お客さまとの通話をZoomでAI分析すれば、クレームになる前に対処ができる

導入事例-Zoom Phone+Zoom Revenue Accelerator:Renxa株式会社

Renxa株式会社 コンタクトセンター統括本部 執行役員の伊藤敦昭氏(左)、同社 BPO事業部 課長の長谷川祐太氏(右)
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設立 :

2017年

本社所在地 :

東京都豊島区東池袋3-13-3 いちご東池袋三丁目ビル3F

業界:

BPO

課題:

2021年には150席だったコンタクトセンターが、5年間で600席を超える規模へと拡大。事業の急成長に伴い、営業品質や営業生産性の維持/向上、さらに教育コストの大幅な増加という課題も顕在化した。

導入成果:

「Zoom Phone」と「Zoom Revenue Accelerator」を導入し、すべての通話をAIで自動的にチェック/採点させることで業務を効率化。責任者が本来注力すべき「教育」や「人材育成」に集中できる環境を整えることができた。

導入ソリューション

  「お客さまとオペレーターの通話内容をテキスト化し、分析することで、さまざまなことが見えてきます。たとえば、お客さまの何気ないひと言から潜在的な苦情やクレームを発見し、実際の苦情として顕在化する前に、委託元の企業さまにお伝えする――。そんなこともできるようになっています」(Renxa 伊藤敦昭氏)

 

 Renxa(レンサ)株式会社は、コンタクトセンター運営を主軸に据え、商材販売からBPOサービスまで幅広いビジネスを展開する、暮らしとビジネスをつなぐプラットフォーム企業です。Renxaは特にアウトバウンドコールに強みを持ち、近年ニーズの高まる多言語対応のコンタクトセンターも実現するなど、ユニークな特徴を持ちます。

 

 Renxaでは、営業品質および生産性の維持・向上と、教育コストの削減を目的に、「Zoom Phone」と「Zoom Revenue Accelerator」を導入しました。

 

 今回は、コンタクトセンター事業の総責任者である執行役員の伊藤敦昭氏、現場責任者である長谷川祐太氏に、Renxaが目指すコンタクトセンターでの課題解決をテーマに話をうかがいました。

年間250万人以上の顧客接点を持つコンタクトセンターを主軸に事業領域を拡大

 Renxaは2017年、保険代理業のニュートン・フィナンシャル・コンサルティングと、ミネラルウォーターの宅配事業を展開するプレミアムウォーターホールディングスの合弁会社として設立されました。最初に手がけたビジネスはウォーターサーバーの販売でした。

 

 「保険に加入されるお客さまはファミリー層が中心ですから、ウォーターサーバーのご提案もマッチするはずだと考えました。そこからコンタクトセンターの自社運営が始まり、それをビジネスの軸として、BPO事業などへ徐々にビジネスを拡大していきました」(伊藤氏)

 

Renxaでは、コンタクトセンターの運営ノウハウを水平展開するかたちでビジネスを拡大してきた

 

 Renxaでは、BPOサービスのひとつとしてコンタクトセンターの受託業務を行っていますが、もともと商材販売からスタートしたため「特にアウトバウンドコールに強みを持つことが特徴」だと、伊藤氏は説明します。大手企業からの受託案件、商材販売案件を含め、現在では年間250~300万人の顧客接点を持っています。

 

 また“請け負い型”という形態ではあるものの、Renxaの側からの企画提案型ビジネスが多いことも特徴です。伊藤氏は「われわれの側から『こういうことをやりませんか』とご提案して、コンタクトセンターの運営まで全部やらせていただくケースは多いですね」と語ります。

 

 コンタクトセンターというリソースを活用し、全国の不動産会社と提携したライフスタイルアドバイザー事業も展開しています。これは新規入居者に対して、電気、ガス、通信など、さまざまなライフラインサービスの利用開始手続きをまとめて引き受けるというものです。入居者に利便性の高いサービスが提供できるため、不動産会社のアピールポイントになります。

 

 「現在は、これをさらに拡大した“Lifestyle Advisor Global(ライフスタイルアドバイザーグローバル)”の事業も始めています。日本で住まいを探す外国人の方は増えていますが、言葉の壁があって対応しきれない不動産会社さまも多くあります。そこで、外国人オペレーターもいるわれわれのコンタクトセンターを通じてサポートをさせていただくというものです。現在では26カ国語に対応しています」(伊藤氏)

