このところ、仕事の世界は様子が大きく変わってきています。 13 人の専門家やソートリーダーが、同僚とのつながりを深め、チームのモチベーションを高めるための洞察やヒントを提供して、変化をうまく切り抜けられるようにお手伝いします。
13 人の専門家が語る、仕事で幸せを育むためのヒント

この頃は、オフィスと自宅が混在した環境で仕事をする人が増えています。 従業員は、状況次第で直接会うこともときにはありますが、デジタルでの交流はもはや当たり前です。
この新しいハイブリッド式アプローチは、従業員の柔軟性と自律性を高める一方で、リーダーは回答よりも多くの質問を抱くことになります。こうした新しい環境でチームを管理するためのルールブックが特にないからです。
- どのように分散しているスタッフをまとめ、つなげればいいのでしょうか?
- 部下のモチベーションを高め、奮い立たせるとはどういうことなのでしょうか?
- 従業員を成功に導くために必要な新しいプロセスやツールとは何でしょうか?
- 従業員の幸福と前向きな習慣はどのように育むのでしょうか?
このような質問に対する正しい答えは 1 つではないかもしれませんが、指針となる原則は、何が従業員の心を動かすのか理解することです。 少なくとも、専門家はそう言っています。
このガイドでは、職場におけるコミュニケーション、ビジネス文化、管理について、それぞれ異なる方法論を採用しているソートリーダーが提唱する重要なヒントや洞察をまとめました。 人間である自分を理解し、その内面の活用方法を理解することで、効果的にコラボレーションできるようになり、前向きな習慣を生み出せるようになり、信頼を育むことができると、ここに登場した専門家は述べています。 ここでは、そんな専門家からのアドバイスを紹介します。

Jay Van Bavel
チームの結束を高める
Jay Van Bavel 氏は、ニューヨーク大学で心理学と神経科学の教授を務めています。
このような新しいハイブリッド環境では、つながりを広げることは容易ではなく、リーダーには、全員を結びつけ、信頼を構築するための新しい方法を見出すことが求められます。
Jay Van Bavel 教授によると、柔軟に働く従業員のリーダーには、「私たち」という感覚を作り出す新たな使命が課されているそうです。将来的にも柔軟な働き方を実現したいのであれば、在宅勤務で醸成される個人のアイデンティティを超えて、従業員がグループのアイデンティティを理解できるよう支援する必要があります。これにより、コラボレーションとイノベーションが促されます。
- 全員が一丸となって取り組む目標を設定する
- 成功を収めたチームのメンバー全員の努力を称えるため、チームとしての報酬を活用する
- ストーリーを共有し、共同体としての目的意識を確認する
- 全員が何か大きなものの一部であることを示すシンボルを作成する
- インクルーシブな行動を導く社会的規範を確立する
- 「私たちの一員」として行動し、他の人があなたの後に続くように刺激を与える
優れた組織には健全な規範があるので、その規範が何であるかをよく考え、それを伝え、それに報いる必要があります。
Jay Van Bavel 教授

Tessa West
Tessa West 氏は、ニューヨーク大学の心理学准教授です。
Tessa West 准教授によると、実際の交流に伴うコンテキスト情報を全員が得られるように手助けし、在宅の従業員とオフィス勤務の従業員の間のギャップを埋められるようなビデオ ミーティングの使用方法は、いくつかあるそうです。
- 使用する画面は最小限にとどめる: 同じルームから一緒に参加している出席者については、同じカメラを使ってもらうことで、入力ソースが混在することなく、ルームにいる人同士の非言語的なコミュニケーションに焦点を当てることができます。
- 話者交替ルールを作り、スピーカー ビューは使わない: ルールを設定することで、インクルージョンを高め、West 氏が「ブルドーザー」と呼ぶ、会話を支配する人の悪影響を軽減できます。
- チャットを戦略的に活用する: 発言している人ではなくチャットだけに注目する人もいれば、その逆の人もいるため、全員に一貫した体験を構築できるようにチャットを展開するようにします。
- 新入社員を対象に直接会う機会を作る:リーダーは、対面での関わりを持つタイミングや方法を強制すべきではありませんが、新入社員が実際にチームと自然に交流できる機会を見出し、その機会を促す必要があります。
- ネットワーク構築のための時間を優先する: 対面かリモートかにかかわらず、すべての従業員にはネットワーク構築の機会が必要です。
リモート ワーカーが非公式にやり取りできるような仕組みを作る必要があります。リモート ワーカーが誰かに連絡を取ってくれることを前提としてはなりません。リモートで作業している人たちには、井戸端会議のようなおしゃべりの場がないのです。
Tessa West 氏

