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公開日 2026年6月29日
激化する市場競争のなかで企業が選ばれ続けるためには、CX(顧客体験)向上が欠かせません。商品やサービスを提供するだけでなく、顧客とのあらゆる接点を最適化し、優れた体験を提供することが求められます。
この記事では、CX向上が重要な理由やメリット、具体的な改善ステップを解説します。あわせて成功事例もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
まずは、CX(顧客体験)の定義や混同されやすい言葉との違いを解説します。
CXとは「Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)」の略称で、日本語で「顧客体験」を意味します。顧客が商品やサービスを認知してから購入・利用し、その後のサポートを受けるまでの一連の体験を指す概念です。
CXの対象は、商品やサービスの機能・価格だけではありません。Webサイトの使いやすさや店舗の雰囲気、問い合わせ対応、アフターサポートなど、企業と顧客のあらゆる接点が評価の対象となります。
CX(顧客体験)を理解する上で、混同されやすい言葉に「CS」「UX」「UI」があります。それぞれの違いを簡単にまとめたのが以下の表です。
CS(Customer Satisfaction)は、「顧客満足度」という意味があります。商品やサービスに対する個別の満足度を表す指標であり、企業との関わり全体を評価するCXとは対象範囲が異なります。
UX(User Experience)は、顧客がプロダクトやサービスを利用する際に得る「体験」のことです。そして、顧客とプロダクト・サービスをつなぐ接点となる画面上の要素(購入ボタンや文字のレイアウトなど)をUI(User Interface)と呼びます。
例えばECサイトでは、「欲しい商品をすぐ見つけられる」「スムーズに購入手続きができる」といった体験がUXにあたります。これに対して、購入ボタンや文字のレイアウトなどの画面上の要素がUIです。
UIの改善はUXの向上につながり、優れたUXはCXの向上に寄与します。CXはCSやUX、UIを含む広い概念であり、企業と顧客の関係全体を通じて生まれる価値を指します。
現在のビジネス環境では、CX向上が企業の競争力を左右する要素となっています。ここでは、企業にとってCX向上が重要な理由を解説します。
CX向上が重要視される理由の一つに、市場の成熟によって商品やサービスの機能・価格だけでは差別化が難しくなっていることが挙げられます。
優れた商品やサービスが登場しても、競合他社が類似した価値を提供することで差は縮まります。そのため、顧客が企業を選ぶ際には、商品やサービスそのものだけでなく、体験の質が重要な判断基準となっているのです。
例えば、スタッフの丁寧な接客や迅速な問い合わせ対応などは、CX向上に関わる要素です。こうした体験価値が他社との差別化につながり、顧客から選ばれる理由となります。
近年は、動画配信や音楽配信、電子書籍といったデジタル領域だけでなく、ファッションや飲食など、幅広い分野でサブスクリプションモデルが普及しています。
サブスクリプション型ビジネスでは、新規顧客を獲得するだけでなく、継続的に利用してもらうことが大切です。そのためには契約後の体験を向上させ、顧客との良好な関係を築く必要があります。
また、顧客の取引期間全体で得られる利益を示す「LTV(顧客生涯価値)」を高めるためにも、継続利用したくなる魅力的な体験やサポートの提供が欠かせません。CX向上は解約率の低下や顧客満足度につながり、LTVの最大化に貢献します。
SNSやレビューサイトの普及により、商品やサービスを利用した顧客が感想や評価を発信することが一般的になりました。
企業の広告や公式サイトだけでなく、実際の利用者による口コミを参考に購入や契約を判断する人も少なくありません。そのため、CXを向上させ、企業やブランドに対して好印象を持ってもらうことが重要です。
優れたCXはポジティブな口コミにつながり、新規顧客の獲得を促進します。一方で、顧客対応の不備や使いづらさなどによるネガティブな体験は、SNSを通じて短期間で拡散する可能性があります。
CX向上は既存顧客の満足度向上だけでなく、企業のブランド価値向上にも影響を与える重要な取り組みといえるでしょう。
続いて、CX向上によって企業が得られるメリットをご紹介します。
CX向上により、顧客が商品やサービスの利用を通じて良質な体験を得られると、企業やブランドに対する信頼や愛着を示す「顧客ロイヤルティ」の向上が期待できます。リピート購入や利用頻度の増加につながり、顧客単価を向上することが可能です。
自社への愛着を持つ顧客が増えることで、価格だけで比較されにくくなり、価格競争に依存しない安定した顧客基盤の構築を実現できます。
CX向上は、ブランド価値や企業イメージの向上にも貢献します。
顧客は商品やサービスの品質だけでなく、Webサイトやアプリの使いやすさ、購入プロセスのスムーズさなど、さまざまな体験を通じて企業を評価しています。
顧客体験を継続的に改善することで、「この企業なら安心して利用できる」という信頼につながり、ブランドへの評価が高まるでしょう。その結果、競合他社との差別化を図りやすくなり、市場における競争優位性の強化が期待できます。
CX向上によって既存顧客の満足度が高まると、SNSやレビューサイトでの好意的な口コミが増加しやすくなります。
