
Zoom の社名変更のお知らせ
Zoom の新社名をご紹介します!社名変更の理由と、この新社名が Zoom のお客様に示す意味についてご確認ください。
更新日 July 24, 2023
公開日 June 08, 2023
Zoom で人材調査コンサルタントを務める Kelsie Colley は、2022 年 12 月に求職活動をしていたとき、リモートで働ける職種のみに応募していました。 ただ、リモートのロールなら何でもよかったわけではありません。彼女は、ミーティング中にビデオカメラがオンになっているかどうかだけでなく、もっと多くの方法でエンゲージメントを評価してくれる組織で働きたいと思っていました。
自閉症で ADHD の Kelsie にとって、すべてのミーティングでカメラをオンにすることは、認知的また社会的な過負荷になることがあるとわかっていたからです。 他者からの社会情報や技術情報をモニタリングすることに加え、自身をモニタリングすることも疲弊の元になります。 「自分のことを過剰に気にしてしまうのです。Zoom 疲れとも言えますね」と彼女は言います。
そんな彼女に必要な柔軟性が Zoom にはありました。「Zoom の同僚たちは、私がカメラをオフにしているときでもミーティングに集中できることをわかってくれています。それに、専門業務のタスクを遂行できるように体調を整えてと励ましてくれます」と彼女は言います。「Zoom では顔の表情だけでなく、幅広い方法でコミュニケーションが取れます。話すことも、チャットを開いておくことも、絵文字でのリアクションや挙手、アバターを使うこともできます。」
仕事を始めて 1 週間もたたないうちに、Kelsie は同僚と、ニューロダイバーシティ(神経多様性)のコミュニティの立ち上げについて話し合うようになりました。 そして、ニューロダイバージェントとニューロティピカル(標準的な神経回路を持つ人)の人々が、創造的な仕事の進め方について話し合い、Zoom の全従業員が業務で成功するよう擁護できるように、Neuro @ Zoom というチャット チャネルを立ち上げました。
「思い込みを打破して、同じ成果を出す方法は 1 つしかないという通説に反発したい思いがありました」と Kelsie は語ります。
このチャネルは、どのようにニューロダイバージェントの Zoom 従業員を、Zoom プラットフォームや Zoom の慣習の中でサポートするかというアイデアのハブにもなります。そのアイデアから得た知識を広げ、世界中の Zoom ユーザーにさらにニューロインルクーシブな体験を提供できます。
ニューロダイバーシティの考え方では、すべての人々が世界を異なる視点で体験していることを認識し、ニューロダイバージェントの人々がグループ内の代表例であることを確認しようと提唱しています。ニューロダイバージェントとは、認知機能または感覚機能が「標準的」な人々とは異なる人のことで、自閉症、ADHD、難読症、総合運動障害などの人々が含まれます。
Neuro @ Zoom コミュニティでは、ニューロダイバーシティの考えはニューロインクルージョンへの不可欠な第一歩であり、従業員が持つ多様な思考や世界との関わり方を認め、その多様性を歓迎する職場を作ることを第一に考えています。 この考えはすべてのチームの成功に欠かせません。
たとえば、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスを従来型の指標で評価していると、意図せずニューロダイバージェントの従業員に不利な評価を与えてしまいます。 ミーティングでアイコンタクトを取らないし笑顔がない、または発言が少ないという理由から、採用プロセスで候補から外されたり昇進の機会を逃している人がいるかもしれません。
ニューロインクルージョンを推進するには、そうした偏見に気付き、それが必ずしも真実だとは限らないと知ることが必要です。たとえば、アイコンタクトなどの行動は仕事での成功を予見できるわけでもないし、仕事自体への関心と関係があるわけでもありません。 こうした偏見や先入観に気付くことでチームはニューロダイバージェントの同僚への付き合い方がわかり、不公平な評価を与えることがなくなります。
ニューロインクルージョンのためには、従業員が自身のロールで生産性を高め、成功するためのツールと手段を提供することも必要です。Kelsie は例として、ミーティングのアジェンダ作成方法をあげました。ニューロダイバージェントの人々の中には、瞬時に情報を理解することが困難な人もいます。詳細なアジェンダがあれば、そうした人々は事前に準備できるため、ミーティングにもっと集中して参加できるようになります。
