中小企業はAIでどう変わる?導入事例と活用メリット

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更新日 September 12, 2025

公開日 September 12, 2025

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一瞬にして起きた変化

3年前、生成AIは、ほとんどの人にとってまだ聞いたことすらない存在でした。そして2022年11月、ChatGPTが登場しました。

わずか2年程度の間に、生成AIは人々のインターネット検索の方法、人々のコミュニケーションの仕方、さらには日常の働き方さえも根本的に変えてしまいました。

いち早く生成AIを導入した企業にとっても、慎重に動向を見守っていた企業にとっても、今やAIは一過性の流行ではないことは明白です。生成AIは、急速に変化する世界で事業を展開するあらゆる規模の企業にとって不可欠なものであり、日々のタスクや複雑なやり取りの自動化、大量のデータの高速な分析、ブレインストーミングやドラフト作成、プロジェクトの迅速な着手などを可能にします。

特に中小企業(SMB)にとって、競争優位性を維持するためにはAIを使いこなすことがこれまで以上に重要性を増しています。また、すでにAIを導入済みの企業であれば、より効果的に活用することが課題になっているかもしれません。

複数のアプリやツールを導入していて業務が複雑化している場合は、取捨選択を行い、本当に役立つものを見極める必要があるでしょう。

この記事では、SMB Groupが最近実施したアンケートのデータを元に、AIに対する企業の考え方が2023年以降にどのように変化したかをご紹介します。競争優位性の獲得に向けてスモールビジネス企業が現時点でどのようにAIを使用しているか、そしてこの2年間の進化の過程において、Zoomが顧客中心の視点を通じてAIにどのようにアプローチしてきたかを解説します。

AIに対するSMBの意識: 当時と現在の比較

プライバシーとセキュリティに関する懸念は持続AIは一部の業界では数十年前から使用されており、不正検知やカスタマーサービス用チャットボットなどに活用されてきました。しかし、ChatGPTがAIをメインストリームに押し上げたことで、より多くのSMBがAIを利用できるようになりました。

2023年時点では、回答者のおよそ半数がAIを何らかの形で使用しており、「試験的利用」が21%で「実際のビジネスタスクでの利用」が28%でした。残りの3分の1(36%)は「利用を検討中」でした。AIの能力が次第に明らかになり、この数字は増加しています。2025年では、回答者の53%が「AIを使用中」で(2023年より4%増)、29%が「来年中にAIの利用を開始する予定」としています。

 

AIの使用状況とAIの価値についての認識

現在AIを使用中のSMB
53%

来年中にAIの利用を開始する予定
29%

AIが大きなビジネス価値を生むと考える回答者

48%

 

プライバシーとセキュリティに関する懸念は持続

意図しない悪影響についての懸念は2023年の33%(デメリットの第3位)から2025年は22%(デメリットの第5位)に低下しました。おそらく、AIに関心を寄せる企業はこの2年間に時間とリソースを投入して安全かつ効果的なAI導入の方法を学んだと考えられます。このため、AIに対する自信が深まり、自分たちのAI戦略が意図しない悪影響を引き起こすかもしれないという懸念が減少した可能性があります。

一方、不適切な情報または誤解を招く情報についての懸念は7%ポイント増加し、第2位に入りました(2023年に26%であったのに対し、2025年には33%)。企業がAIの能力と限界についての認識を高めるにつれ、AIが不正確な出力をする可能性や、AIを使用した誤情報の生成に対する懸念も高まっていることは自然な流れと言えます。興味深いことに、この状況は、AIに対する企業の信頼度レベルには影響を与えていません。

AIが正確な情報を出力することについて、回答者の23%が高いレベルで信頼しており(2023年と2025年の間で変化なし)、回答者の半数以上が中程度の信頼を置いています(2023年は51%、2025年は52%)。

生成AIは私たちの働き方を大きく変えました。オンライン検索の際に、多数のウェブサイトにアクセスして情報を集める必要はありません。AIによる概要が必要な情報をまとめてくれます。

それだけでなく、AI Companionなどのツールが調査を支援してくれるようになり、業務に使用しているプラットフォームに調査結果を挿入し、それを使用してプロジェクト概要、ブログ投稿、レポートなどの最初のドラフトの生成を任せることが可能になりました。さらに、自動でメモを作成し、タスクの完了をサポートします。チャットメッセージ、ミーティング、電話など、ユーザーが行ったコミュニケーション全体から取得したインサイトを提供することもできます。

 

AIがSMBに与えた影響

ごく初期の頃から、生成AIが劇的にビジネスを変える可能性を秘めていることに人々は気付いていました。その予想は時間とともに実感に変わっています。2023年時点で、およそ3分の2の回答者が、すでにAIがビジネスに何らかの影響を与えていることを回答しています(合計で60%)。また、4分の 3が、AIが今後2年間のうちにビジネスに何らかの影響をもたらすと予測していました(合計で76%)。

2025年の結果では、それらの数字はあまり変化していません。2025年には、SMBの77%が、すでにAIがビジネスに何らかの影響を与えていると回答しています。ただし、影響の大きさはやや過大評価されていました。2023年に回答者の28%が「今後2年間でAIはビジネスに非常に大きな影響をもたらすだろう」と回答したものの、2025年の回答者のうち「現在、AIによって多大なメリットを得てい る」と回答したのは23%のみでした。2025年では、企業の多く(44%)が、AI使用により「ある程度のメリット」が生じていると回答しています。

 