Charlene Li
Charlene Li 氏は、デジタル トランスフォーメーション、リーダーシップ、顧客体験の専門家です。 Li 氏は、Fast Company が選ぶ「ビジネス界で最もクリエイティブな人材」の 1 人に選出されています。また、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー『Open Leadership』を含む 6 冊の著書の執筆者です。
最近では、「ディスラプション」が名詞として認知されています。ディスラプションが生じている状況で生き残り、さらに力強くなる術を学ぶことは大切です。Charlene Li 氏は、このような時代に従業員とお客様の双方をサポートするためには、今日のリーダーはディスラプションを受け入れられるように組織文化を変革しなければならないと主張しています。
- 開放性を維持する: 情報を継続的に共有し、透明性のある意思決定プロセスを促進することにより、リーダーは信頼を勝ち取り説明責任を果たすことができます。
- 従業員一人ひとりのスポンサー機関: すべての従業員が自分のできることとできないことを把握できるようにサポートしてください。そうすれば、本人が自分の力を自覚するまで待つ必要がなくなります。
- アクションに偏見を持つ: アクションを実行するために必要な情報を決定します。 自問してみましょう:「決定を下すために答えるべき質問が 1 つあるとすれば、それは何でしょうか?」
ここで理解すべき重要なことは、リーダーは変化を生み出さなければならないということです。変化を生み出さないのであればリーダーとは言えません。それは、現状維持のための管理に取り組んでいるマネージャーです。
Charlene Li 氏

Gretchen Rubin
Gretchen Rubin 氏は、数々の賞を受賞したポッドキャストの司会者兼ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー作家です。
従業員はもう 1 か所にまとまっているわけではないので、従業員のモチベーションの源泉を理解することがこれまで以上に重要になっています。Gretchen Rubin 氏によると、「4 つの傾向」とよばれる個性のフレームワークを使うことで、自分や周囲の人をより理解できるようになるそうです。Rubin 氏の「4 つの傾向」は、「期待にどう応えますか?」という質問に対する回答を基に分類されます。回答の内容によって、以下の 4 つの傾向のいずれかに分類されます。
- Upholder(アップホルダー): アップホルダーは外的な期待と内的な期待の両方に応える人で、期限や必ず守り、他人が自分に何を求めているかを知りたがり、自分自身にも多くの期待をかけます。 任務遂行と自己主導に重きを置いているため、時に他者から融通が利かないと見られます。
- Questioner(クエスチョナー): クエスチョナーは、自分が納得できることであれば、行動を起こします。クエスチョナーにとっては、すべてが内的な期待になるのです。 恣意的なものや不正と思われるものに抵抗し、何をするにも根拠や理由を求めます。
- Obliger(オブライジャー): オブライジャーは外的な期待には応えるものの、内的な期待にはなかなか応えられない人のことです。 他人が困っている時は放っておけないものの、自分自身の問題は放置しがちです。チームメンバー、友人、家族としては、望ましい資質だと言えるでしょう。 彼らが内的な期待に応えるには、目に見える形で外的な信頼を得る必要があります。
- Rebel(レベル): レベルは、外的な期待にも内的な期待にも反発し、自分のペースで、自分のやり方で物事を進めます。 また、自分の声に耳を傾けることもありません。 アイデンティティに高い価値を見出し、既存の自己認識に沿った基準で判断します。
あるツールが [同僚] にはうまく機能したからといって、自分にもうまく機能するとは限りませんし、その逆もまた然りです。その違いを理解し、尊重しなければなりません。
Gretchen Rubin 氏