 

 このように、まさに“連鎖的に”事業領域を拡大させてきたRenxa。BPOビジネス、コンタクトセンタービジネスといった既存の枠組みには収まり切らないそのビジネスモデルについて、伊藤氏も「全体像をひと言でどう表現すればいいか、かなり難しいですね」と笑います。

「営業品質/営業生産性の維持向上」と「教育コストの削減」が狙い

 Zoom製品の採用は、伊藤氏が業界内で“Zoom Phoneのうわさ”を聞いたことから始まりました。

 

 「アウトバウンドコールが中心ということもあり、営業品質の向上や通話内容の書き起こしにかかる外注費が、大きな負担となっていました。そんなときに『Zoom PhoneとZoom Revenue Acceleratorを導入すれば、毎月定額で、文字数を気にせず通話内容を書き起こせる』という話を聞きました。魅力的な内容ではありましたが、『本当に現場で問題なく使えるのだろうか』と最初は半信半疑でした」(伊藤氏)

 

 ところが、Zoomに問い合わせて担当者の詳しい説明を聞いたところ、「定額で文字数の制限なく通話内容を書き起こせる」という話は事実でした。それでもまだ信じ切れず、通話品質が悪いのではないか、現場のオペレーションが混乱するのではないかと疑った伊藤氏は、まず10回線ほどでZoom Phoneをテスト導入しました。

 

 テスト導入の結果、Zoom Phoneは非常にクリアな音声であり、現場オペレーションにも影響はないことが分かりました。問題が何もないならば、Zoom Phoneに全面移行してコスト削減を図るべきだと考えた伊藤氏は、会社に上申し、半年ほどをかけて段階的に移行を進めていきました。

 

 Renxaでは最終的に、コンタクトセンターを中心としておよそ450アカウントのZoom Phoneを契約しました。それと同時に、同数のZoom Revenue Accelerator(ZRA)も契約しています。

 

 Zoom Revenue Acceleratorの導入以前は、オペレーターの応対品質が適切なレベルかどうかを確認するために、責任者が音声ログ(通話録音)を1つずつ聞いていました。1通話あたり10分、20分と時間がかかるため、責任者の残業が増える要因となっていました。

 

 コンタクトセンターで現場責任者を務める長谷川氏は、Zoom Revenue Acceleratorの導入で教育指導がどう変わったのかを、次のように説明します。

 

 「これまでは、改善が必要なオペレーターの目星を付けたうえで、コールの録音を何件か聞いてやっと問題を見つけ、それから改善を指導する流れでした。問題のあるコールを探す時間も、指導する時間も両方必要だったわけです。一方、Zoom Revenue Acceleratorでは、AIが自動的にスコアの低いオペレーターや問題のあるコールを抽出してくれます。責任者は、文字起こしを読みながらそのコールを聞き、改善の指導ができますから、『探す時間』が圧倒的に減りました」(長谷川氏)

 

 実際に、オペレーターへの教育指導にZoom Revenue Acceleratorを活用することで、残業時間は12%程度削減できています。また、Zoom PhoneとZoom Revenue Acceleratorを導入した案件では、導入前との比較で123.1%の獲得実績を実現できており、業務効率化の確かな手ごたえも感じています。

コール内容の細かな分析で、苦情やクレームを「発生前に」対処する

 Zoom Revenue Acceleratorはその後も機能拡張を続け、できることは大幅に進化しています。現在、これをRenxaでどう使っているのか、活用例をいくつか教えてもらいました。

 

 まずは「禁止ワードの抽出と自動通知」です。顧客に商品やサービスの勧誘を行う際、場合によっては「絶対に安くなる」「無料でお試しできる」といった表現がコンプライアンス違反に該当することがあります。これまでは、責任者が録音をすべて聞き返さなければ、禁止ワードが使われたことを把握できませんでしたが、Zoom Revenue Acceleratorならばすべて文字起こしされており、検索機能で簡単に把握できます。それだけでなく、あらかじめ設定しておけば、禁止ワードが使われたことをリアルタイムに検知し、管理者に通知することもできます。

 

