全日本ろうあ連盟(以下「連盟」と称する)はいくつかの全国大会のイベントを毎年行っており、6 月の全国ろうあ者大会には 3 〜 5 千人、8 月の全国手話通訳問題研究会と共催のサマーフォーラムには 1 〜 2 千人が集まります。その他にも青年部、女性部、高齢部がそれぞれの全国大会を開催しています。ところが 2020 年度からコロナのためにほぼすべてのイベントが中止される状況となりました。また現在はオミクロンが流行っており、今年 6 月の全国大会の開催も危ぶまれているところです。手話は見る言語ですので対面が一番理想的なわけですが、それがままならないことに困りました。
しかし連盟の 1 年間の総括や会計報告、今後の活動方針などを決定する重要な評議員会の開催は必須です。昨年は Zoom で全国 47 の加盟団体それぞれの都道府県に評議員が集まってオンラインで開催しました。一昨年は、全国 4 箇所に分かれて同じくオンラインで開催しました。その他にも連盟の理事会、また加盟団体の役員会もオンラインで開催する事がありました。Zoom のおかげで本当に助かっています。
重要な会議をオンラインで開催できたとのこと。その際対面と比較して逆によかった点などはありましたか?
これまで基本的に対面で行ってきたわけですが、実は地方など遠隔にいらっしゃる方が参加できない、また参加するにあたっての交通費負担などの問題がありました。最近は Zoom を利用することで、例えば担当者が集まる委員会に全国の仲間も気軽にオンラインで参加できるようになり、全国の仲間とのコミュニケーションのパイプが太くなったと感じています。
コロナ渦中、病院や自治体に連絡をとる必要がある場合など、お困りになっていることはありませんか?
例えばコロナ感染の疑いがある場合、病院の予約や保健所に電話をする必要があると思うのですが、きこえない人は電話ができないので困っています。幸い昨年 電話リレーサービスが開始されましたので、以前に比べれば一歩前進したと感じています。また病院に手話通訳者が同行する際は、手話通訳者が 2 次感染にさらされるリスクもありますので、オンラインで手話通訳を利用するという選択肢もあります。
手話通訳者の遠隔サポートが可能な場合、病院側の体制は実際いかがですか?
今のところ病院側の遠隔手話に対する理解は十分とは言えません。昨年連盟から日本医師会に対し遠隔手話通訳について理解を求める要望を出しました。病院内部で Wifi が使えればよいのですが基本的には一般に開放されていません。通信状態によって遠隔手話通訳の画面が不安定になってしまうリスクが課題となっています。