AI、リーダーシップ、ワークプレイスでの「信頼の文化」の構築に関するインサイト
AI のインパクト、信頼の重要性、優れたリーダーのマインドセットについて、PwC ワークフォース トランスフォーメーション プラクティス部門責任者である Toni Cusumano 氏との Q&A から学びましょう。
更新日 September 22, 2022
公開日 February 02, 2021
この記事は、CIOをはじめとする企業のテクノロジーリーダーが直面するコミュニケーション上の課題とビジネスチャンスに重点を置くZoomのグローバル戦略グループ、「CIOオフィス」がお届けるシリーズの一つです。
完全なリモートワークまたはハイブリッド ワーク環境に移行してから 1 年が過ぎ、働く場所という概念が不可逆の変化を遂げようとしていることに、多くの組織が気づきつつあります。
2020 年 3 月、多くの組織はほぼ瞬間的にプロセスをリモートワークに移行させる決断を下しました。 当初は、これは一時的なもので、数週間もすれば元に戻れると考えていたものの、時間が経つにつれて、こうした措置は永久的なものになりつつあります。 これに伴って、同僚や顧客、ステークホルダーとのコミュニケーションやコラボレーションの方法も変化し、バーチャル体験を中心としたデジタル トランスフォーメーションに注目が集まっています。
企業のエクゼクティブがデジタル トランスフォーメーションに注目し始めた頃、多くの組織では自社のプロセスを分析し、自動化できる作業と人が行うべき作業を区別していました。 次に、これらの機能を自動化するためのデジタルモデルが作られました。 これは、企業は効率性を向上し、顧客は利便性とスピードという点で満足度が高く、双方にとってメリットのある「ウィンウィン」の状況でした。 人員と自動化の相互作用がシームレスに統合されたデジタルモデルが新たな標準となっていったのです。 私はこれを「デジタル トランスフォーメーション 1.0」と呼んでいます。
パンデミックの影響によってデジタル化が進み、バーチャルプロセスという新しいコンポーネントが定着しつつあります。現在の企業は、人間のやり取りを分析し、そのアクティビティを対面で行う必要があるものとバーチャルで行えるものの 2 つのカテゴリに分類しています。このデジタル トランスフォーメーション 2.0 の段階はすでに始まっており、パンデミックによるロックダウンに対する短期的な対応が長期的な措置に変わり、結果的には企業と顧客にメリットをもたらしています。
典型例の一つは医療業界です。従来、医療従事者は「対面」が基本だったことは、ご納得いただけるでしょう。多くの医療機関では、患者への検査結果通知や質問に対する回答などにオンライン ポータルを使うこともあったとはいえ、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前は、ほとんどの業務は対面で行うものという意識が強かったのです。
医師と患者のやり取りにバーチャルな要素が導入され、パンデミックは、遠隔医療を普及させる触媒のロールを果たしました。 現在、医師は患者の初診はバーチャルで行い、その後、必要に応じて、医療施設で血液検査やレントゲンなどの検査を行います。 患者はオンライン ポータルで検査結果にアクセスし、医師は結果や次の手順を通知するためのバーチャルのフォローアップ診察をスケジュールします。 病院から薬局に処方箋を送ることもできますし、あるいは患者がオンライン ポータルからネット注文して、郵送してもらうこともできます。
バーチャルで医療を提供し、それを受けるプロセスが統合されつつあるようです。 情報がすぐに入手できます。 効果的で秩序立ったやり取りができます。 患者は車で移動したり、駐車したり、待合室で待つ必要がなく、医師は貴重な時間を効率的に活用できます。
ある医師に、今のバーチャル / 対面 / デジタルな診療体制をパンデミック終息後も続行するか聞いてみました。彼は「もちろんです」と答えました。実のところ彼は、この体制が完全な対面式よりも優れていると考えているそうです。患者が病気を媒介することもあり、待合室にいる患者の数が減らせれば、従業員もより安全になります。通院に苦労している高齢患者も、診察しやすくなります。しかも直接来院する必要がないため、場所に関係なく、患者を受け入れられるようになりました。
同じような変化が起きている分野は、ほかにもたくさんあります。裁判もバーチャルで運営されており、法曹界は仕事のほとんどがバーチャルでも可能だとわかりました。バーチャル教育も人気が高く、普及しつつあります。人々が学習と知識共有の新たな機会にアクセスしやすくなっています。ファイナンシャル アドバイザーは、顧客との面談をバーチャルで行っており、対面でのミーティングは必然ではなくなりました。
動き始めたデジタル トランスフォーメーション 2.0 は、今後も成長を続けるでしょう。従業員も消費者も企業も、新しい働き方とコミュニケーションを体験し、その恩恵を受けているため、現状維持や後退(パンデミック以前のやり方に戻す)では成功は望めません。
先ほども書いた通り、企業にとっては効率性、顧客にとっては利便性という双方にメリットがある状況です。 これこそ、継続的な導入の方程式です。 企業は、デジタル サービス、対面サービス、バーチャル サービスを組み合わせることで、事業の近代化を進めていくでしょう。 デジタル トランスフォーメーション 2.0 に投資する企業は、柔軟な勤務形態で優秀な人材を獲得し、シームレスで便利な体験を提供することで顧客のロイヤリティを高めることができます。
「Office of the CIO(CIO オフィス)」の関連記事もご覧ください。