「オンボーディング中に、すべてのミーティングにアジェンダが必要だという話をしました」と Kelsie は言います。 「Zoom の全従業員のオンボーディング中に共有されるこの方針は、実際、ミーティングでのニューロインクルージョンを推し進めるためのすばらしい第一歩になります。」
とはいえ、ミーティング アジェンダの作成方法はさまざまです。 多くの人々にとってアジェンダは後付けで、ミーティングで話し合うトピック以外の詳細までは踏み込まずに数分でまとめられます。 質の高いアジェンダとは、ミーティングの重要性を明確にしていること、そして出席者がどうすればミーティングで貢献できるかを積極的かつ創造的に考えられるような方法でディスカッションのポイントを示すものでなければならないと、Kelsie は強調しました。
ニューロインクルーシブな職場にするには、方針や慣習が整うだけでは不十分です。プロダクトの設計や日常業務での使用方法も重要です。
「Zoom のアクセシビリティへのアプローチは、年齢や能力に関係なく、誰もがコミュニケーションに Zoom プラットフォームを使用して目的を達成できることに焦点を当てています」と Zoom アクセシビリティ責任者である Alex Mooc は言います。 「Zoom のシンプルさと使いやすさは、ニューロダイバージェントの方や認知障害のある方、目には見えない障害のある方にとって大切です。」
「Zoom プラットフォームの多くの特徴や機能はもともとニューロインクルージョンですが、さらに進化し続けています」と Kelsie は言います。 「Zoom のプロダクトは瞬時に自分のニーズに合わせられるし、他の人にも同じことをお願いできます。」
たとえば、Zoom のアバター機能を使用すれば、カメラに写るというプレッシャーを感じることなく自分自身を表現できるとニューロダイバージェントの Zoom 従業員は話します。 アバターはユーザーの動きや顔の表情を反映するため、静的なプロフィール画像よりも動的になります。また、ユーザー自身のスタイルや個性を反映するようにカスタマイズも可能です。
「同僚はもしかしたら私とのミーティングの時に、もっと高度なビジュアル体験を求めているかもしれません」と Kelsie は言います。 「ビデオカメラをオフにしたい日はアバターをオンにすれば、チームメートがより快適に感じられるコラボレーション体験を提供できます。」
カメラをオフにしてコミュニケーションしているユーザーは、挙手機能や絵文字のようなリアクションと意思表示アイコンでも、自身の出席や視聴、参加を示すことができます。
ニューロダイバージェントのユーザーにとってカメラをオフのままにする選択は、さまざまなメリットがあります。 そのひとつが、「仮面」を付けられることです。つまり、自然体で働いたり考えたりすることを隠してでもニューロティピカルに見えるように振る舞うというプレッシャーから解放されます。 仮面は創造性やイノベーションの妨げになります。従業員が仕事への従事よりも、その場への適合に心を砕くことになれば、知性を発揮することやアイデアを出してチームに貢献することができないかもしれません。
感情やストレスを制御するために自己刺激行動がみられるユーザーは、対面での会話中に体を揺らしたり手を振ったり咳払いしたりすることを、無理矢理抑えなければならないかもしれません。 そんなときに、カメラをオフにするさまざまなオプションがサポートされていれば、他者からの評価や誤解を恐れずに自己刺激行動を取る選択ができます。
ビデオ ミーティングのビジュアル性に圧倒される人もいます。 セルフビューを非表示にする機能やすべての着信ビデオを停止する機能を使えば、ニューロダイバージェントのユーザーが切望する「視覚情報からの休息」が与えられるため、会話に集中できるようになります。 聴覚処理の問題を抱えるユーザーは、自動字幕を使えばその場で発言内容を把握できるほか、ミーティング後の文字起こしを読めばあとから会話を見直すことができます。
組織にとって、ニューロダイバーシティへの取り組みにはメリットがあります。その中には、多様な才能や能力をもつ従業員がいるからです。 多様性が歓迎されている、自分は大切にされていると感じることが、従業員の満足度や維持率の向上につながります。 また、成功のために必要なサポートを受けられる従業員は生産性も上がります。
よりインクルーシブなミーティングにするためのヒントを以下にご紹介します。
コミュニケーションをさらに柔軟にし、さまざまな選択肢を用意することで、全員が自分に最適な方法を選択でき、全員にとってアクセスしやすい職場環境を整えることができます。
アクセシビリティのヒントについて詳しくは、Zoom ラーニング センターのアクセシビリティ コースをご確認ください。