David Horsager
David Horsager 氏は、Trust Edge Leadership Institute の CEO で、また同時にビジネス戦略家、基調講演者、作家でもあります。
David Horsager 氏によると、信頼はビジネス戦略を成功させるための要で、リーダーは従業員に新しいプロセスや変化を受け入れてほしいと期待する前に、まずは信頼を築く必要があるそうです。実際、The 2021 Trust Outlook の調査によると、ある組織や企業で働きたいと思う最大の理由は、「経営陣(リーダー)を信頼しているから」であることがわかっています。では、実際に信頼を得るにはどうすればいいのでしょうか?
- 明確さ: 曖昧、あるいは複雑な表現は避け、明確な表現を心がける。
- 思いやり: 自分だけでなく、他者を気遣う。
- 人柄: 簡単だからではなく、正しいから行動を起こす。
- 対応力: 常に自らをアップデートし、時代に沿った思考を持ち、対応する。 時代に合わせて、スキルアップすること。
- 真摯な取り組み: 逆境に直面しても、献身的に取り組む。
- つながり: 他者とのコラボレーションを積極的に行い、意欲的に取り組む。
- 貢献: 積極的に協力し、実績を残す。
- 一貫性: 全員にいつでも同じ体験を提供し、信頼できるという評価を獲得する。
イノベーションに課題があると思っていますか? チームのイノベーションを高める唯一の方法は、人々がアイデアを共有して今以上に創造的になれるように、信頼を高めることです。
David Horsager 氏

Lauren Eskreis-Winkler
Lauren Eskreis-Winkler 氏は、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の准教授です。
Lauren Eskreis-Winkler 助教授は、成功の秘訣は才能やスキルではなく、ガッツだといいます。Eskreis-Winkler 助教授は、長年にわたってガッツを研究し、成功との関連性や、ガッツを培うために人々が何をできるのか見極めてきました。助教授は、もっとガッツのある人間になるために、あるいは他の人がガッツある人間になるのを助けるために重要な方法を 3 つ概説しました。
- 信念を変えて練習を優先する: ガッツがないのは、練習不足のせいです。練習の仕方がわからないか、練習できないと思い込んでいるのです。 何よりもまず、練習についての信念を変えて、挫折や失敗を恐れて前進を止めるなどということがないようにしましょう。
- モチベーションが高まるようなアドバイスをする: 仕事を先延ばしにしたり仕事に失敗したりするのは、大抵がそれを成し遂げる知識が不足しているからではなく、モチベーションに欠けるためです。 前に進むために必要な自信がないのであれば、成功するまで自信がある振りをしましょう。 あたかも専門家のように振る舞い、他の人にアドバイスし、自分には付加価値があると言い聞かせてください。
- 成長マインドセットを培う: 誰でも、成長マインドセットと固定マインドセットのどちらかを持っています。 私たちは、能力とは柔軟で変わりやすいもの、あるいは生来不動のものだと信じています。 マインドセットは、持続性に多大な影響を与えます。もし変われると信じられなければ、なぜ変わろうとするのでしょうか? 成長マインドセットと学習意欲を養うことで、ガッツの基盤を築くことができます。
人々はまっすぐ伸びた矢印のように成長すると思いがちですが、それは成功した人が自分の成功体験を大げさに伝えることが多いからだと思います。誰しもが実際はくねくねとした線のように成長します。誰だって自分の行く末を本当には理解しておらず、だから失敗も多いのです。
Lauren Eskreis-Winkler 准教授

