AI時代のコンタクトセンターを見据えて 「Zoom Virtual Agent」と進化するトラムシステム

自社ヘルプデスクの課題解決から未来の業務革新へ。コンタクトセンターのプロが「Zoom Virtual Agent」に託した“エージェンティックAI”時代への期待

 

Zoom活用事例:トラムシステム株式会社
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創業 :

2008年

本社所在地:

愛知県名古屋市名東区新宿2-25

事業内容:

Cloud-PBX/Cloud-CCS(コンタクトセンターシステム)/通信インフラサービス /通信機器導入支援/IP機器販売及び構築

課題 & ソリューション

課題:BPO(アウトソーシング)サービスを利用して自社サービスのヘルプデスクを運用してきた が、「応対品質の向上」「オペレーターごとの応対のばらつき防止」「社内エンジニアへの正確 な情報エスカレーション」などに課題があった。

ソリューション:Zoom Virtual Agentの導入を進め、コンタクトセンターの一次受付をバーチャルエージェント により自動化し、BPOコストの縮小や社員の業務効率化などを図る。さらに今後は、「ナレッジ ベース(FAQ)の自動更新」など、AIエージェントによるより高度な自動化/省人化も推進して いく方針。

導入ソリューション

企業にとって重要な顧客接点業務を担うコンタクトセンター。ただし、オペレーターの離職率の高さや人員不足、採用難は、業界全体で長年の課題となっています。

 

その課題を解決するソリューションとして、いま注目を集めているのが、AIがコンタクトセンター 業務を支援/自動化する「Zoom Virtual Agent」です。人員不足のコンタクトセンターにおける業務負荷を軽減するとともに、顧客応対の品質向上、より良い顧客接点の実現にも寄与します。

 

法人向けに電話回線/通信システムサービスを提供するトラムシステムでは、自社コンタクトセンターの業務効率化と省人化を目的として、このZoom Virtual Agentの導入を進めています。コンタクトセンターシステムに詳しいプロの目に、このソリューションの価値はどう映っているのか。トラムシステム代表取締役の梶田幸宏氏に話をうかがいました。

法人向け電話回線「TramLine」など、通信インフラの“as-a- Service”化を進める

 

2008年に創業したトラムシステムは、マルチキャリア音声通信回線サービス(VaaS)の 「TramLine」を主軸に、クラウドPBXサービス(UCaaS)の「TramOneCloud」、クラウドコンタ クトセンターサービス(CCaaS)「TramOneCloud CXi」などの法人向けサービスを展開しています。現在の顧客企業像について、梶田氏はこう説明します。

 

「われわれのお客さまは日本全国に広がっています。創業当初は200シート以下のSMB(中小企業)のお客さまがメインターゲットでしたが、大手SIerがパートナーに加わったこともあり、ここ1 年ほどはエンタープライズ(大手企業)向けのサービス展開にも力を入れています」

 

現在、顧客企業から特に高い評価を受けているのが、VaaSのTramLineです。電話回線コストの削減に寄与するだけでなく、複数の通信事業者から利用回線を選べ、かつ冗長構成ができること、回線の追加や電話番号の変更といった要望にも短期間で対応できることなどが、企業顧客からの支持を集 めています。UCaaSのTramOneCloud Professional、CCaaSのTramOneCloud CXiを展開していく うえでも、このTramLineが付加価値となって採用を後押しするケースが多いといいます。

Trams

トラムシステムでは、法人向けの音声通信回線サービス(VaaS)、クラウドPBX サービス(UCaaS)、クラウドコンタクトセンターサービス(CaaS)を提供している

BPOを利用した自社コンタクトセンター、顧客体験と業務効率に 課題

 

このように、顧客企業のコンタクトセンター開設を支援する立場であるトラムシステムですが、実は、自社のコンタクトセンター運営には課題を抱えていました。

 

トラムシステムでは、サービスについての問い合わせや障害対応の受付を行う顧客企業向けのヘルプデスクを運営しています。社内の人員だけではまかないきれないため、一次受付にはBPO(アウト ソーシング)サービスを利用し、高度な技術知識が必要な応対については、社内エンジニアへのエス カレーションを行っています。

 

