バーチャル面接体験は、一筋縄ではいきません。パンデミックがリモートワークの普及を後押ししているとはいえ、テクノロジー業界が急成長を続け、人材不足に陥っている今、状況は芳しくありません。しかもデベロッパーの採用に関しては、候補者の大半にリアルタイムのスキル評価が必要とされるため、さらにハードルが上がります。
候補者が最優先される今日の労働市場において、企業は最初の働きかけからスキル評価時、最終面接に至るまでのあらゆる接点で、候補者に好ましい印象を刻み付ける必要があります。リモートでスキル評価や面接を実施する場合、オーディオ・ビデオ品質にわずかでも問題があれば、やむなくスケジュールを改めて実施し直す場合もあり、候補者が面接を辞退することや、他社のオファーを受けることもあります。
「リモート面接の採用が増える一方で、低品質のビデオ・オーディオ体験に甘んじて耐える傾向は、今後も弱まり続けるでしょう。バーチャルでも対面さながらの感覚でスキル評価と面接ができなくてはなりません」と HackerRank の最高プロダクト責任者である Oded Shekel 氏は説明しています。
HackerRank はバーチャルスキル評価とリモート面接を基盤として、企業が最適なデベロッパーを見極められるよう支援しています。このビジネスを始めて 10 年、当社はデベロッパースキル全般とその評価方法の専門企業として一目置かれるようになりました。
Fortune 100 企業の 25% 以上を含め、世界中の 3,000 社を超える企業において、テクノロジー部門の採用担当者と採用責任者が採用プロセスのあらゆる段階で人材を客観的に評価できるようにすることで、HackerRank は実力あるデベロッパーの採用を支援しています。この企業のテクノロジーを利用すると、10 年以上活躍してきたデータサイエンティストから新卒生まで、多様なロールに求められる 100 種類以上のスキルをリモートで評価できます。
HackerRank はデベロッパー採用の方法を変革しており、次の魅力も備えています。
- 2,100 万人以上のデベロッパーを擁するコミュニティ
- 技術スキル評価に関する 1 億 8,800 万以上のデータポイント
採用担当者の履歴書レビュー時間の短縮を支援する Screen、そしてフル機能を 1 つの総合開発環境(IDE)に搭載し、管理機能をすべてプラットフォームに埋め込んだまま、候補者が各自のスキルを紹介できる Interview という 2 つのリモートファーストのプロダクトを持っているため、信頼性とオーディオ・ビデオ品質は、きわめて重要です。
プロダクト使用量は増えましたが、それと同時にエンドユーザーの共有したフィードバックで、Interview プロダクトの搭載するオーディオ・ビデオ体験が面接や技術評価によくない影響を与えたと指摘されました。そのため HackerRank は、自社のテクノロジースタックを再評価して HackerRank のソリューションに欠かせない高品質のオーディオとビデオを提供できる長期的ソリューションを実装するべきときが来たことを自覚しました。
概念実証をテストする
HackerRank は 2021 年に同社のネットプロモータースコア(NPS)のコメントの 40% がオーディオ・ビデオ品質に言及していたことを突き止めました。同社にかかってきたサポート依頼の電話も、同様の問題に関するものでした。チームは既存ツールを使用し、この問題の修正を試み、大別して次の 2 つの懸念に行き当たりました。
- 継続的なオーディオ品質: エンドユーザーは面接セッション中にオーディオ品質のゆらぎを経験していました。
- 不安定なネットワーク: Wi-Fi 信号が増減するなど、ネットワークが不安定なせいで面接担当者がセッションを再開する必要が生じていました。
Shekel 氏は次のように説明します。「私たちは市場内のほかの企業の意見を評価し、現行のテクノロジースタックを刷新する必要があると判断しました。そこで、SDK を提供できるベンダー 6 社を特定し、それぞれでの概念実証(PoC)を構築しました。社内で 1 週間かけ、毎日のスクラムミーティングで PoC を一つひとつテストしました。1 週間の終わりが近づいたころ、私たちはネットワーク接続を操作し、当社の 2 つの主要問題領域に対する各 PoC のパフォーマンスを評価しました。その PoC が正常に復旧できるかどうかを見極める必要があったのです。」
このプロセス全体を通じて、HackerRank はチームから品質に関するフィードバックも収集しました。PoC がチームメンバーの期待値に達していなければ、先に進む意味がなかったからです。
「チームが満足できず、1 週間たたないうちに一部の PoC のテストを止めたインスタンスがいくつかありました」と Shekel 氏は教えてくれました。
必要な信頼性をウェブ版 Zoom Video SDK で提供する
ウェブ版 Zoom Video SDK はオーディオ・ビデオ品質の信頼性が高く、拡張性にも優れていたため、HackerRank はウェブ版 Zoom Video SDK の採用を決定しました。
「私たちはサービスの利用拡大に応じて規模を拡大し、信頼性を維持する必要があります。2021 年には 50 万回の面接を主催しましたが、優れたバーチャル面接体験を候補者に提供するために、ユーザーは大きなプレッシャーにさらされています」と Shekel 氏はいいます。「お客様が候補者を面接しているときに、通話が切れるようなことがあってはなりません。お客様の企業イメージも当社のブランドイメージも悪くなります。」