「ぶっちゃけ解説」と銘打っている以上、ここが本番です。導入前に把握しておくべきデメリットを、回避策とセットで正直に解説します。
① 受電メイン・簡易コンタクトセンター用途はプラン設計に注意が必要
Zoom Phone単体は「ビジネスフォン(クラウドPBX)」として設計されています。一般的な業務での受発信には十分すぎる機能を持ちますが、コールキューの詳細なリアルタイムレポートや、エージェントごとの応答率管理といったコンタクトセンター的な機能は、標準プランだけでは限られます。
「Zoom Phoneはコールセンター向きではない」ではなく、正確には「Zoom Phone単体ではコールセンター専用機能が限られるが、オプションで対応可能」です。
- Power Packを追加すると:リアルタイムレポート・コールキュー履歴ダッシュボード・Zoom Assistant拡張機能が利用可能になり、簡易的なコンタクトセンター・ヘルプデスクの運用に対応できます
- Zoom Contact Centerにアップグレードすると:チャット・電話・ビデオのオムニチャネル対応、感情分析、AIアシスト、処理コードの自動入力など、本格的なコンタクトセンター機能が揃います
用途に合ったプランを一緒に構築していくことで解決に繋がるので、営業より事前に要件を整理させてもらい提案を受けることをお勧めします。
② 初期設定・ユーザー登録でつまずく企業が実際に多い
実際の導入企業のレビューサイト(ITreview等)を見ると「Zoom Phoneの登録に手間取るユーザーが多い」「うまくいかない場合のトラブルシューティングに時間をとられる」という声が複数見られます。
Zoom MeetingsのシンプルさでZoom Phoneも簡単に使えるだろうと期待して導入した結果、管理者側のeKYC周りの初期設定や番号の割り当て、IVR(自動音声応答)の設定などで想定外の工数がかかったというケースがあります。
回避策:Zoomはご契約のプランによりけりではありますが、無償のサポートコールを一回分無料で提供していることもございます。また、有償のプロフェッショナルサービス(導入支援)とプレミアサポートもあります。社内にIT担当者が少ない場合や、大規模な展開を計画している場合は、これらのサポートプランを初めから予算に組み込んでおくことを強くお勧めします。また、Zoom認定パートナーを通じての導入では、設定支援をセットで受けられるケースも多くあります。
③ 通話品質はネットワーク環境に依存する(ただし業界で最も耐性が高い)
すべてのクラウドPBXに共通する課題ですが、Zoom Phoneもインターネット回線の品質に左右される側面があります。回線が極端に不安定な環境では、音声が途切れたりノイズが発生することがあります。
ただし、前述の通り、パケットロス環境や輻輳環境での音声品質耐性は競合の中で最も高いことが第三者データで示されています。この弱点は「ゼロ」ではありませんが、競合と比べれば相対的に小さいデメリットです。
回避策:
- 重要な拠点では有線LAN環境を整備し、Wi-Fiへの依存度を下げる
- 帯域を優先制御するQoS設定をネットワーク機器で行う
- BYOC(Bring Your Own Carrier)接続オプションを活用し、既存の固定電話回線とハイブリッドで運用する
特に緊急性の高い通話(例:医療機関、金融機関)が多い用途では、ネットワーク環境の整備とBYOC接続を組み合わせた設計を検討してください。
④ ビジネスモデル次第ではコスト面でオーバースペックになりやすい
受電メインのプロプランは月額1,275円/人(税別)からと比較的手頃ですが、かけ放題プランになると2,400〜3,300円/人(税別)の月額費用がかかります。通話量が少ない個人事業主や5名以下の小規模事業者にとっては、機能・コストともにオーバースペックになるケースがあります。
Zoom Phoneが真価を発揮するのは、「多拠点・多人数・通話量が多い」環境です。従業員数が少ない、通話が月に数十件程度という規模であれば、他の安価なクラウドPBXや050番号サービスを比較検討する価値があります。
回避策:Zoomは無料トライアルを提供しています。まず実際に使ってみて、自社の通話量・利用シーンを把握してからプランを選択する方法が最も失敗のリスクを下げられます。