 「Renxaの場合、コンタクトセンター責任者やコンプライアンス担当者が参加しているグループチャットに通知が届くよう設定しています。コンプライアンス担当者が同時に通話内容を確認することで、問題のある表現かどうかが正確に判断できます。これは教育指導に役立ちますね」(長谷川氏)

 

 もうひとつ、スコアリング機能も活用しています。これは、オペレーターと顧客とのやり取りをAIが分析し、「特定の内容をきちんと伝えられているか/聞き取れているか」から、「オペレーターが一方的に話しすぎていないか」「話すスピードは適切な」まで、幅広い観点からスコア付けができます。

 

 伊藤氏は、Renxaではいくつか重点的に確認している項目があると話します。たとえば「共感性」です。

 

 「オペレーターが、お客さまの話に共感を持って対応できているかどうかは重要視しています。われわれは『社会課題の解決』を目標に事業を行っていますが、オペレーターが共感を持てていなければ、社会課題の解決にはつながらないからです」(伊藤氏)

 

 これらの機能を活用すれば、本記事冒頭のコメントで触れたとおり、顧客が不満に思っていること、クレームになりそうなことを早期に察知し、委託元の企業に伝えて、実際の苦情として発生する前に対処することが可能です。

 

 「これまでは、苦情やクレームのお電話をいただいて顕在化するまで、それを把握することはできませんでした。しかし現在は、Zoom Revenue Acceleratorでお客さまの感情もスコアリングできるため、スコアが悪かったトークを重点的に分析し、ふとしたひと言から不満やクレームを把握して、委託元のお客さまにお伝えすることができています」(伊藤氏)

 

 なお、英語など日本語以外の言語を使った会話に対しても、スコアリングや内容の要約、評価といった機能が使われています。

 

 「ZoomのAIは多言語対応ですから、たとえばスコアリングも多言語に対応するものを作って、トークの評価に活用しています。さらに、どんな言語でのやり取りでも、日本語で要約することができます。これは、責任者が教育指導を行う際に役立っています」(長谷川氏)

コンタクトセンター業界全体のレベルアップのために、Zoomをもっと広めたい

 これから取り組みたいこととして、伊藤氏は「問い合わせ対応のAI化」「契約内容の確認など、定型業務のAI化」を挙げました。Zoom Contact Centerを導入し、Virtual Agent機能を使って実現したいと考えています。

 

 「当社のコンタクトセンターの営業時間は10時から20時までですが、その時間内にお問い合わせをいただくことが難しいお客さまもいらっしゃいます。現在はLINEで営業時間外の受け付けも行っていますが、その返信は翌営業日ですので、お客さまにとってはやはり『聞きたいときに聞けない』体験になってしまいます。こうした営業時間外の対応をAIが担うことで、お客さまの満足度向上につながると考えています」

 

 また、契約内容の確認については、AIが対応することによって「説明漏れ」や「確認漏れ」の発生を防ぎ、品質を担保できるものと考えています。

 

 このように、コンタクトセンターへのAI導入に積極的な姿勢を見せるRenxaですが、すべての顧客対応をAIに任せるべきだという考えではないと、伊藤氏は強調しました。

 

 「わたしたちが目指しているのは『AIだけでもなく、人だけでもない世界』です。AIの役割は『効率化や24時間対応など、お客さまの利便性を高める』こと。そして、人の役割は『お客さまに安心感や共感、期待を超える感動を提供する』こと。この2つを組み合わせることで、お客さまにとっても、働く人にとっても、より良いコンタクトセンターを実現できると考えています」(伊藤氏)

 

 伊藤氏は現在、コンタクトセンター業界の知人に対して、Zoom PhoneやZoom Revenue Acceleratorがもたらすメリットを積極的に紹介しています。「これも、Renxaが行うべき『課題解決』のひとつだと思っています」と、伊藤氏はその意義を説明します。

 

 「僕としては、Zoomの製品が業界全体にもっと広がることで、業界全体のレベルを高めたいと考えています。働いている人たちが『こんな面白い仕事をやっているんだよ』と、周りに自慢できるようになる。コンタクトセンター業界のレベルアップがそこまで進めばいいですね」(伊藤氏)

 

*この記事はASCIIからの転載記事となります。

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