Zoom 完備の鉄道へ: BNSF 鉄道がたどったクラウド電話移行の全行程

BNSF 鉄道は、オンプレミス電話からクラウド電話という難易度の高い移行を限られた日程の中で達成し、従業員体験を向上させました。

BNSF 鉄道
BNSF 鉄道のロゴ
業種:

運送

企業規模:

従業員数 37,000 人

課題:

電話システムの迅速な移行の必要性、電波状況が悪いまたは圏外の地域の存在、広大な地域にわたる多数の従業員

メリット:

6 万件以上あったダイヤルルールを Zoom API を活用して 200 件未満に削減、サーバーのメンテナンスを Zoom に移行、Zoom と CDW のサポートにより移行を容易に実現、単一プラットフォームでより効率的なツールを活用

32,500

マイルの鉄道網

99%

ダイヤルルールの削減率。Zoom API を活用して 6 万件超から 200 件未満に削減

40% 以上

移行計画の短縮率。計画では 12 か月だったのが、わずか 7 か月で完了

BNSF 鉄道は、北米最大規模の貨物鉄道網を運営しており、米国西部の 3 分の 2 に広がる合計 32,500 マイル以上の鉄道網を保有しています。運行する機関車の数は 7,500 台を上回り、乗務員と従業員が確実に連絡を取り合うために、信頼性の高い音声コミュニケーションが欠かせません。

 

しかし、問題がありました。長年使用してきた電話ソリューションの Skype for Business が廃止されることになり、1 年以内に 1 万台以上の電話を新たなサービスに移行しなければならなかったのです。状況をさらに複雑にしたのは、これらの電話の多くがアクセスしにくい場所に設置されており、場合によっては雪上車でしか到達できない場所にもありました。前回の電話システムの移行には 4 年以上かかったことから、移行を担当するチームにとって、今回のプロジェクトの時間的制約はプレッシャーとなっていました。

電話システムの問題を解決する包括的なプラットフォーム ソリューションの探求

 

求められるサービスを維持するのに必要なものをすべて揃えることは、高いハードルでした。大規模な移行プロジェクトに加えてそれをすべて達成することは、チームにとって非常に大きな負担となることが予想されました。BNSF 鉄道は、5,400 台の卓上電話と 7,300 台の共有電話に加えて、カンザス州トピカとテキサス州フォートワースに 50 台以上のサーバーを所有していました。クラウド電話プラットフォームを導入することで、サーバー フットプリントを削減し、自社インフラをサポートする帯域幅を削減できる可能性がありました。

緊密に統合された従業員体験

BNSF 鉄道にはまた、現行の Poly 社製電話ハードウェアの大部分と互換性のあるプラットフォームが必要でした。これほど多くの電話をすぐに交換することは不可能であり、37,000 人の従業員の業務に支障をきたすことは避けなければなりませんでした。

 

そこで BNSF 鉄道はまず、必要事項をリストアップし、従来のオンプレミス プロバイダーおよびクラウド電話プラットフォームの双方のベンダーに、サービス ギャップが発生した場合の対処方法を提案してもらいました。これは課題に挑戦して全体的なコミュニケーション体験を向上させる絶好の機会でした。スタンドアロンの電話およびボイスメール ソリューションではまったく解決策になりません。

 

BNSF 鉄道が求めていたのは、メッセージの送受信と簡単な画面共有ができるビデオ会議、さらには機能していない電話を特定するための直感的なダッシュボード、従来型の電話の連携、複雑なダイヤルプランを管理する方法でした。また、特別な要件として、携帯型無線機を通じて内部連絡を行うのに不可欠な独自の通信事業者を利用するオプションが必要でした。また、緊急通報位置通知(E911)サービスの利用も必須でした。

 

「E911 がプラットフォームに組み込まれている必要がありました」と Silvina Petersilge 氏は説明します。「これらの電話の多くは安全を守るためのものですが、多くの場合、正確な位置情報を取得するのは困難です。位置標識や緯度および経度しかわからなくても、緊急隊員がその場所にたどり着けるように、各電話は位置情報に紐づけられていなければなりません。」

 

すべての選択肢の中で、高度なコミュニケーション ニーズにもっとも適したソリューションが Zoom Workplace でした。次に、数千台の電話を移行し、数万人の従業員をトレーニングする必要がありました。必要だったのは、計画通りに進めることだけでした。

