最新情報: 注目すべき Zoom 機能の最新リリース
10 月は Zoom 社員にとって非常に意義深い月となりました。その理由は Zoom の AI アシスタントである Zoom AI Companion 2.0 をリリースし、Zoom Workplace と Avaya の新しい連携を発表したからです。
更新日 July 15, 2024
公開日 September 08, 2023
私たちの人生は、決断の連続です。 散歩に傘を持っていくか否か? 降雨予報が 25% だったらどうするか? 絶対に濡らしたくない服を着ている場合は?
エコノミスト兼教授、そして『Prediction Machines: The Simple Economics of Artificial Intelligence』の共同執筆者でもある Ajay Agrawal 氏によると、私たちは大なり小なりすべての決断を、予測と判断を組み合わせて下しているそうです。 AI の威力はその相関関係の予測部分、つまり雨が降る可能性を教えてくれる能力にあります。 最終的には、どれぐらい濡れたくないのか、雨が降らなかった場合に傘を持ち歩くのがどれぐらい嫌かを基に人間が判断し、傘を持っていくべきかどうかを決断することになります。
人工知能モデルは、大量のデータを処理してパターンを特定し、正確な予測を生成することができます。 AI が個人の働き方を強化し、生産性を高め、コラボレーションの方法を改善し、スキルを向上させていることは間違いありません。 さらに、企業が予測分析に AI を活用すれば、リーダーの意思決定方法を変革し、顧客により良いサービスを提供し、リソースを割り当て、改善された新しいプロセスを生み出すことができます。
Agrawal 氏は先日、Zoom の Work Evolved(進化した仕事)ウェビナー シリーズ(英語)に参加し、AI の威力と予測分析について語りました。 そこで、予測 AI について Agrawal 氏にお話を伺いました。ここでは、予測 AI が業界全体を変える可能性と、予測 AI ツールを使うことで最も恩恵を得る従業員は誰かについて、Agrawal 氏が述べた内容をご紹介します。
人工知能は、我々が予測するのを助けてくれます。 予測とは、今ある情報を使って、持っていない情報を生成することです。
これが ChatGPT のようなジェネレーティブ AI のやっていることです。予測を使用して人間らしい言語を生成するのです。 ジェネレーティブ AI モデルは、人間らしいメッセージを作成するために、シーケンス内の次のトークンまたは単語を予測します。 別の例としては、AI を使って詐欺を検出する銀行が挙げられます。過去の取引やユーザーの習慣についてのデータを処理して、購入が詐欺かどうかを正確に予測するのです。
経済学の基本原則では、何かが安くなったら、人々はそれをもっと使用するようになります。 AI が台頭するということは、予測コストが低下するということです。 予測が安くなればなるほど、もっと使用されることになります。
予測 AI は、入力データを使用して出力を生成します。 よくある例としては、20 年分の売上履歴データを使用して、次年度の第三四半期の売上を予測できます。 ここでは履歴データが入力、売上予測が出力です。
珍しい例では、医療用画像のピクセルを使用して、腫瘍が悪性か良性かの分類予測ができます。 ここではピクセルデータが入力、腫瘍の分類が出力です。 これも予測ですね。
AI の興味深い特徴の 1 つに、これまでの統計手法とは異なり、入力データに数字だけでなくマルチモーダル データ(画像、ビデオ、言語など)を活用できることが挙げられます。そして予測を画像やビデオ、言語で出力できるのです。
問題を予測に変換することで、AI の可能性を引き出すことができます。
予測分析は、さまざまなイノベーションの中核を成しています。 AI を予測に使用している実社会での応用例としては、運転、翻訳、詐欺の検出、粒度分布、メールの返信、検査などがあります。
洗濯機が発明される前は、2 人が 1 日がかりで洗濯をしていました。 今では 1 人が 1 日のうちの極短時間を費やすだけで洗濯が終わります。 だからといって、仕事を奪われたと文句を言う人はいないでしょう。
同じように、私たちの作業負荷の一部を機械に肩代わりしてもらえると考えましょう。 仕事について考えるとき、その多くは意思決定に基づいています。 すべての決断には、予測と判断という 2 つの側面があります。 予測分析の作業を機械に任せられれば、人間による判断に時間を割くことができます。そのスキルこそが、人間が成長するために注力すべきことです。
AI は予測を使用してメールを下書きしたり、A 地点から B 地点までのルートをマッピングしたりできます。ですが、そのメールが目的を果たしたか、そのルートを通るのは理にかなっているかどうかを決断するのは人間です。 AI は副操縦士で、アシスタントなので、決断を下すことはできません。
コンピュータが導入されたとき、高度なスキルを持つ人々の生産性が過剰に向上したため、所得格差が拡大しました。 AI はこれとは反対の影響を与えると見られています。 AI アシスタント、つまり副操縦士を使用することで 1 番恩恵を受けるのは、スキルの低い労働者たちです。
コールセンターの例で考えてみましょう。 コールセンターでは、対応中の顧客をうまくサポートできるよう従業員に助言する AI ツールを導入し始めました。 MIT と スタンフォードの研究者は、高度な技術を持つ人々に AI が与える影響は限られていることを発見しました。そうした人々は、すでに何を発言すべきか心得ているからです。 ですが、これまで業績の振るわなかった従業員は、AI ツールの支援を得ることで、高度なスキルを持つ労働者とほぼ同程度まで業績が向上してきています。
馴染み深い別の例としては、ナビゲーション AI によって誰もがプロのようにあらゆる街を運転できるようになったことが挙げられます。 これによって Uber のような革新的な企業が誕生しました。 Uber が誕生する前は、プロの運転手は 20 万人でした。 今では Uber の運転手は 300~400 万人います。 私たちは、こうしたシステムレベルの変化がさまざまな業界で起こりつつある、歴史的瞬間の瀬戸際にいると言えるでしょう。
2~3 年後には、AI が画面から飛び出して物理世界に登場すると私は予測しています。 現在のモデルは、画面上の一連の単語を予測する段階ですが、次の段階では、コーヒーを入れたり、車を駐車したりするタスクを達成するための一連の動作を、ロボットに予測させることになります。
ですが、本当の意味での大きな変化は、科学的発見という形で起こるでしょう。 AI が仮説を生成してそれを検証し、ロボットを動かして実験を行い、その実験結果を AI にフィードバックし、AI が仮説を更新して別の実験を行うという、AI モデルが登場するでしょう。 すでに、こうした実験を行っている研究所もあります。
AI を発明のツールとして使用することで、新たなイノベーションが誘発され、その多くは文明を前進させることになるでしょう。
AI イノベーションの次の波がどこへ向かうのかについての Agrawal 氏のインサイトについては、Agrawal 氏によるオンデマンドの Work Evolved(進化する仕事)ウェビナーをご覧ください。 予測 AI について、そして予測 AI の支援で企業がどのように時間を節約し、より効果的に仕事を進める新しい方法を構築するかについて、詳細をご紹介しています。
Zoom が AI と共にどのように進化していくのか関心はございますか? Zoom の AI アシスタント、Zoom AI Companion が働き方を向上させる仕組みをご覧ください。