コンタクト センター AI 導入の完全版ガイド: 成功への 5 ステップ
コンタクト センター AI: 顧客体験を実践的な方法で変革する方法をご紹介します。コンタクト センターへの AI 導入を成功させるメリット、課題、手順をご紹介します。
コンタクト センターの AI と人間がつながるベストバランスを見極め、未来を見据えた顧客体験を実現する方法を探ります。
更新日 November 12, 2024
公開日 October 09, 2024
生成 AI のニュースが世の中を賑わす中で私たちは、ロボットによってみるみる世界が終焉を迎え、かつて人類が住んでいた地が破滅してディストピアと化す場面をさんざん想像させられてきました。このような見出しは人々の目を引き付けますが、私たちの信じるコンタクト センター AI の未来像は、もちろんそのようなものではありません。かつて未来を描く映画を見た私たちが、2015 年までにはホバーボードに乗って飛び回るようになる世界を思い描いていたのと同じように、ロボットが顧客体験(CX)業界を間もなく支配するようなことはありません。AI がセルフサービスを最適化し、バーチャル エージェントがより多くのサービスを提供するようになるのは間違いありませんが、AI がエージェントに取って代わるわけではありません。未来を見据えてコンタクト センターの準備を整える際に必要なものは、なにも AI だけではありません。
AI がコンタクト センターの運営方法をよりよいものに変える可能性を秘めていることはもっともですが、コンタクト センターに寄せる顧客の期待はますます高まっています。Zoom が Morning Consult に委託した調査によると、消費者の 26% は、たった一度不満足な経験をするだけでブランドを見限る可能性があり、これは 2022 年以降 16% 増加しています。真に優れた CX とは、顧客、エージェント、従業員間の障壁を取り除きながら、バランスよく AI を導入することです。そうすることで企業は、シームレスで記憶に残る、そして何よりも人間味あふれる統合体験を創出することができるようになります。
エージェントとスーパーバイザーをサポートし、共感力とつながりを高める AI アプローチこそが、最高の結果をもたらします。ですが、いったい何から始めればよいのでしょうか?AI の導入は大変そうだと感じるのはごもっともです。そんな皆様のサポートは Zoom にお任せください。今年の Zoomtopia における CX スポットライト セッションのテーマがまさにそれです。ぜひ参加して、顧客の期待が高まり業界が変革期を迎える中で、AI ファーストの統合体験によってどのように顧客との関係を維持することができるかを一緒に深掘りしましょう。
まずは、一歩下がって、ここまでの経緯を振り返ってみましょう。AI が現状を揺るがし、コンタクト センターの運営方法を根本的に変えていることは周知の事実です。コンタクト センターの AI があらゆる顧客対応の一角を担うであろう未来は、まず間違いありません。セルフサービス ソリューションから予測分析、自動要約機能、その他あるあらゆるものにおいて、AI はコンタクト センターの効率に大きな影響を与え、ひいてはエージェントの幸せと顧客の満足を生み出す可能性を秘めています。
AI が進化しているにもかかわらず、顧客満足度は低下しています。Forrester の Customer Experience Index(顧客体験指数)も、当社が Morning Consult に委託した調査結果を裏付けています。この指数は 3 年連続で低下しており、最近では過去最低を更新しました。何が起きているのでしょうか。Zoom では、顧客の問題解決プロセスの管理に理由があると考えます。複数のチャネルや役に立たないボットの管理にたびたび苦労している顧客は、結局エージェントによるサポートに頼ることになります。このようにまとまりのない体験だと、顧客とエージェントの双方の気が滅入り、疲弊してしまいます。
重要なのは、エージェントが必要に応じてすぐに顧客の全履歴を把握できるようにすることで、顧客が何度も同じ質問を繰り返さずともチャネルからチャネルへスムーズに移動できるような、実際の体験を向上させる方法で AI を導入することです。では、何から始めればよいのでしょうか。まずは顧客のエンゲージ方法にかかわらず、AI をパーソナライズされた一貫性のあるものにします。次に AI を、コンタクト センターの枠を超え、エージェントをサポートしながら顧客とのやりとりをシームレスにする、統合体験を実現するツールとして捉えます。
カスタマーケア業界について知っておくべきことは、その名前の示すとおり「ケア」についてです。ケアは、単純に自動化できるものではありません。私たち人間は、自分の問題を解決するために他人に頼り、共感や理解、そしておそらくもっとも重要な信頼を得るために、他の人間との関わりを求めます。『Punk CX』の著者であり物語の主役でもある Adrian Swinscoe 氏が最近のレポート「将来を見据えたコンタクト センターの構築」で指摘しているように、ロイヤルティ全体の 88% が、カスタマー ジャーニーの 2 つの体験時(購入時とその前後、および問題発生時)に醸成されることは当然と言えます。カスタマー ジャーニーにおけるこれら 2 つの体験の瞬間は、非常に価値ある信頼を築くチャンスです。
AI を慎重に導入すれば、エージェントがよりパーソナライズされた、感情の通い合うインテリジェントな対応を行うために役立ちます。Zoom では、AI はエージェントに取って代わるものではなく、エージェントが顧客とつながる力をサポートするものであるという信念のもと、AI Companion と AI エキスパート アシストを備えた Zoom Contact Center 向けのフェデレーテッド AI 機能を開発しました。Zoom では、AI が反復的なタスクを人間の代わりに行うことで、エージェントがより各顧客に沿ったつながりや関係構築に集中できるようになると信じています。また、AI とのスムーズな対話を通じてセルフサービスの精度を大幅に向上させることができます。AI は、セルフサービスの改善と同時に、エージェントの能力向上も実現するため、これらを組み合わせれば、顧客によりよい体験を提供できます。
