ソート リーダーシップ

この一年、そしてこれからの一年を考える

ZoomグローバルCIO、Harry Moseleyが2020年を振り返り、個人とビジネスへの影響、そして2021年の展望を語ります。
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更新日 September 22, 2022

公開日 January 07, 2021

2021 年への移行

この記事は、CIOをはじめとする企業のテクノロジーリーダーが直面するコミュニケーション上の課題とビジネスチャンスに重点を置くZoomのグローバル戦略グループ、「CIOオフィス」がお届けるシリーズの一つです。

2020年は、色々な意味で前例のない一年でした。 あらゆる産業と国が、パンデミックの影響を受けました。 ビジネスの面でも、社会的な面でも、世界のあらゆるものが変化しました。 こうした変化はほとんどが今後も何らかの形で残っていくだろうというのが一般的な認識です。 実際、新型コロナウイルス感染症は「いずれは起こる変化」を加速させただけだと言う人も少なくありません。

生活に対する考え方、自分にとって大切なことは何か、優先するべきものは何か、そして働き方を変えることで成功し、充実感(さらに大きな満足感)を得るにはどうしたら良いのか。新型コロナウイルス感染症は、私たち一人ひとりが大きなリセットを実行するきっかけとなりました。 そして、先進的な企業はこうした状況に先回りしておく必要があります。

考えてみてください。在宅勤務を希望する従業員は承諾を得なければならなかったのに、わずか10ヵ月の間に、今では承諾を得なければオフィス勤務ができない状況になったのです。

2021年以降、組織には重大な再評価が必要になります。 何百万もの人が、在宅勤務に限らず、場所に拘束されずに働けるということが証明されたのです。 以前と働く時間は同じ(または短い時間)でも生産性が向上し、ワークライフバランスも向上しています。 雇用者側も、ビジネスに距離(地理的な配置)は無関係であることを認識しています。 国内だけでなく、海外でも人材を獲得することができ、かつてのような巨大なオフィスビルを建てる必要もありません。

教育機関から医療機関、小売業、金融機関、プロフェッショナル サービスに至るまで、あらゆるものが大きく変化した今、「デジタル トランスフォーメーション」の本質がはじめて理解されつつあります。企業はほぼ常に高度なシステムを保有してきているため、デフォルトでデジタル化されています。しかし、本当の意味でデジタル トランスフォーメーションを実現するには、アナログ プロセスを一掃する必要があります。

こうしたデジタルトランスフォーメーションが加速する現状は、他の業界ではどのように映るのか、Zoomに在籍する業界のリーダーや世界的に活躍する企業のテクノロジーリーダーと話をしました。 ワクチンの接種が本格的に開始した2021年、ビジネスでもプライベートでも、今後も続くもの、変化に持ちこたえられそうなものは何か、考えてみましょう。

教育機関

急な必要に迫られたとはいえ、リモート学習への移行は必然だったため、2020 年中に遠隔学習と遠隔教育の概念がしっかりと定着しました。子どもたちはこれまでとは違うリモートという形式でも学べることが明確に証明されました。今後は「雪で休校」という概念自体が過去のものになるかもしれません。リモートモデルで学ぶからこそ、多大なメリットを得られる人もいます。生徒が高等教育に進むと、本人に世界中のコースを受講する能力があって選択肢が増えるため、遠隔教育を受けた経験が大きな強みになります。十代の若者たちにとって、こうしたリモート学習の経験は、従業員が世界中に散らばり、バーチャル コミュニケーションを取り合う分散チームで働く素地・素養となります。

予測

  • 教育と学習は永遠に変化を続ける:ハイブリッドモデルも定着
  • 今後は、従来型と非従来型の教育、そして企業の学習構造が融合することが予想できます。教育に対する需要は、ただ学位を取るだけでなく、スキルアップ、スキルの再教育、新しいスキル習得のスタック式マイクロ認証を含めたものに変わっていくと思われるからです。
  • ​ハイブリッド環境に対応する学生、教員、スタッフ、各構成員にサービスを提供する組織運営の最適化

医療機関

相談や審査などのサービスを受けるため、医療の専門家とつながる連絡方法も変化しています。 ​スマートフォンを使用して心拍数、血圧、目視による観察を行うことができるため、往診の診察の必要性が減り、医療従事者の対応範囲が大きく広がります。 これにより、すべての人の生産性が向上し、より優れたライフエクスペリエンスが実現します。

