
コンタクト センター AI 導入の完全版ガイド: 成功への 5 ステップ
コンタクト センター AI: 顧客体験を実践的な方法で変革する方法をご紹介します。コンタクト センターへの AI 導入を成功させるメリット、課題、手順をご紹介します。
顧客にとって最適なコンタクト センター AI を実装する 5 つのステップをご紹介します。
更新日 October 14, 2024
公開日 September 30, 2024
Morning Consult と提携して行った弊社の最新版調査レポートにより、生成 AI が主流の現代における顧客の期待の高まりについて、重要なインサイトがいくつか明らかになりました。ユーザーの期待が高まる中で顧客体験が低迷している状況は、もはや当たり前になっています(1~2 回のネガティブなやり取りがあるとブランドを乗り換えると回答したユーザーの割合は、2022 年のレポートでは 59% だったのに対し、本レポートでは 63%)。弊社が明らかにしたインサイトは、Forrester の「US Customer Experience Rankings 2024」など、他の調査機関でも支持されており、カスタマー サービス品質に対する満足度が過去最低であることを示しています。
本レポートでは、上記の認識が各世代間でどのように異なっているか、および顧客体験向け AI に対する感情がこれらの認識にどのような影響を与えるかを調査しました。意外なことに 1~2 回のネガティブな体験をした後、競合他社への乗り換えを最優先する割合は、X 世代の 65% に対し、Z 世代では 58% という結果でした。Z 世代とミレニアル世代は、AI のメリットについてポジティブな感情を持つ一方、ベビーブーマー世代についても AI のメリットを詳しく知ることで、顧客体験における AI サービスに対してはるかに好意的になるという結果も出ています。
上記の結果から、コンタクト センターにおける顧客主導アプローチの採用が今まで以上に重要になることが明らかになっています。また、CX 向け AI の実装アプローチにも同じことが言えます。デロイトがグローバル コンタクト センター サーベイ(2024 年)で明らかにしたように、AI による効率性の向上は、カスタマー サービスを強化するうえでも重要な意味を持ちます。
本ガイドでは、コンタクト センター AI に関するトピックを深く掘り下げ、弊社の調査から得られた 5 つの重要ポイントをまとめています。CX 向け AI 機能のデータが示すネガティブな状況に対処するために、コンタクト センターで今すぐ実行できる 5 つの実用的な顧客主導ステップについて見ていきましょう。まだこちらのステップを実践していない場合は、ぜひ以下の調査レポート全文をご確認ください。
最初に、コンタクト センター AI の概要について見ていきましょう。コンタクト センター AI(人工知能)は、顧客体験、エージェント体験、スーパーバイザー体験を強化するよう機能し、企業があらゆるタッチポイントから優れたブランド体験を構築する仕組みを変革しています。基本的な自動化機能やサイロ化されたツールに依存する従来型システムとは異なり、完全統合型のコンタクト センター AI は、顧客、エージェント、スーパーバイザーにシームレスかつ直感的な体験を提供します。こちらの AI 機能は、ルーティン タスクを処理するだけではなく、リアルタイムのインサイトで顧客のニーズを予測し、エージェントをサポートして、パフォーマンスを継続に改善できるようにします。
コンタクト センター AI は、単に人間の役割をロボットに置き換えるサービスではないと Zoom は考えています。それどころか、AI はセルフサービス体験に人間味を加え、各エージェントにリアルタイムのコーチング ガイダンスを提供し、冗長な管理作業を減らして、スーパーバイザーに必要に応じたプロアクティブなアラートを発することが可能です。Zoom Contact Center の AI 機能では、人間味のあるインタラクションにフォーカスすることで、顧客が誠意ある対応を実感し、エージェントが顧客の期待に応えるサービスを提供できるようになります。このような AI 主導の統合アプローチにより、コンタクト センターはプロアクティブなコネクテッド ハブへと変貌し、従来型システムでは成し得ない方法で顧客関係と運用効率を強化します。
弊社は Morning Consult に委託した調査レポートを通じ、顧客に優れたサービスを提供する効果的なコンタクト センター AI 戦略の策定に有用な 5 つの重要ポイントを特定しました。
ユーザーの顧客体験への期待が薄れる中、CX リーダーは AI 機能を効果的に活用し、顧客にそのメリットを共有する取り組みの必要性を肌で感じています。Zoom のような信頼性と革新性に優れたプロバイダーと提携すれば、コンタクト センター運用を軌道に乗せて、あらゆる世代のユーザーが求めるサービスを提供できます。
以下では、顧客が期待する迅速かつシームレスなサービスをエージェントが提供できるよう、CX 向け AI を実装するためのネクスト ステップをご紹介します。
生成 AI や高度な会話型 AI ソリューションの登場にもかかわらず、多くの企業は依然として従来の旧式チャットボットを使用しています。これらのベーシック モデルの多くは、より複雑かつ多面的な顧客の問い合わせを処理する機能が欠落しており、人間味のある口調で対応できません。ユーザーは、チャットボットが迅速に回答を生成し、待機時間を短縮できる点に期待感を抱いてはいるものの、昨年度チャットボットを使用した経験のあるユーザーからは、問題解決能力に関して高い満足度を得られていません。
新しいタイプの会話型 AI によるチャットボットの強化は、ユーザーが抱く主な不満、つまり「待機時間が長い」と「問題解決が遅い」を解決する、革新的な方法となる可能性を秘めています。
