カスタマー サービスやコンタクト センターが生成する膨大な量のデータで手一杯の人間には発見できないようなパターン、トレンド、異常を特定することができます。カスタマー サービス向け AI を活用すれば、エージェントは生産性を向上させ、重複した作業を排除し、コストを管理できます。

エージェントの支援

AI と機械学習は、エージェントの作業効率化を直接手助けしてくれます。たとえば、AI はカスタマー サービスのやり取りを分析し、カスタマー サポートのエージェントが問題解決に必要とする情報をすぐに見つけ、コンピュータの画面に表示できます。

このような形で AI をカスタマー サービスに応用すると、エージェントの時間の節約につながり、顧客からの問い合わせを迅速に解決できるようになります。 また、エージェント(特に新人エージェント)が、より有能に、より少ないストレスで作業をこなす手助けにもなります。

会話分析

会話分析は、自然言語処理(NLP)を使用して、人と人との会話からデータを取得します。 このテクノロジーは、皆様のブランドに対する顧客の印象や満足度について、さらなるインサイトを提供します。 また、エージェントのパフォーマンスを評価して、もう一度トレーニングする必要がある分野を突き止める点においても役立ちます。

ロボット プロセス自動化(RPA)

AI は、顧客とのやり取り中のエージェントが必要とする情報に素早くアクセスできるようサポートするだけではなく、エージェントにとって時間を取られるタスクを代わりにいくつか処理することも可能です。 AI を活用したロボット プロセス自動化は、記録の更新やフォローアップの生成といったシンプルなタスクを遂行してくれるため、人間のエージェントは次の電話への対応に移ることができます。

Deloitte のアンケートによると、RPA を導入した組織は 12 か月未満で ROI を達成したそうです。しかも、このソリューションは平均でフルタイム相当の能力の 20% をもたらしたといいます。 また、RPA を導入した企業の 90% は品質と精度が向上したと報告し、86% は生産性が向上したと報告し、59% はコストが削減したと報告しています。

AI トレーニング

最高の顧客体験(CX)を提供する方法をご検討の場合、新しいカスタマー サービス エージェントを適切にトレーニングすることが重要です。しかし、これは基本的に時間のかかるプロセスです。しかも、エージェントが受ける最初の問い合わせがイレギュラーな内容となる懸念も拭えません。AI を活用すると、音声読み上げ機能を使用したトレーニング プログラムを作成し、新人エージェントがよくあるご質問に基づいたテストシナリオで演習を行い、自立して業務を開始する準備が整っているか評価できます。

セルフサービス

セルフサービスのトレンドは拡大しています。約 71% の顧客が、企業に対して電話だけでなくメッセージによるサポートも希望してます。

ナレッジベースはある程度のセルフサービス オプションを顧客に提供できますが、顧客が自分で問題を解決できるようにインテリジェントに支援できるのが AI です。ML と AI は人間の行動パターンを感知して、顧客が必要な回答を見つけるための最適な方法を学習できます。

AI はいかに顧客満足度に寄与するのか

人工知能と機械学習はプロセスを最適化できますが、カスタマー サービス向け AI は、従来のプロセスのみを使用する人間のエージェントよりもはるかに豊かな経験を与えてくれるときがあるということも、覚えておいてください。 カスタマー サービス向け AI ができることは何なのか、その一部をご紹介します。

ユーザー体験をパーソナライズ

AI はデータを迅速に分析し、顧客一人ひとりに合わせて対応できます。 たとえば、AI を使用すると、カスタマー サービスは顧客がいる場所を考慮に入れて、地元で入手可能なプロダクトやサービスを提案できます。 AI はまた、個々の顧客のデータを分析して、より高度にパーソナライズすることも可能です。

人間による顧客対応を改善

カスタマー サービス向け AI は、人間のカスタマー サービス担当者がさらに効果的に業務をこなすための手助けもします。AI は、エージェントへの引き継ぎから情報を収集し、問題を迅速に解決できます。さらに、AI チャットボットが基本的な問い合わせに対応すれば、エージェントはさらに複雑な問題に集中できるので、優れたカスタマー サービス体験の提供が可能になります。

AI はいかにエージェントの満足度をサポートするのか

カスタマー サービス向け AI は、エージェントを成功に導き、ストレスの少ない職場環境の構築に役立つという、エージェントにとってのメリットもあります。 カスタマー サービス向け AI は、次のようなことを実現します。

燃え尽き症候群を防ぐ

カスタマー サービス担当者というのは、ストレスの多い仕事です。自分のサポートを待っている顧客の長い行列を抱え、かと思えば解決時間を記録する時計の針に追われています。 そして、過度にストレスを感じる時間の積み重ねが燃え尽き症候群につながります。 AI は、顧客にセルフサービスというオプションを提供することで、待ち行列を短縮し、エージェントの燃え尽き症候群を防ぐことができます。