予測

  • 優先すべき事項は、病床数や診察の回数を増やすことなく、医療(ケア)を多くの人に届けられる方法です。
  • 医療従事者は、保険還付金の増額により遠隔医療をさらに推進することができるため、医療従事者にとっても遠隔医療は魅力的な選択肢になるでしょう。
  • 仮想トリアージ、専門家とのコンサルティング、検査結果の読み上げ予約などのユースケースで、遠隔医療サービスの採用が拡大し続けています。
  • メンタルヘルス(心療)やセラピーのセッションは、遠隔医療の中でも急成長すると予想されます。

金融機関

小売から資産管理、投資銀行に至るまで、金融サービスは大きく変化し続けてきました。 ​英国では、HSBCがZoom mortgages(住宅ローン)サービスを開始し、住宅ローン会社と顧客双方の生産性が向上しました。 投資銀行でもこうした変化は起こっています。Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)は、対面でのミーティングを行わず、完全にZoomのみを通して、ソフトバンクに対して29億ドルの株式公開を実施しました。 銀行家は、世界中を飛び回ることなく、自宅にいながらにして顧客と会って打ち合わせができるため、ワークライフバランスを改善し、生産性を向上させることができます。

予測

  • リテールバンキングの支店からバーチャルバンキングへの劇的な移行
  • 資産管理アドバイザーは、ワンクリックで各分野の専門家とつながり、地理的な境界線とバーチャルプラットフォームを超えて幅広い範囲に対応し、「人間的なふれあい」の価値を世界中に拡大しています。
  • 投資銀行家は、世界中を飛び回ることなく、費用対効果の高い方法で、さらに多くの案件を管理・実行していくことになるでしょう。
  • 調査や貿易取引はバーチャルで分散型になる

その他の洞察

このパンデミックの波及効果は、私たちの生活のさまざまな場面にも及んでいます:

  • 旅行:外出制限(ステイホーム)やソーシャルディスタンスが義務付けられる中、飛行機を使った旅行(移動)の形態は劇的に変化しました。 航空会社は、機内の除菌・クリーニング手順のほか、感染防止対策の強化に力を入れています。 ビジネスの出張は大きな打撃を受けましたが、家族や愛する人に会いたいという気持ちは強く、長期間、外出を制限された後の反動で冒険をしたいという人が増えると見て、個人の旅行は比較的早く回復するのではないかと考えています。
  • イベント: 私たちは、一夜にして対面イベントがバーチャルに変化していく様を目の当たりにしました。いずれ大小のイベントが再開されるのは確実ですが、大半は講演者や参加者のことを考えて、同時にバーチャル(配信)でも開催され、ライブで参加できない人のためにレコーディング(アーカイブ)も用意されるでしょう。冠婚葬祭や誕生日など、全員が集まることのできない家族のイベントでは、特に大きな影響があるでしょう。
  • 小売:パンデミックの間に、食料品、ベーグル、レストランの料理、さらにはアルコールまで、あらゆる商品の宅配システムが急激に増加しました。 あらゆる種類の小売業者や飲食店が、手数料はかけずに利便性を求めるオンライン消費者に向けて、eコマースの開拓や物流・宅配事業の強化に投資を続けていくでしょう。
  • エンターテインメント:映画館が閉鎖され、テレビ番組の制作が中断され、ライブコンサートや演劇が中止されたことで、Netflixなどの動画配信サービスが私たちのすべてになりました。 Zoomは、「サタデーナイトライブ!」のパンチライン(ジョークのオチ)になりましたが、秋の新シリーズ開始に伴って必要なツールにもなりました。 スタッフミーティングや台本読みなどの利便性が求められるコラボレーションでは、今後もビデオ会議が使用されるのではないかと予想しています。

まとめ

​これは世界の歴史において極めて重要な瞬間であり、すでに多くの変化が起こっています。 私は、生活にさらに劇的な変化が起こるのではないかと考えています。 「ビデオは新しい声だ」という概念は、パンデミックを経てさらに加速しましたが、世界中でワクチンの接種が本格的に開始した今、この10ヵ月間に経験した記憶は今後も残るでしょう。

バランスの取れた、優れた教育、医療、そして娯楽を追求する私たちの能力があれば、2021年以降は、生産的で自由で幸せな世界が実現できるはずです。生活も家族や友人との時間ももっと楽しめるようになると私は考えています。

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