Zoom バーチャル エージェントを例にとってみましょう。一連の Zoom 顧客体験プロダクトの一部である Zoom バーチャル エージェントは、次世代のコンタクト センター向けに構築された高度な会話型 AI ソリューションです。管理者は、Zoom バーチャル エージェントの自動ボットフロー生成機能を使用して、顧客のニーズを満たすフローを作成できます。1 つのプロンプトからインテントのリストを自動生成することで、簡単な問い合わせを 24 時間年中無休で迅速に解決し、必要に応じてエージェントにエスカレーションすることもできます。
弊社の調査が示すように、多くのユーザーは AI が顧客体験にもたらすメリット(パーソナライズなど)をすべて認識しているわけではありません。24 時間年中無休のサービスは、ユーザーにとってより身近な存在となり、顧客体験の主力タッチポイントであるチャットボット ソリューションを通じて、その機能を実感いただけるサービスです。
セルフサービス機能は、日中働いていることが多く、通常の営業時間内にカスタマー サービスに問い合わせる時間が取れない若い世代にとって非常に重要です。AI の観点から考えると、チャットボットは顧客体験にとって必須の機能であり、中核を成すサービスです。その一方で、近年の生成 AI の発展により、顧客へのサービス提供の際に自動化機能を使用して、別のタッチポイントでも顧客満足度を高めることができます。
顧客が問い合わせる問題を通話の受信前に予測できるとしたらどうでしょうか?以前のやり取りや購入に基づいて、カスタマイズしたウェルカム メッセージを追加できるとしたら?たとえば、チケット ベンダーの場合、顧客の直近の購入に応じて「先週のベースボール ゲームはお楽しみいただけましたでしょうか」のようにパーソナライズされたメッセージを追加できます。
Zoom 独自の生成 AI アシスタントである Zoom Contact Center 向け AI Companion* を使用すると、顧客とのやり取りを迅速化し、パーソナライズできる可能性があります。エージェントは、通話要約とミーティング ノートを自動受信できるため、通話後のノート作成の負担が軽減され、次のエージェントに要約済みの情報を提供できます。Zoom Contact Center 向け AI Companion により、Zoom AI エキスパート アシストも強化されています。このサービスは即時に会話を分析し、エージェントが複雑な問い合わせを受けた際に、適切な情報を適切なタイミングで提供することでエージェントをサポートします。これらの機能により、通話による問題解決が迅速化し、顧客の不満が軽減され、エージェントが人間味のあるエンゲージメントを提供できるようになります。
具体的な方針を立てずに AI を導入することはやめましょう。コンタクト センター AI 戦略を策定する際には、そのメリットを顧客に共有する機会もご検討ください。
サポートに関しては、ライブ電話サポートとライブ メッセージがもっとも好まれる方法です。これらの活用例をいくつか見ていきましょう。
「AI を効果的に活用する方法」をテーマにしたカスタマー コンテンツ キャンペーンを作成することもできます。
ただし、顧客に AI のメリットを共有する場合、必要に応じて顧客が人間のエージェントへと簡単にエスカレーションできることが必須条件となります。
ユーザーが別のチャネルでのカスタマー サービスに関心を示すようになると、オムニチャネル体験の必要性は差し迫ったものになってきます。多くの企業が複数のチャネルを提供していますが、それらのチャネル同士が連携するとは限らないため、エージェントが顧客の問題を完全に把握できないという課題が生まれています。Zoom Contact Center のようなオムニチャネル ソリューションを使用すると、エージェントとスーパーバイザーは、電話、ビデオ、SMS、メール、チャット、WhatsApp、Meta Messenger などによる顧客とのやり取りすべてを一元的に確認できます。
また、AI は多様なチャネルから事例要約を抽出することでオムニチャネル ビューにおいてもサポートを提供できます。これにより、エージェントの負担が軽減され、顧客は問題がスムーズに解決されるという安心感を得ることができます。
最後のヒントをご紹介します。弊社の調査では、ユーザーは今もなお、人間らしい温かみのある顧客体験を重視し、求めていることが明らかになっています。この結果から、AI 導入の成功には AI 実装に対するバランスの取れたアプローチの採用が効果的であることがわかります。AI は、人間味を排除するのではなく、むしろ強化するために活用されるべきです。本ガイドが推奨する最初のステップとして、コンタクト センター AI 戦略を計画する際に何名かのエージェントとスーパーバイザーでチームを構成し、そのチームが戦略の全体像を把握しつつ、顧客体験における自動化サービスとライブ エージェントの役割分担を適切に見極めるとよいでしょう。
弊社のガイド「コンタクト センター向け AI 入門」には、このアプローチに関する多数のインサイトと実践的なヒントが掲載されています。
コンタクト センター向け AI 導入プロセスのあらゆる段階において、AI に対する顧客主導型アプローチの実装に本ガイドの重要ポイントと次のステップがお役に立てば幸いです。
また、ぜひ次回の Zoomtopia 2024(2024 年 10 月 9 日)にご参加ください。本イベントでは、専門的な CX セッションを開催し、弊社のイノベーション、そして顧客とエージェント主導の AI 戦略が顧客体験を強化する仕組みをご紹介します。
Zoom では、Delivering happiness(すべての人に幸せを届ける)を理念としています。Zoom Contact Center とその AI 機能が貴社にもたらすメリットについて、ぜひ話し合いましょう。今すぐデモを予約して、CX 専門家にご相談ください。