Lindsay McGregor
Lindsay McGregor 氏は、Vega Factor の共同創設者で、ベストセラーとなった『Primed to Perform』(邦題: マッキンゼー流最高の社風のつくり方 高業績を生む「組織文化」のシンプル構築術)の共著者でもあります。
モチベーションというのは難しいテーマで、リーダーはいかにそれを惹起させるかに頭を悩ませています。Lindsay McGregor 氏によると、モチベーションは、リーダーが従業員の能力を効果的に引き出すために適用できるフレームワークに集約できるそうです。「モチベーション スペクトル」とよばれるこのフレームワークは、直接的なモチベーションと間接的なモチベーションの 2 つに分類できます。
- Play(プレー): 仕事に関わるアクティビティが気に入っている
- Purpose(目的): 自分のアイデンティティ、価値観、信念と一致する仕事の結果が気に入っている
- Potential(可能性): 仕事の最終的な結果を気にかけている、またはそれをさらなる目標を達成するための足がかりと見なしている
- Emotional(感情的): 何かをしなければならないというプレッシャーや外的な力、罪悪感を感じている
- Economic(経済的): 経済的なプレッシャーを感じながら働いている、あるいは報酬を得るためまたは罰を避けるために何かをしている
- Inertia(惰性): いつもそうしているからそうする
このモチベーション スペクトルのある特定の部分は、McGregor 氏が特定した 2 つのパフォーマンス タイプ(戦術的と適応的)のいずれかに帰着します。
- Tactical(戦術的): ベスト プラクティスに従い、計画を守り、指示を遵守する
- Adaptive(適応的): 創造性、革新性、問題解決に重点を置くなど、より良い実践を生み出す
戦術的パフォーマンスは、間接的なモチベーションと直接的なモチベーションの双方から得ることができますが、適応的パフォーマンスは直接的なモチベーションからしか得ることはできません。
何かをする際の「プレー」や「目的」の理由は何なのか、少し時間をとって考えてみてください。これを実行する過程で何を学ぶのが面白いのかというのが「プレー」で、これを実行することでどのような影響があるのかというのが「目的」です。それが自然にできるようになると、大きなトランスフォーメーションが起こります。
Lindsay McGregor 氏

Mark Bowden
Mark Bowden 氏は、世界的に有名なボディーランゲージの専門家で、基調講演者、ベストセラー作家でもあります。 Bowden 氏は、TRUTHPLANE の創設者兼代表取締役社長です。
仕事は、自宅、オフィス、空港、カフェなど、あらゆる場所でできるようになりました。場所を問わず同僚や顧客とのつながりを維持するために、ハイブリッド コラボレーションの技術を身に付ける必要があります。Mark Bowden 氏は、ハイブリッド ミーティングを最大限に活用するための 12 のヒントとコツを教えてくれました。
- 簡単に理解できるコンテンツ: オーディエンスの関心を維持し、短い区切りの場面やひとまとまりのコンテンツを作成する必要があります。
- 積極的な参加を促す: 歓迎ムードのある環境を構築し、目を引くビジュアルと一貫したエンゲージメントの機会を提供することでコンテンツを強化します。
- いつでも会話を重視する: ミーティング中にやり取りできるパートナーを探し、気軽で快適な体験にできるよう会話を始めてみましょう。
- アイコンタクトでつながりを生み出す: カメラを目線の高さまで動かし、前方に傾けて、ジェスチャーがフレーム内に収まるようにしましょう。
- 背景で自分らしさを演出: バーチャル背景の場合でも、本物の背景の場合でも、個人的な写真やお気に入りのものを映して、愛着や関心事を反映させる環境を作っていきましょう。
- クリアで信頼性の高いオーディオを確立: ノートパソコンのマイクはいつも適切で信頼できるものとは限りません。そこで、どの程度快適に聞こえるかテストして、音声が不安定な場合は外付けマイクとイヤホン、さらには安定したインターネット環境を準備して音質を確保するようにしてください。
- 沈黙に慣れる: 沈黙を受け入れることで、他者がコメントや質問をする有用な合間を作り、全体としてより魅力的な会話を成立させることができます。
- リソースを賢く使う: よりバーチャル環境に配慮し、それを取り込んでいく環境をシンプルに設定してください。しるしや物理的なリマインダーを配置して、カメラ目線をできるだけ維持することから始めましょう。
- マナーや口調を調整する: ワンパターンな手法とトーンに変化を加え、参加者が取り残されないようにしましょう。 対面で話すときにはトーンを落ちつけながらも、アクションを活発に行うことで遠隔参加者をさらに引き付けることができます。
- チェックインを続ける: 感情を示すジェスチャーを使用することで、参加者は自分のニーズを表現し、会話に参加するチャンスを得ることができます。そのため、こうしたジェスチャーに気を配ることで、定期ミーティングをよりよいものにできます。
- 視覚描写を拡大する: 参加者にカメラをオンにするよう強要することはできませんが、視覚描写を追加することで、環境がより魅力的かつ包括的になることをミーティングの出席者に喚起することは可能です。
- 擁護者になる: 遠隔出席者の参加方法を意図的に計画し、ミーティング中にその出席者の代理として意見を提唱することで、遠隔出席者は発言権が与えられていることを実感できます。
[ミーティング中の] 沈黙を恐れないでください。ユーザーが答えを導き出して戻ってくるまでには時間がかかるものです。オーディエンスが反応する時間を設けることで、世界中のユーザーの実情をリアルタイムで把握できます。これは近代テクノロジーによる奇跡と言えます。
Mark Bowden 氏