顧客の口コミや紹介は、企業の広告よりも高い信頼を得やすいため、新規顧客の獲得につながる可能性があります。よい評判が広まれば、広告費を大きく増やさなくても認知拡大を実現できるでしょう。
新規顧客コスト(CAC)の低減と顧客数の増加を同時に推進できれば、利益率の改善にもつながります。
CX向上の実現には、顧客体験を把握したうえで課題を特定し、継続的に改善を進めることが重要です。ここでは、CX向上に取り組む際の基本的な流れを4つのステップでご紹介します。
まずは、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客体験を可視化しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入・利用し、その後のサポートを受けるまでの行動や感情を整理したものです。
一般的には、以下の手順で作成します。
顧客の行動や感情、接点を可視化することで、顧客視点で商品やサービスを見直せるようになります。また、認知や比較検討、契約、利用、サポートといった各段階で、顧客がどのような不満やストレスを感じているのかを把握するための基盤にもなります。
カスタマージャーニーマップを作成したら、顧客体験における課題を特定します。
例えば、「問い合わせ方法がわかりにくい」「契約手続きが煩雑で途中離脱が発生している」といった課題が見つかるかもしれません。課題を明確にすることで、優先的に改善すべきポイントを整理できます。
また、施策の効果を継続的に測定するためには、KPIの設定も不可欠です。
代表的な指標として、顧客ロイヤルティを測定する「NPS®」があります。「この商品・サービスを家族や友人にどの程度勧めたいと思いますか?」という質問への回答を数値化することで、CX向上につながっているかを把握できます。
CX向上を実現するためには、顧客接点を連携させ、一貫した体験を提供することが重要です。
近年では、顧客は電話だけでなく、Webサイトやメール、チャット、ビデオ通話など、複数のチャネルを利用して企業と接触しています。そのため、各チャネルが分断されていると、同じ説明を何度も求められるなど、顧客の負担が増えてしまいます。
そこで有効なのが、オム二チャネル化です。複数のチャネルの連携により顧客情報や問い合わせ履歴を共有することで、どの窓口からでも一貫した対応が可能になり、より快適な顧客体験につながるでしょう。
CX向上を目指すうえで、AIやテクノロジーを活用し、顧客の疑問をスムーズに解消できる環境づくりが重要です。
従来の有人対応のみでは、営業時間外の問い合わせに対応できず、顧客を待たせてしまうケースがあります。一方で、チャットボットを活用すれば24時間365日対応が可能となり、AIチャットボットであれば、質問の意図を理解したうえで最適な回答を提示できます。
また、AIで解決できない複雑な問い合わせは、オペレーターへスムーズに引き継ぐ仕組みを構築することで、より高品質な顧客体験の提供につながります。
CX向上に取り組む際は、施策を実施するだけではなく、その成果を定量的に測定することが重要です。ここでは、CXを計測するための代表的な指標をご紹介します。
NPS®(Net Promoter Score)は、顧客ロイヤルティを測定する指標です。顧客が企業や商品・サービスに対して、どの程度の愛着や信頼を持っているかを数値化できます。
一般的には、商品やサービスを周囲にどの程度勧めたいかを0から10の11段階で評価してもらい、回答者を以下の3つに分類します。
NPS®は推薦者の割合から批判者の割合を差し引いて算出します。計測方法がシンプルでありながら、顧客からの評価を把握しやすいため、多くの企業が活用しています。
CSAT(Customer Satisfaction Score)は、顧客満足度を測定する指標です。特定の商品やサービスの満足度など、顧客の短期的な評価を把握する際に活用されています。
一般的にはアンケートを用い、5段階で評価してもらいます。商品やサービスの品質、使いやすさ、サポート対応など、項目ごとに評価を得られるため、具体的な改善点を特定することが可能です。
CES(Customer Effort Score)は、顧客が目的達成までにどれだけの手間や負担を感じたかを評価する指標です。
例えば、以下のような要素がCESに関わってきます。
一般的にはアンケートで「商品・サービスの利用時にどの程度手間がかかりましたか?」といった質問を行い、7段階で回答してもらいます。
CESのスコアが良好であれば顧客のストレスを軽減できているため、CX向上にもつながるでしょう。
ここでは、Zoomのソリューションを活用し、CX向上につなげた成功事例をご紹介します。
株式会社LIXILは、2020年のコロナ禍をきっかけにオンラインショールームを開設し、予約不要で相談できる「今すぐ相談」の提供を開始しました。
従来のショールームでは予約が数週間先まで埋まることも多く、相談まで時間が空くことで顧客の購買意欲が低下してしまう課題がありました。しかし「今すぐ相談」の導入により、顧客は予約なしで空き時間や夜間でも気軽に相談できるようになり、利便性が向上しています。
この「今すぐ相談」を支えているのが、チャットやビデオなど複数のチャネルを統合管理できるZoom Contact Centerです。顧客はホームページからスムーズにビデオ通話に移行して相談できるため、よりスムーズな購買体験の提供を実現しています。
また、スタッフは自宅から接客できるようになったことで、ライフステージの変化に応じた柔軟な働き方が可能となり、従業員体験(EX)の向上にもつながっています。