窓口から開始: セルフサービス ソリューション
まずはチャットボットの改善から始めるのが最適でしょう。多くの消費者、特に若い世代は、簡単な問い合わせに素早く回答してくれるチャットボットを利用します。とはいえ、チャットボット体験を楽しんでいる人は多くはありません。Zoom が最近行った前述の調査によると、チャットボット ユーザーのうち、将来的に利用したいと考える人はわずか 42% でした。ですが、もしチャットボットがより迅速に問題を解決したり待ち時間の短縮につながったりするのなら、利用する可能性がある人は 73% まで上昇しました。
Zoom のセルフサービス AI ソリューションである Zoom バーチャル エージェントは、会話形式でやりとりを行い、その要約とともに顧客をライブ エージェントに自動的に接続できるため、質問の繰り返しやイライラを軽減できます。そのうえ、当社の次世代型 Zoom バーチャル エージェントは、さらに複雑な問い合わせにも対応できるようになりました。以前のチャットの詳細を記憶しており、人間のエージェントと同じようにフォローアップの質問をします。
チャットボット ソリューションは、カスタマーケアの「窓口」であることが多いため、人間味のあるバーチャル エージェントにアップグレードすることで、顧客をリピーターにする第一印象を作ることができます。だからといって、最初のエンゲージメントがどんなに特徴的であったとしても、セルフサービスのためだけに AI を中途半端に導入してはいけません。ガードレールを設置し、エージェントが介入するタイミングを見極めましょう。
一歩先へ: エージェントのサポート
コンタクト センターのエージェント体験は今、最低の時期だと言えます。離職率は増え続け、エージェントの年間平均離職率は 52% だと報告されています。このデータから、AI サポートによって、エージェントの満足度を上げ、負担を軽減できるチャンスがあることは明らかです。エージェントはブランドの顔です。日々顧客と接しているエージェントが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、称賛やサポートを惜しむべきではありません。一度でも不満足な経験をした顧客はブランドを離れる可能性が高いというデータもありますが、エージェントも同様に不満なら離職を考えるかもしれません。
AI の力があれば、解決時間が短縮されるうえ通話後業務も削減され、エージェントは分析情報を入手でき、スケジュールや学習の管理機能が充実します。Contact Center 向け Zoom AI Companion や AI エキスパート アシストのような AI ツールを使用することで、エージェントはリアルタイムでサポートを受けることができるため、通話後業務が軽減され、卓越した顧客体験の提供というもっとも得意とする業務に集中できます。Zoom のお客様である VenturesCX の CEO、Chris Crosby 氏は、Zoomtopia 2024 で「通話後業務にかかる時間が 4 分半から 30 秒以下にまで短縮された」と語り、AI サポートで生産性が飛躍的に向上することを実証しました。また、AI エキスパート アシストをナレッジベースや技術マニュアルと連携させることで、通話時間が 3 分以上短縮されたことも紹介してくれました。
エージェントを支援するもう 1 つの方法は、ナレッジベースを常に最新にし、簡単にアクセスできるようにすることです。AI によるサポートで、エージェントは顧客との通話中に適切なタイミングで適切な情報を表示でき、より迅速かつ正確に問題を解決できます。Zoom AI エキスパート アシストのネクストベスト アクション機能は、エージェントにとってライブのパーソナル コーチのような役割を果たし、シナリオに基づいた最適な対応をエージェントに教示します。たとえば、顧客が返金ポリシーについて質問してきた場合、AI エキスパート アシストはプロダクトの詳細情報を把握したうえで具体的な回答を探し出し、それを基に、エージェントがそのまま使える形で返答を提示します。Zoom の最新リリースの詳細については、Zoomtopia 2024 CX ニュースをご覧ください。
ここまでご説明したことが、前述した統合体験にどうかかわってくるのでしょうか。AI がコンタクト センターでエージェントと顧客をどのようにサポートするのかをご紹介してきましたが、エージェントの日常がコンタクト センター業務だけで終わることはほぼありません。チーム ミーティングに参加したり、組織内のほかの部署に電話を転送したり、チームやマネージャーにメッセージを送信したりもします。ビジネス コミュニケーションとコンタクト センター業務が別個のもので、それぞれに異なる AI ソリューションが使われていると、エージェントは孤立感を抱き、顧客は質問を繰り返すループにはまって疲労し、苛立ちを覚えることになります。AI ファーストのブランド統合体験のメリットを享受するエージェントと顧客の様子を、以下でご覧ください。
統合体験を享受する 1 日: エージェントも顧客も大満足
AI が革新を続ける一方で、卓越したサービスを提供する中核を担うのが人間のエージェントであることに変わりはありません。そのためには、エージェントや顧客との信頼関係とロイヤルティを育む AI ファーストの統合体験でビジネス全体を体現する、CX へのアプローチが必要です。
Zoom は、AI ファーストの統合体験を構築することで、貴社が顧客との永続的な関係を築くお手伝いをさせていただきます。
Zoomtopia での顧客体験に関する全スポットライトをご覧いただくか、今すぐ CX 専門家による Zoom Contact Center のデモをご依頼ください。
顧客体験を統合体験に変革することにご興味がおありの場合は、Zoom のプレイブック「コンタクト センターから統合体験へ」で詳細をご確認ください。