Dan Roam
Dan Roam 氏は、ビジネスの可視化とコミュニケーションの明瞭化に関する国際的ベストセラー 5 冊の著者です。
Dan Roam 氏は、視覚描写を通じてストーリーを伝える手法が、メッセージを伝えるにあたってもっとも強力な方法の 1 つだと言います。プレゼンテーションに図やイラスト、画像を組み込むことで、頭の中にあるものが明確になり、相手も同じ見方をしているかどうか確認できるため、相互理解とつながりが深まります。
プレゼンテーションを今から伝えるストーリーとして考えてみてください。ビジュアル素材で話の内容が、実感を持って伝わります。 Roam 氏が「ビジュアル デコーダー」とよぶメカニズム示したとおり、通常はシンプルであるほど、効果が高まるからです。 ビジュアル デコーダーは視覚情報の伝達に適した 4 部構成で、さっと相手の目にストーリーを伝えるために考案されました。 4 つの部分は次のように構成します。
- タイトル: 伝えようとするストーリーのタイトルを書きます。魅力的な言葉で短くまとめ、伝えたいことを率直に反映させるのが鉄則です。
- 登場人物と対象: 自分と話の登場人物 2~3 人、同じく話に登場するものを示すシンボルやアイコンを描き入れます。
- インパクトと結果: 自分のストーリーの成果やインパクトのものさしを明確にします。 測定対象といずれ達成することを目指す目標をシンプルなチャートにします。 望みは高く、目指すに値する目標を掲げます。
- 計画とタイミング: どのような計画で自分のストーリーを実行するかを考え、マイルストーンを入れてシンプルなタイムラインかカレンダーを描き、目指す結果を達成するまでのステップを示します。
プレゼンテーションやミーティングの多くが引き続きリモートで行われるこの世界では特に、絵を描くというシンプルな力が、自分たちを最もダイナミックな思想家、プレゼンターになる手助けとなるのです。
Dan Roam 氏

Jeremy Utley
Jeremy Utley 氏は、スタンフォード大学 d.school の社会人教育担当ディレクターです。
人間の脳は、ゼロから新しいものを生み出すことはありません。 アイデアは、既存の知識の断片を思いがけない方法でつなぎ合わせ、新しい結びつきを構築することで生まれます。
- イノベーションは量の戦いである: より良いアイデアには、より多くのアイデアが必要になります。
- より多くのアイデアを得るには、新しいインプットを探し求める: 協力相手や顧客など、想像力を刺激するようなインスピレーションや思いがけないインプットの源を特定します。
- イノベーションは多種多様な活動である: 独創的なアイデアが生まれる可能性を高めるには、風変わりなものも受け入れなければなりません。
- 良いアイデアを生むには良いつながりを探し求める: 既存のチーム、組織、さらには業界にも目を向けてみましょう。
革新者の重要な仕事のひとつは、予期せぬインプットを意図的に探し出すことです。
Jeremy Utley 氏

