AI を活用するスモール ビジネスが把握すべき戦略と実践例

AI は、事業の成長と改善を目指すスモール ビジネス（SMB）にとって価値あるツールになる可能性を秘めています。しかし、どこから手を付ければよいか途方に暮れることもあるでしょう。世の中には多くのツールがありますが、チームにとって本当に重要かつ有用な機能はどれでしょうか？ユーザーごとにプレミアム機能の料金が請求される AI ツールを購入する余裕はありますか？また、従来のやり方を変更し、AI を実務で使用するよう従業員を説得するにはどうすればよいでしょうか？

以下ではスモール ビジネスが AI を導入し、チームが時間を節約しながら多くの成果を達成する戦略と実践方法を紹介します。

企業はさまざまな方法で AI を使用していますが、皆様がまだ AI に慣れていない場合、従業員にとっての実際のメリットについて疑問に思われるかもしれません。以下では、スモール ビジネスにおける AI の一般的な活用方法を紹介します。

• ミーティング要約。AI は、従業員が議論の重要ポイントや欠席したミーティングの内容を確認する際に役立つミーティング要約を生成できます。
• 情報の要約。多数のレポートやデータを確認しなければならない場合、AI はこれらの情報を統合して簡潔にまとめられた要約を生成できます。また、長文のメールや大規模なチャット スレッドも要約できるため、数多くの情報から必要な情報をスムーズに入手できます。
• メッセージの作成。従業員が見込み顧客にメールを送信する場合でも、カスタマー サービスを提供する場合でも、AI のメッセージ作成により、迅速かつ効率的に対応できるようになります。
• 最初の下書き作成。時間が足りない場合やリソースが限られている場合は、AI アシスタントにビジネスプラン、ブログ投稿、マーケティング コピー、またはプロジェクト概要の作成を依頼できます。

AI を従業員に導入する場合、平凡なツールと見なされることなく効果的に使用されるために留意すべき点が複数あります。以下では、AI ソリューションの選択と導入に役立ついくつかの戦略を概説します。

現在利用している機能と連携する AI ツールを選択する

過剰なアプリがもたらす問題は実際に発生しています。「Global Collaboration in the Workplace（英語）」のアンケートによると、スモール ビジネス リーダーの半数以上（51%）が、必要なツールやアプリの数に圧倒されることが多いと回答しています。このような複雑さの中に別のテクノロジーを導入する場合、そのテクノロジーが既存の機能とどの程度連携するかを確認しましょう。

たとえば、対象の Zoom Workplace 有料プランをすでにご利用の場合、AI Companion などの組み込みツールを使用すると、Zoom Meetings、Docs、Team Chat、Phone などのコンテキスト データを活用してより精度の高い応答を取得できるため、さらにシームレスな体験を構築できます。

ビジネスで AI を活用するうえで、もっとも有用かつ価値あるユースケースを特定する

形式的に AI を導入するのではなく、解決すべき根本的な問題や課題を特定することから始め、「どのように AI 機能を活用してこれらの問題に対処するか」についてブレインストーミングしましょう。

たとえば、最新のパルスサーベイで従業員は参加する必要のある多数のミーティングに苦慮しており、これらのミーティングのフォロースルーが不十分なことについて不満を感じていることが判明したとします。この場合、AI 生成のミーティング要約を活用すれば、そのミーティングに参加する必要がなく、決定事項に関する最新情報のみを希望する従業員に詳細を伝えることができます。AI 生成のドキュメントでは、これらの要約を取り入れてミーティング後のプロジェクト概要を作成し、実行すべき明確なステップを含むアクション項目を特定できます。

従業員をトレーニングする

スモール ビジネスによる AI の活用方法を把握したら、次は従業員が実際に AI を使いこなせるようにしましょう。従業員が日常的な課題に対する解決策として AI 導入を開始できるように、前述の AI ワークフローを自動化する方法や、このワークフローを従業員にわかりやすく説明する方法を検討してください。

Zoom が委託した Morning Consult のアンケートによると、業務で AI を使用していない従業員の 25% が、その理由として「AI に慣れていない」または「AI がどのように役立つかわからない」と答えています。このような理由で AI の導入を躊躇してはいけません。業務における AI の活用が標準的かつ効率的になるように、AI を効果的に使用する方法について従業員のオンボーディングとトレーニングに時間とエネルギーを投資しましょう。

前述したように、チームが直面している可能性のある課題を特定し、それらの課題を AI 活用のユースケースに当てはめることで AI 導入を成功に導くことができます。以下について、チームが適切にサポートを取得できるか確認しましょう。

ミーティングで重要事項にフォーカスする

新しいクライアントや重要な見込み顧客とミーティングする際、相手に好印象を与えながら集中を傾ける必要があります。この課題について私たちが意見を伺ったあるスモール ビジネス リーダーは「質問すべきだった場面でその機会を逃し、ミーティング終了後にその質問をすることになると、お客様にたいへん申し訳なく思います。まるでお客様の信頼を失ってしまったように感じます」と述べています。

