Zoom上でなされた会話データをテキスト化するだけでなく、独自AIによる分析を加えることで、面談内容の詳細な分析や改善点など具体的なアドバイスにまで踏み込んで活用できるのがZRAの大きな特徴です。
「1人あたりの月間売上高を指標として、同じ期間内でデータを活用した人とそうでない人を比べたところ、活用したアセットプランナーの方がそうでない人の約120%という成果を示しました。今後にかなり期待ができる数字です」

そう話す福島氏は、「これまで、アセットプランナーが顧客に対してどの程度適切に説明できているかを定量的に測る手段がなかった」と振り返ります。
ZRAを最大限活かすため、「この項目に沿って会話データの内容をこのように整理、評価して」と生成AIに指示する独自プロンプトを社内で丁寧に設計。「傾聴力」「提案力」など、具体的な指標と基準に基づいたフィードバックが自動的に提供され、数字で評価される仕組みを構築しました。
このプロセスにおいて、最も重要だったのは、面談で重要な営業プロセスや顧客対応のポイントを示す「キーアクション」の設定です。例えば、初回の面談では特定の規約に沿った情報提供が求められるため、明確にわかりやすく説明できていたかを評価する項目を設けました。面談が終わると、例えば「資産運用の必要性をしっかり訴求できていたか」という項目では、「5点満点中5点。特にインフレについての解説がわかりやすかった」といった具体的な評価と理由が、面談終了後に議事録とともに自動送信されます。

この仕組みにより、アセットプランナーは面談の内容を効率的に振り返り、今回の会話のよかったところ、悪かったところ、自分では気づきにくい無意識のクセなどを客観的に知り、その学びを即座に活かせます。「自身の課題を特定し、強化すべき内容を理解することがポイントだった」と語る福島氏。CRMにもデータが蓄積されるため、個々の課題や弱点が正確に可視化されるのも大きなメリットで、人材育成という面でも、成約率向上に向けた効果的なトレーニングが可能になったといいます。
「『もう少し頑張ろう』などの抽象的なフィードバックではなく、データに基づく根拠を示しながら指導できるので、アセットプランナーも納得して改善に取り組めます。評価基準の統一により指導者ごとのばらつきを抑えられ、公平な評価も可能になったと感じます。また、キーアクションに加え、会話力や要約力などの評価軸も設けたことで、お客様とのコミュニケーションで強化すべき点がより明確になりました」
ZRAを使うことによって、顧客側の要望や期待も、より的確に把握できるように。「面談の過程では、お客様の感情の変化や意思決定プロセスの把握が重要。会話データをサービスの磨き込みや面談フローの改善に活用していきたい」と福島氏は今後の展望を語ります。