Jonathan Fader
Jonathan Fader 氏は、ニューヨーク ジャイアンツ(フットボール)とニューヨーク メッツの元メンタル トレーニング ディレクターです。
Jonathan Fader 氏は、ルーチンは自分自身の個人的な傑作で、それを生み出すためには適切なツールが必要なのだと述べています。
前向きな習慣を持続させるためには、仕組みが必要です。そこで Fader 氏は、「何を」「なぜ」「どのように」という視点から、リーダーが前向きな行動の発展を奨励したいときに適用可能なアプローチを編み出しました。
- 何を
「何を」は、目標を明確にし、それを最優先事項として常に頭に留めておく方法を見つけることです。たとえば Fader 氏は、ギター(G)、エクササイズ(E)、瞑想(M)、ストレッチ(S)の頭文字をとって「GEMS」と造語を作って自分の目標にしています。 - なぜ
習慣を形成するためには、一貫性を刺激する内的モチベーションを特定する必要があります。親としてのロール、情熱へのコミットメント、人生の長期的なビジョンなど、自分の価値観に関連する何かから始めてみましょう。 - どのように
ある行動が習慣として定着するには、どれくらい時間がかかるのでしょうか?研究によると、何かをきちんと習慣にして自動的にできるようにするためには 66 日、つまり 2 か月は見ておかないといけないことが証明されています。しかし、どうすれば一貫性を保てるのでしょうか?私たちは、自分たちが求める行動を喚起する方法を見つける必要があります。それは多くの場合、ゲーミフィケーション、つながり、そして習慣の定着化によって実現できます。
私にとって、チームを率いるということは、心理的な安心感を高めることです。誰もが心底自分らしくいられるような経験は、どうすれば生み出せるのでしょうか?
Jonathan Fader 氏

Lewis Howes
Lewis Howes 氏は、ライフスタイル起業家、ハイパフォーマンス ビジネスコーチ、著者、元アスリートです。
良い習慣は成長につながり、悪い習慣は挫折を招きます。良い習慣とは、必ずしもこれまでのルーチンを全面的に見直すわけではなく、自分の視点を改善してマインドセットを変えるような、達成可能で一貫性のある小さな積み重ねを意味します。前向きであるために何より重要なことは、一貫性です。Lewis Howes 氏によると、以下の 5 つの分野に注力することで、リーダーはチームと自分自身の成長を後押しできるそうです。
- マインドフルネス: 否定的な思考をコントロールする方法がわからないため、ソーシャル メディアやスクリーンタイムなど、前向きな感覚を得るために手軽な代替手段を求める人はたくさんいます。 こうした習慣について自分を責める必要はありませんが、何が自分を駆り立てているのか理解するために、自分の気持ちを掘り下げてみる必要があります。
- 他人のために行動する: 誰もが、自分にとって最も大切な人たちと充実した時間を過ごし、その人のために行動し、いつでも有意義な方法でその関係に努力を払う必要があります。
- 身体の健康: 水を飲んだり、体を動かす予定を立てたり、休憩を取ったり、睡眠を取ったりなど、カレンダーにリマインダーを付けて、こうしたアクティビティを忘れたり後回しにしたりしないようにしましょう。
- サービス: ハーバード大学の Elizabeth Dunn 博士の研究で、一部の参加者は自分のためにお金を使い、他の参加者は他の人のためにお金を使うように言われました。後者のグループは一日の終わりに、自分自身をより幸せだと評価したそうです。他人に与えることで、自分への見返りが多くなり、さらに持続可能な幸福の形が生まれるのです。
- 感謝の気持ち: すでに持っているものに感謝すると、より多くを得ることができます。 その感謝の気持ちを表現することで、心が和らぎ、ひいては全身の健康改善にもつながります。 感謝日記を書いたり、友人へメッセージを残したり、チームで電話して共有したりなど、常に感謝の気持ちを言葉にするようにしましょう。
「これが自分の人生の目的だ」ということが 100% 明確でないのなら、自分が役に立てる方法を見つけてください。使命、目的、会社、チーム、パートナー、家族など、対象が何であれ、自分はどのようにすれば役に立てるのでしょうか?ビジョンとは、まさにそのことです。
Lewis Howes 氏