AI Companion など、AI 搭載のノート作成機能を使用すれば、ミーティング中に集中力を維持しながら、ミーティング後の時間も節約できます。ノートを整理する必要もクライアントに送信するアクション項目を入力する必要もありません。AI Companion によりトピックごとに分類された要約が生成され、次のステップが特定されます。また、ミーティング中に議論の一部を見逃した場合や質問がある場合は、サイドパネルから AI Companion に質問して回答を得ることができます。クライアント側では、あなたが手順を見逃したことは把握できませんのでご安心ください。

プロのヒント: ユーザーは、AI Companion を有効にして、主催する各ミーティングの開始にあわせて自動的に起動するよう設定できます。AI Companion の起動手順を自動化することで、AI を業務へと簡単に導入できます。

メッセージの要点を把握する

業務の開始とともに情報に追われ、メール、チャット、ボイスメールの詳細なチェックに苦労することが多い場合、AI は頼れるパーソナル アシスタントとして機能し、メッセージを要約して最初に処理すべきタスクを知らせてくれます。

Zoom Workplace の AI Companion があれば、一連の長文メールや大規模なチャット スレッドを要約できます。チャネル内での話し合いにおいて「自分の名前が言及されましたか」や「主なトピックやアクション項目の概要を教えてください」など、メールやチャットに関する具体的な質問をすることもできます。さらに、AI Companion はアクション項目を抽出し、ボイスメールに優先順位を付けることができるため、最初にもっとも重要なメッセージに対応できます。

プロのヒント: AI Companion のサイドパネルを開き、アプリ ウィンドウで開いているメール / チャット チャネルに応じた回答が提供される仕組みを確認しましょう。

応答時間を短縮してカスタマー サービスの質を強化する

メールやボイスメールの受信箱を確認したら、AI を使用して応答メッセージを作成できます。顧客からの問い合わせに対応し、数時間以内に見込み顧客をフォローアップすれば、ロイヤリティの高いクライアントを獲得する優れた体験の提供につながります。

AI Companion は、Zoom Mail と Zoom Team Chat の両方でメッセージを作成できます。プロンプトを指定し、AI Companion がスレッド全体のコンテキストを使用してメッセージを生成できるようにしましょう。次に、生成されたメッセージに調整を加え、適切なトーンと長さになるようにします。

プロのヒント: 最初に生成された応答内容が不十分な場合、AI Companion でより適切なメッセージを生成できるように、必要な詳細情報を含む具体的なフィードバックを指定します。

ブレインストーミングを活性化し、創造力を発揮する

スモール ビジネスは、少ないリソースで多くの成果を達成しなければなりません。大企業のようなリソースがない場合、小規模なチームでさまざまな部門（営業、マーケティング、事業開発など）の業務を処理しなければならない場合もあります。AI を活用すれば、ブログ投稿やプロダクト リリースの概要の下書きを作成できます。これは、特にチームの専門外の内容を扱う際に非常に有用です。また、コラボレーション ドキュメントに組み込まれた AI 機能を利用すると、シームレスなワークフローが構築され、ドキュメントの作成と共有が容易になります。

Zoom Docs を活用すると、上記のドキュメント体験が可能になります。AI Companion を使用して、ミーティング要約、アップロードされたドキュメント、メールから情報を抽出することでスムーズに下書きを作成できます。また、同僚をタグ付けすることも、Team Chat または Meetings でドキュメントを直接共有することも、ドキュメントを共同編集することもできます。

プロのヒント: AI Companion を使用する場合、ミーティングは Zoom Docs 内の AI 生成コンテンツにとって貴重な情報源になります。該当の設定を有効にするだけで、Docs が Zoom Meetings のコンテンツにアクセスできるようになります。[Docs] タブのサイドバーにある [ミーティング] に移動すると、ブレインストーミング ドキュメント、ミーティング後の要約、プロジェクト アップデートのドキュメントなどを作成できます。

Zoom Workplace を使用しているスモール ビジネスの皆様は、Zoom 有料プランにコラボレーションと生産性を強化する豊富な AI 機能が付属していることに驚かれるかもしれません。つまり、Zoom の AI アシスタントである Zoom AI Companion* は、対象の有料プランから追加料金なしで利用できます。AI 機能のための予算を確保する必要はありません。また、AI のメリットを一部の従業員だけでなく、企業全体で幅広く提供できます。

さらに、AI Companion は Zoom Workplace プラットフォームの一部として機能するため、Zoom ポータルから設定を管理し、分析を表示することもできます。Zoom とは別のダッシュボードで独立したツールを管理する必要はありません。

Zoom Workplace は、AI Companion をはじめとする数多くの機能により、今や業務に欠かせないワーク プラットフォームとなっています。コラボレーション ドキュメント、クラウドコール、スケジュール作成ソフトウェア、チームチャットなど、ビジネスを運用し、成長させ、顧客とのつながりを維持するためのツールキットをぜひご利用ください。

AI Companion 搭載の Zoom Workplace を使用してスモール ビジネスをパワーアップさせる、そのほかのヒントについては弊社のウェビナーをご覧ください。

* Zoom AI Companion は、地域や業種によってはご利用いただけない場合があります。Zoom ユーザー アカウントの有料サービスに付随してご利用いただけます（追加料金なし）。