分析と意思決定の向上を目的に、AI導入を進めるSMB

AIがビジネスにもたらすメリットとして、「データ分析と意思決定の向上」が引き続き首位を獲得しています(2023年の39%から上昇して2025年は43%)。また、「情報アクセスの向上」が2023年の第2位から下降し、2025年に第5位となったことは特に着目すべき点です(2023年の35%に対し、2025年は29%)。AI機能が進化して複雑さを増すなかで、現代のSMBは単なる情報へのアクセスだけでなく、実用的なインサイトや、時間およびコストの削減といった定量化可能なメリットを求めています。

優先事項についてのこのような意識は、ほかのメリットの順位にも影響しています。「計画と予測を目的とした分析の改善」は、2023年の第3位から上昇し第2位になりました。2025年の結果では、回答者の38%がこれを最大のメリットと考えています(2023年の34%から上昇)。2025年の回答者は、「異なるソースから情報を集約する能力」および「反復的なタスクを合理化 /省力化する能力」をAIの重要なメリットとして挙げています(31%で同率第3位)。このような効率性を活用すれば、従業員は1週間に何時間もの時間を節約できます。これについては、この後のページで事例を取り上げています。

事例:受注率が2倍?パートナープロップがセールスを効率化した結果とは?

導入の背景と課題

  • 株式会社パートナープロップは、日本初のパートナーマーケティング支援 SaaS「PartnerProp」を提供。パートナーの発掘・育成・稼働・継続を可視化し、成果創出を支援。
  • 課題:営業活動が属人化し、情報共有が断片化。提案準備やノウハウの継承が非効率で、パートナー施策の継続も困難に。

Zoom ソリューションの導入内容

Zoomプラットフォームを全社導入し、以下のツールを活用:

RevOps(収益オペレーション)体制の構築

  • 部門横断のプロセス整備により、営業・マーケ・CSなど各部門間の情報断絶を解消。
  • 商談内容は録画・文字起こしされ、AI経由で提案資料に活用されるなど、業務の効率と品質向上に貢献。
  • 合意形成スコアが定量化・可視化され、担当者ごとの傾向把握や育成に応用。

導入の成果

  • 提案準備時間:約75%削減
  • 商談回数:40%減少
  • 受注率:約2倍に向上
  • 商談化率:1.8倍に改善
  • 社内文化として録画・情報共有が定着し、「商談が社内資産化される」体制に進化。

Zoom導入の本質的価値

単なるツール導入ではなく、「会話」を“構造化された成長資産”へと転換する仕組みづくりが本質。Zoomを情報の評価軸・起点とすることで、組織全体の判断精度と実行速度が向上。

RevOps体制を早期に整備する戦略的重要性も強調されています。

カスタマーケア: ZoomのAIファーストのアプローチ

ZoomにとってAIとはブームではなく、DNAの一部となっているものです。Zoomは何年も前からAIを使用し、バーチャル背景、ビデオアバター、ノイズ抑制などの機能をプラットフォームの一環として導入してきました。このように、Zoomはあらゆる局面でAIファーストのアプローチを取っています。

2023年にZoom AI Companionをリリースした際、Zoomでは、新興テクノロジーであるAIに対してお客様が抱く懸念について理解していました。Zoomは、ZoomまたはサードパーティのAIモデルのトレーニングにお客様のコンテンツを使用することはありません。AI Companionは使いやすくアクセスしやすい設計で、お客様やお客様の会社の従業員が慣れ親しんだZoomのプラットフォーム全体に組み込まれています。

Zoomは、SMBのお客様の予算の制約が厳しいことを承知しています。AI Companionは、対象のZoom有料プランをご契約中であれば、追加料金なしでご利用いただけます*。特にスモールビジネスのお客様にとっては、多額のコストをかけることなく、実績あるプラットフォーム上で手軽にAIを試すことができる環境となっています。

 

Zoom AI Companionがもたらすメリット

2023年にZoom AI Companionがリリースされると、ミーティング要約はZoomミーティングをより有効に活用するための機能として、たちまち重宝されるようになりました。AI Companionによる自動メモ作成のおかげで、ユーザーは会話に集中でき、フォローアップも簡単になるため、多くのお客様にご好評をいただいています。こうした効果は、スモールビジネスが競争優位性を獲得し、顧客体験を向上させることに役立ちます。2年が経過した今、AI CompanionはZoomのプラットフォーム全体に組み込まれており、お客様がより多くの成果を達成し、仕事の価値を最大化し、同僚や顧客とのやり取りの質を高めるためのサポートをしています。AI Companionの最新のAIエージェント機能においては、さまざまなスキルを使用してタスクの特定、推奨、ユーザーに代わっての実行まで行うことができるため、ユーザーはさらに時間を節約することができます。

 

AI導入に向けた次のステップ

AIが今後も私たちの働き方を変えていくことは明白であり、企業はその変化を受け入れる態勢を整える必要があります。SMB Groupによる2025年のアンケートが示すように、大半のSMBは楽観的な見通しを持っており、39%が、今後2年以内にAIが自社のビジネスに大きなメリットをもたらすだろうと回答しています。SMBのうち41%が、コストの抑制または削減がビジネス上の課題の上位3位に入ると回答しているものの、81%はAI機能のために追加費用を払うことに積極的です。つまり、非常に多くのSMB企業がAIを必須のツールとみなし、優先事項に位置づけているのです。

AIの利用促進のためには、トレーニングやイネーブルメントが有効です。Zoomはこれからも、従業員の皆様がAIについての理解を深めるのに役立つ新機能やリソースを提供していきます。

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