「ただし、このヘルプデスクに応対品質の向上、オペレーターごとの応対のばらつき防止が、長らく課題となっていました。本来ならば、よくある問い合わせ(FAQ)については、一次受付のコンタクトセンターだけで手早く、正確な回答ができることが理想です。しかし、現実にはオペレーターご とに知識のばらつきがあり、なかなか難しいのです」

 

AI時代のコンタクトセンターを見据えて 「Zoom Virtual Agent」と共に進む通信サービス企業 簡単な問い合わせ対応に時間と人員リソースを取られると、より緊急性の高い障害対応依頼を待たせてしまうことにもなります。顧客体験の向上、ヘルプデスク運用の効率化の両側面から、自社コン タクトセンターの改善が必要になっていました。

 

それに加えて、一次受付を行うオペレーターからエンジニアへのエスカレーションにも課題があり ました。

 

エンジニアが正確に回答するためには、まずオペレーターが必要な情報を聞き取り、それを要約し てエンジニアに引き継ぐ必要があります。しかし、この聞き取りや要約の精度でも、担当オペレータ ーによるばらつきが生じていました。場合によっては、エンジニアが顧客にもう一度、同じ内容を質 問するようなことにもなり、顧客体験も業務効率も悪化してしまいます。

トラムシステムの抱える課題にフィットしたZoom Virtual Agent

 

そうした課題に悩んでいたトラムシステムが出会ったのが、2024年に日本での本格展開が始まっ たZoom Virtual Agentでした。Zoom日本チーム(ZVC JAPAN)からの紹介を受けた同社では、「いま抱えている課題を解決できるのではないか」と考え、1か月ほどの社内検討を経て採用を決め ました。現在は、2026年2月の本番運用開始を目指し、システム構築や試用、設定のチューニングなどを進めています。

 

Zoom Virtual Agentは、コンタクトセンターへの問い合わせに対し、自然言語を理解するAIが自 動応対するソリューションです。チャット(テキスト)だけでなく音声通話にも対応しており、自社 で用意したFAQなどのナレッジベースを参照しながら回答するため、人間のような「応対のばらつき」もありません。

 

また、AIでは応対ができないと判断した問い合わせは、自動的に人間の担当者へのエスカレーショ ンを行います。ここまでの顧客とのやり取りはすべてテキスト化(文字起こし)されており、これを的確に要約して情報を引き継ぐ仕組みのため、担当者はエスカレーション後の応対をスムーズに進められます。

 

さらに、Zoom Virtual Agentは単体サービスとしての導入が可能です。Zoom製のCCaaS 「Zoom Contact Center」以外のCCaaS/UCaaSなどと連携できるほか、顧客情報を管理するCRM /SFAといったシステムの情報を参照させることもできます。そのため、すでに導入しているシステ ムに大きく手を加えることなく、AIによる高度な自動応対機能を追加できるのです。

 

このように、Zoom Virtual Agentは、トラムシステムがヘルプデスク運用で抱えていた課題にしっかりフィットするソリューションでした。

 

 

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Zoom Virtual Agentの応答例。ナレッジベースに基づく応対後、ユーザーの求め に応じて担当者へのエスカレーションを行っている

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AIが回答時に参照するナレッジとして、ユーザーマニュアルなどのローカルファ イル、Webページを指定している

将来の“エージェンティックAI時代”を見据え、Zoomを選んだ理 由

 

ただし、最近ではZoom以外のITベンダーでも、同様の機能をうたうAIソリューションを提供し始めています。そうした中で、コンタクトセンター製品のプロフェッショナルであるトラムシステム が、Zoom Virtual Agentを選択した理由は何だったのでしょうか。

 

この質問に対して梶田氏は、これから到来する“エージェンティックAI時代”を見据えたうえで、現時点でその将来性に最も期待できるのがZoom Virtual Agentだったからだと説明しました。

「AIソリューションの大半はまだ、人間の指示どおりにタスクを自動実行する『AIワークフロ ー』にとどまっています。しかし、われわれが最終的に期待するのは、人間の代わりに自律的な意思 決定を行い、お客さまに寄り添った応対や提案までできる『エージェンティックAI』です。他社プロダクトとも比較したうえでの評価ですが、Zoom Virtual Agentは、われわれが期待するエージェン ティックAIに一番近い場所にいると思います」