Jamil Zaki
Jamil Zaki 氏はスタンフォード大学の教授で、『The War for Kindness: Building Empathy in a Fractured World』の著者です。
Google の研究によると、共感力は効果的なコラボレーション、インクルーシブ(包括的)な姿勢、そして何よりも、従業員の満足感を高めます。組織が親密(共感的)であると感じる従業員は、士気が高まり、ストレスが減り、結果として離職率が下がります。
また、優れたリーダーを生むのも共感力です。 共感力を持って管理するスタイルのリーダーは、建設的なフィードバックを提供し、従業員のニーズを解決し、メンバーの成長を助けます。
一般的な概念である共感力には、いまだに多くの誤解が存在します。 このスキルは天性のもので、努力しても身に付かないと考えている人もいます。そのため、共感力にまつわる俗説はいくつも生まれています。
Jamil Zaki 氏は、次の 3 つの俗説に疑義を抱いています。
俗説 #1: 共感力とは持って生まれた特性である
事実: 共感力とは、性格的な特性ではなく、マインドセット(考え方)である 体を鍛えて筋肉をつけるのと同じように、共感力は継続的に鍛えることができるものです。思いやりや理解力のキャパシティは、徐々に広げることができるのです。
俗説 #2: 同僚がどんな状態で何を感じているかはわかるものだ
事実: 特に職場では、権力を持つ地位に就くと、共感の筋肉が萎んでしまうことがあります。人を理解し、つながることができるからこそリーダーの地位に就けるものですが、その地位に就いた後は共感力を失ってしまう人がいます。このパラドックスを解消するには、リーダーは誰か他の人の現実を想像するだけでなく、他の人の現実について学ぶ必要があります。
俗説 #3: 共感とは単独で行うものだ
事実: 人は、周囲の人のポジティブな行動を真似ようとする 共感力も例外ではありません。共感力は一人の人間で終わるものではなく、組織の文化の中で受け継がれていくものです。 共感することが社会的な規範になると、人々は他者に共感を持つようになり、親切な行動が目立って増え、広がっていきます。
社会のつながりを職場の中心に据えることをこれまで以上に考えるなど、未来の働き方をさらに深く考えることができればと思っています。 そうすることで成功に一歩近付けると思いますが、もしかしたらそれ以上に、人間らしく仕事をするという点で役立つかもしれません。
Jamil Zaki 氏
ミーティングのベスト プラクティスにしても、モチベーションの話にしても、こうした専門家の洞察には、「もっと人間らしく仕事をする」という共通点があります。
これはすべて、従業員を第一に考えることから始まります。特に答えが必ずしも明確でない場合には、従業員のニーズを意思決定に反映させるようにしてください。 従業員を第一に考えたアプローチが、職場環境を持続可能なものにするための重要な成功要因になるでしょう。
また、Zoom プラットフォームに含まれているような、従業員体験に最適化されたソリューションでこのアプローチをサポートすることも重要です。Zoom は、この新しくて柔軟な未来に最適化された、体験第一のソリューションを構築しています。たとえば、包括的な体験を実現するよう設計された Zoom Rooms スマート ギャラリーは、AI テクノロジーを駆使した戦略的アプリケーションを通じ、オフィスに出勤する従業員もリモート ワーカーも、より平等に働けるように設計されています。これをリアルタイムの言語文字起こしと組み合わせることで、人々を真に結びつけるとともに、従業員は話を聞いてもらっていると感じ、つながりを感じ、仲間の一員であると感じ、平等であると感じながら、グローバルに働けるようになります。
有意義な仕事は、思慮に富んだリーダーシップから始まります。最高のリーダーになるために、適切なプロセスと製品を導入してください。