手間をかけずに済んだ全国規模の移行

 

BNSF が移行プロセスの支援を依頼したのは、以前から付き合いのあった信頼できるパートナーで、Zoom Workplace に精通している CDW でした。作業に取り掛かるとすぐに、移行期間を短縮する方法が見つかりました。

 

使用したツールの中で特に時間の節約に貢献したのが、Zoom API を使用して自動化を作成し、手作業なしで何千もの変更を加える機能でした。古いシステムの電話をリモートでオフにして再起動すると、その電話は自動的に Zoom Phone に接続されました。これらの API を使用して、ダイヤルプランの 6 万件を超えるルールを統合して 200 件未満にすることもできました。

予定の 12 か月より長くかかるというチームの当初の心配をよそに、移行はわずか 7 か月で完了しました。計画していた移行期間が 40% 短縮されたことになります。また、従業員のトレーニングさえほとんど必要ありませんでした。Petersilge 氏は次のように述べます。「重大な懸念事項になるだろうと覚悟していました。しかし、ユーザーはすぐに適応しました。移行は迅速かつ一挙に行いましたが、それは意図的なものでした。2 つのツールを併用しなければならない状況が長期間にわたることを避けたかったからです。」

 

移行プロセス全体は非常に前向きに受け止められ、従業員は Zoom Phone、Zoom MeetingsZoom Team Chat を主要なコミュニケーション方法としてすぐに受け入れました。Petersilge 氏のチームは、業務の中で起こりがちな問題を従業員が互いに協力して解決し合えるよう、Team Chat にサポート チャネルも設置しました。これは従業員のコミュニケーション方法を一変させ、新たな協働の仕組みをもたらしました。

 

「このツールは、理想的ではないネットワーク環境にも十分に対応できます。遅延やパケットロスに耐えられ、必要な帯域幅もそれほど多くありません」と Petersilge 氏は説明します。

 

サービスの切り替えによる混乱が想定されていた中で、Petersilge 氏のチームは、Zoom Workplace の意外な機能がすぐに好評を得たことに気づきました。たとえば、通信チームに依頼する手間をかけずに、自分のデバイスから簡単に通話をマスクまたはブロックできることに、従業員たちは感激しました。Petersilge 氏は「確かに注目の機能でしたが、従業員たちがそこまで喜ぶとは思っていませんでした」と述べています。

 

BNSF 鉄道は Zoom Workplace を最大限に取り入れており、毎年主催しているテクノロジー啓発デーの参加者層の拡大に Zoom Events を活用しています。参加するのはこれまで地元の高校生だけでしたが、Zoom Events を活用することで、全米から若者を招待し、テクノロジー分野のキャリアについて学んだり、このイベントで審査される独自のテクノロジー ソリューションを設計、開発したりするという挑戦の場を提供できるようになりました。

Zoom Rooms で進化を続ける

 

BSNF 鉄道の事例は Zoom Phone と Zoom Workplace だけでは終わりません。Zoom プロフェッショナル サービスの協力により、世界で初めて移動中の列車内に Zoom ルームを立ち上げることにも成功しました。

 

経営陣には、定期的な出張の際に、移動可能な Zoom ルームが必要でした。移動中も本社にいるときと変わりなく連絡を取り、仕事ができる環境を求めていました。最初にこのアイデアを Zoom プロフェッショナル サービスチームに提案したところ、チームはある列車の標準的なビジネス車両を改装する作業に着手しました。「最大の課題は騒音でした」と Petersilge 氏は述懐します。「非常に古い従来型の車両だったため、周囲の環境音が通話に影響を与えないようにするために多くの工夫が必要でした。そして、仕上がりは本当に素晴らしいものになりました。」

先日、BNSF 鉄道は再び Zoom プロフェッショナル サービスと連携し、自社のカンファレンス センターにイベント向けの本格的なプロダクション スペースを設計、導入しました。この新しい Zoom ルームには、広いスペースを 2 つの部屋に分割したり、使い勝手のよい Zoom Rooms コントローラと、プロフェッショナル チームが体験をカスタマイズできるプロダクション モードから選択したりできる柔軟性があります。

あらゆる職務を担う従業員に向けた全社的なコミュニケーションの改善

 

BNSF 鉄道の Zoom 体験の中心にあるのは、Zoom Phone や Zoom Workplace の機能だけではありません。Petersilge 氏は次のように説明しています。

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