 

梶田氏がこのように期待を寄せる背景には、Zoomという会社がAIに対して積極的に投資を進めて おり、将来にわたる継続的なAIロードマップも明示していることがあると言います。

 

「Zoomを選んだ大きな理由のひとつが『AI開発のロードマップが明確であること』です。ゼロサムゲームに近いAI市場で、数年後に誰が生き残ってトップに立つのかを考えたとき、『おそらくAI時代のコンタクトセンターを見据えて 「Zoom Virtual Agent」と共に進む通信サービス企業 Zoomだろう』と思わせてくれるAIロードマップがある。いまはまだ足りない機能もありますが、こ れから早急に改善していくプランが示されている。この点は重要でした」

 

梶田氏はもうひとつ、Zoomがグローバルで進めるプロダクト開発に対して、日本からの意見がし っかりと反映されるだろうという期待も、Zoom Virtual Agentを選んだ理由に挙げます。

 

「これからどんな高度なAI機能が追加されても、その根本にある言語モデルの日本語に対する理解度、精度が低ければ、結局『この機能はだめだね』という評価で終わってしまうでしょう。言語モデルの品質を第一に考えるならば、開発側に『こんな品質じゃだめだ、妥協できない』と日本から声を 上げたとき、きちんと聞き入れられなければなりません。Zoomの日本チームには、それだけの影響力があると感じています」

 

こうした強い期待を述べたうえで、梶田氏は、コンタクトセンターにおいてもエージェンティック AIの採用が必須となる時代に向け、Zoom Virtual Agentというプロダクトを「Zoomと一緒になっ て改善していきたい」と語りました。

「コスト削減」だけではない大きな導入効果を狙う

 

トラムシステムでは、Zoom Virtual Agentの導入を通じて現在のBPOサービス利用を縮小することで、年間100万円程度のコストが削減できるものと見込んでいます。さらに、社員の労働時間削減 や、より重要な業務への注力といった付加的な効果も出てくるはずだと、梶田氏は導入後への期待を語ります。

 

また、当初は音声通話だけの運用ですが、ゆくゆくはチャットによる顧客応対にも拡大し、オムニチャネル化を進めたいと話しました。Zoom Virtual Agentは、1つのサービスで両方のチャネルに対 応できるうえ、チャネルをまたいでも会話がシームレスに続けられる強みがあります。

 

もちろん、トラムシステムの期待はこのレベルにとどまるものではありません。前述したとおり、 真に期待するものは、人間のオペレーター業務を代替するエージェンティックAIとしての活用です。 その適用範囲は、顧客応対の自動化だけではないようです。

 

「Zoom Virtual Agentには、ナレッジとして既存のFAQを読み込ませます。ただし、現在はこの FAQの更新を社員の手作業で行っており、更新が滞りがちで、最新の情報になっていないという問題 があります。そこで、たとえば社内文書や顧客との会話記録などから自律的に情報を収集して、タイ ムリーかつ自動的にFAQを更新してくれる―。エージェンティックAIとして、そんな機能も実現し てくれるのではないかと期待しています」

 

社外向けのヘルプデスク業務だけでなく、社内向けのナレッジハブとしての活用も考えています。 エンジニア、営業、バックオフィスなど、それぞれの持つ専門的な知見をZoom Virtual Agentに集約することで、コミュニケーションコストを抑えながら社内の情報共有を活性化できるのではないか という考えです。

 

トラムシステムでは、まずは自社導入で実績を積んだうえで、将来的には顧客への提供サービスの ひとつとしてもZoom Virtual Agentの取り扱いを検討する方針です。梶田氏は次のように語りました。

 

「すでに自動応対のAIツールを導入されているお客さまもいらっしゃいますが、現実にはそれほど ワーク(機能)していない、という話をよくうかがいます。そうした状況がZoom Virtual Agentで 改善できるなら、一気に導入が広がると思います。まずはトラムシステム自身で導入し、構築や運用、AI時代のコンタクトセンターを見据えて 「Zoom Virtual Agent」と共に進む通信サービス企業 のナレッジを蓄積したうえで、良い点も悪い点も含め、われわれの声としてお届けできるように努めていきたいと考えています」

 

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