ワークフローの合理化

AI がタスクを自動化して、エージェントが必要な情報に素早くアクセスできるようになると、それぞれのやり取りがより迅速かつ効率的になります。 顧客は待ち時間を短縮でき、エージェントは迅速に解決できるようになります。

AI はカスタマー サービスの未来になり得るか

AI は、最終的にはカスタマー サービスの効率性と生産性を高め、顧客体験を向上させるなど、カスタマー サービスに多くのメリットをもたらします。 米国の消費者の 57% が、自分が不愉快な体験をした後はそのビジネスを避けるよう友人に伝えると回答していることから、スムーズなやり取りを提供する AI を活用したカスタマー サービスは競争力を高める要因になるかもしれません。 その結果、ビジネスは以下のようなメリットを求めて AI カスタマー サービスを活用することになるでしょう。

コストの削減とリソースの最適化

AI を導入すると、優れたカスタマー サービスを提供しながら、時間を節約し、セルフサービスを可能にし、エージェントの残業の必要性を減らすことができます。 さらに、AI テクノロジーを使用したカスタマー サービス機能の拡張は、新しいエージェントを雇用するよりも費用対効果が高く、景気後退によって需要が減少したとしても企業は AI を縮小すればよく、従業員を解雇せずにすみます。

24 時間体制のサポート

質問がある顧客やサポートが必要な顧客は、営業時間になるまで待ちたくないものです。AI は 24 時間体制でサービスを提供できるうえ、顧客は電話、ウェブサイトのチャットボット、ソーシャル メディア、アプリ(Facebook Messenger など)からアクセスできます。カスタマー サービス向け AI があれば、顧客がもっとも都合のよいタイミングで回答を入手でき、さらにエージェントも始業直後の大混雑を回避しやすくなります。

予測的インサイト

企業は AI や ML を利用して、プロジェクトの現状、プロセスにおけるガイダンス、製造や出荷の進捗状況といった、現在の状況を把握しています。一方、AI や ML は記述的な分析のみならず、予測的なインサイトも提供可能なことから、お客様の CX 戦略全体に取り入れるとよいでしょう。たとえば、AI は営業チームのためにデータを検索してリード ジェネレーションを行ったり、顧客とのやり取りに介入することなくインタラクションを分析して顧客離れとなる兆候を探ったり、インテリジェントな意思決定ができるようにビジネス リーダーに予測結果を提供したりできます。

プロアクティブなサポート

AI を取り入れたカスタマー サービスチームは、リアクティブな対応からプロアクティブな対応へと軸足を移すことができます。 実際、AI は顧客が購入したプロダクトや利用したサービスに基づいて、顧客が必要とする可能性のある情報についてのインサイトを提供できます。

カスタマー サポートチームに連絡してくる顧客を待つ必要は、もうありません。 カスタマー サポートチームは、顧客とのやり取りを開始してコントロールできるので、確実に素晴らしい顧客体験を届けることができます。

顧客の意思決定

ユーザーにとって、質問への回答や簡単なタスクの実行をサポートしてくれる AI 搭載のバーチャル アシスタントは身近な存在となっています。AI プラットフォームの機能が拡大するにつれて、バーチャル アシスタントは、顧客がもっとも満足できる買い物をしたり、製品の修理か買い替えかを判断したり、ニーズに最適なサービスを選択したりする際の意思決定をサポートできるようになります。

カスタマー サービスにおける AI は高価なのか

AI カスタマー サービス プラットフォームの価格はさまざまですが、その多くは SaaS(Software as a Service)モデルで提供されています。企業側の設備投資は不要で、代わりに月額料金が請求されます。

もちろん、各企業は AI で解決するにあたっての問題点や予算を考慮する必要があります。 ですが、カスタマー サポートの総運営コストを考慮し、その他の選択肢(従業員の増員など)と AI ソリューションのコストの比較検討を必ず行ってください。 比較すると、おそらく AI の方がコスト パフォーマンスが良いという結果になるでしょう。

開始する方法

カスタマー サービスに AI を導入するためには、いくつか決めなければならないことがあります。 まず、AI が企業のために実行するタスクと、プラットフォームのトレーニングのために提供する必要があるデータ(ナレッジベースやカスタマ― サービス管理システムとの連携など)を決定する必要があります。

適切な AI カスタマー サービス プラットフォーム プロバイダーと提携すると、導入の成功に必要なガイダンスやサポートが提供されるため、導入プロセスがスムーズになります。

Zoom バーチャル エージェントが役立つ仕組み

Zoom バーチャル エージェントは、エージェントの支援やデータ分析から AI チャットボットに至るまで、カスタマー サービスで AI を活用できるようにさまざまなオプションを提供します。より効率的な拡張機能を備えていることから、優れた CX の提供という点を妥協する必要はありません。また、Zoom バーチャル エージェントはさまざまな CRM や CCaaS プラットフォームと連携し、インテリジェントでつながりのあるユニファイド コミュニケーション環境の構築を支援します。

AI がカスタマー サービス業務にどのようなメリットをもたらすのか、今すぐ専門家にお問い合わせください。

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