以下のページでは、株式会社LIXILの導入事例の詳細についてご確認いただけます。
>>顧客には利便性を、従業員には働きやすさを LIXILがオンラインサービスで発見した新たなニーズと価値
トラムシステム株式会社では、サービスについての問い合わせや障害対応の受付を行う顧客企業向けのヘルプデスクを運営しています。
従来は問い合わせの一次受付を外部委託し、高度な技術知識が必要な案件のみ社内エンジニアへ引き継ぐ体制を構築していました。しかし、オペレーターごとの知識レベルに差があり、エンジニアへ引き継ぎ時の情報精度にばらつきが生じ、社内リソースを圧迫していました。
そこで導入したのが、AIチャットボットのZoom Virtual Agentです。Zoom Virtual Agentは、FAQなどのナレッジベースを参照するため、顧客からの問い合わせに対して一貫性のある回答を提供できるようになりました。
AIで解決できない問い合わせは、会話内容を自動でテキスト化・要約したうえでオペレーターに引き継ぐため、スムーズな有人対応を実現しています。
以下のページでは、トラムシステムの導入事例の詳細をご覧いただけます。
>>AI時代のコンタクトセンターを見据えて「Zoom Virtual Agent」と進化するトラムシステム
奈良市では、「奈良デジタル市役所」の推進を掲げ、行政サービスのデジタル化と業務効率化に取り組んできました。
一方で、庁内のPBXや電話設備、コールセンターシステムは更新時期を迎えており、運用コストや職員の業務負担が課題となっていました。
そこで奈良市では、以下の3つのソリューションを導入しています。
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ソリューション |
活用方法 |
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Zoom Phone |
庁内電話をクラウド化し、通話録音や文字起こし、要約などのAI機能を活用 |
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Zoom Contact Center |
問い合わせ窓口を一元管理し、応対履歴をデータとして蓄積・分析することでサービス品質を向上 |
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Zoom Virtual Agent |
AIによる音声自動応答で、よくある問い合わせに迅速に対応 |
上記3製品を総合的に導入するのは、国内自治体で初の取り組みです。これらのソリューションを連携させることで、市民からの問い合わせ対応の効率化を推進しています。
以下のページでは、奈良市における3製品統合導入の詳細をご覧いただけます。
>>奈良市とZVC JAPAN、AI活用による電話業務DXを推進:自治体初、Zoomプラットフォームを基盤とした統合導入へ
ここでは、CX向上に役立つZoomのソリューションをご紹介します。
Zoom Contact Centerは、音声・チャット・ビデオ・SMSなど、複数のチャネルを連携し、顧客対応を一元管理できるソリューションです。
チャネルを横断して対応履歴を共有するため、問い合わせ内容が分断されることなく一貫したサポートを提供できます。
また、AIチャットボットによる一次対応から、オペレーターによる有人対応まで会話の文脈を保ったままシームレスに連携できるため、顧客が同じ説明を繰り返す負担がなくなります。
顧客接点のオムニチャネル化とスムーズな情報共有を実現することで、CX向上につながるでしょう。
>>Zoom Contact Centerの機能詳細はこちら
>>AI×クラウドで加速するコンタクトセンターDX ― Zoom Contact Centerが選ばれる理由とは?
Zoom Virtual Agentは、顧客の問い合わせに自動対応するAIチャットボットです。
自然言語処理(NLP)と機械学習を活用し、顧客が入力した文章から意図を理解したうえで、FAQのような情報を参照しながら適切な回答を提示します。
24時間365日対応できるため、顧客は時間や場所を問わず即座に必要な情報を取得することが可能です。問い合わせに即時対応することで顧客の待ち時間を削減し、自己解決率の向上にも役立ちます。
また、Zoom Contact Centerとの連携により、AIで解決できない問い合わせはオペレーターへスムーズに引き継ぎます。CX向上だけでなく、問い合わせ対応の効率化やオペレーターの負担を軽減する効果も期待できるでしょう。
>>バーチャルエージェントとチャットボットの比較: 2026年版コンタクトセンターのマネージャーが知っておくべきポイント
商品・サービスの機能や価格だけでは差別化が難しい現在の市場環境において、CX向上は企業の競争力を高める重要な取り組みとなっています。
CX向上を実現するためには、顧客体験を可視化して課題を把握し、継続的に改善していくことが大切です。そのような改善を進めるうえでは、デジタルツールの活用が効果的です。
Zoom Contact Centerは、電話やチャット、ビデオ通話など複数のチャネルを統合し、一貫性のある顧客対応を実現します。また、Zoom Virtual Agentを活用することで、問い合わせ対応の自動化が可能となり、顧客の利便性とオペレーターの負担軽減を両立できます。
CX向上と業務効率化を同時に実現したい場合は、ぜひZoomのソリューションをご検討ください。