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更新日 January 27, 2026
公開日 January 16, 2026
IP電話とは、インターネットの通信技術を利用することで通話を可能とする電話サービスの総称です。では、長く使われてきた固定電話ではなくIP電話をビジネスで利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、IP電話サービスの仕組みや導入のメリット、サービスを選定する際に確認すべきポイントなどについて解説します。
IP電話(Internet Protocol Phone)とは、インターネットの通信技術を利用して通話する電話サービスのことです。さまざまな企業がサービスを提供していますが、それらのサービスの総称としてIP電話と呼ばれています。
従来のアナログ電話は、電話回線を利用し、音声を電気信号に変換することで通話を可能とする仕組みです。一方、IP電話は、音声をデジタルデータ(パケット)に変換・圧縮して送受信します。この技術は、「VoIP(Voice over Internet Protocol)」と呼ばれています。
VoIPについては以下の記事で詳しく解説しています。
>>VoIP・IP電話の技術や仕組み、導入のメリット・デメリットを解説
従来の固定電話(アナログ回線)とIP電話の大きな違いは、距離とコストにあります。一般的に、従来のアナログ電話は通話先との距離が遠くなるほど通話料金が高くなる仕組みです。これに対してIP電話は、全国一律、もしくは距離に関係なく安価な料金であるのが一般的です。
また、端末の自由度にも大きな違いがあります。アナログ回線の電話機は固定電話機(据え置き型)しか使えないのに対して、IP電話は、インターネットに接続できる端末であれば、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、デバイスを問わず利用できます。
IP電話が注目されている背景には、既存の電話網(PSTN)の廃止に向けた流れ、つまり、固定電話の時代がいずれ終わりを迎える流れがあることが挙げられます。そうした時代が来る前にIP電話への乗り換えを検討する企業が増えているのです。
また、リモートワークの普及もIP電話化への流れを後押ししています。IP電話にはリモートワークと相性のよい機能が数多くあり、コロナ禍がIP電話の広がりを加速化させた側面もあります。ビジネスのグローバル化が進むなか、IP電話からの国際電話がアナログ電話よりも安く設定されているケースが多いことも、普及に拍車をかけています。
さらに、050番号の取得が迅速かつ柔軟に行える点も、企業がIP電話を採用する大きな理由となっています。
IP電話は、使用する電話番号によって大きく以下の3つに分類されます。
0AB-J番号は、総務省が定める厳しい通話品質基準をクリアしたサービスだけが利用できる電話番号です。代表的なサービスとしては、NTT東西のひかり電話、KDDIのauひかりなどがあります。
0AB-J番号は既存の固定電話番号を引き継げるナンバーポータビリティにも対応しており、03、06、045など、市外局番から始まる固定電話の番号が利用できます。そのため社会的信用度が高く、法人利用に適しています。通話品質は遅延やノイズが少なく、従来の固定電話と同等の基準をクリアしています。さらに、110番や119番といった緊急通報用電話番号が利用可能です。
ただし、03、06、045などの電話番号は住所と紐付いているため、引越しをすると電話番号が変わることもあります。
050番号は、利用しているインターネットサービスのプロバイダに関係なく取得できる、IP電話専用の番号です。代表的なサービスとしては、楽天モバイル(Rakuten Linkの一部機能)、Skype番号、ビジネス用クラウドPBXで発行される番号などがあります。
050番号は導入コストが比較的低いのが魅力の一つです。また、番号が住所に縛られないため引越しをしても同じ番号が使えます。ただし、設置場所と紐付いていない番号のため、フリーダイヤルや緊急通報用電話番号など、一部かけることができない電話番号があります。着信表示が03や06といった市外局番で始まる電話番号ではないため、社会的信用度がやや低く見られる傾向にあります。
050番号の通話品質は、通常の会話には支障のない水準です。しかし、回線の混雑具合によっては音質が低下したり、遅延が発生したりすることがあります。
050で始まる電話番号については、以下の記事でより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
>>050から始まる電話番号は出ても大丈夫?怪しいと言われる理由や対処法について
>>050番号の通話料はどれくらい?料金相場やビジネスでの活用メリット・注意点を紹介
通話アプリのなかには、LINEやSkypeのようにアプリのID同士で通話できるものがあります。手軽に利用できますが、一般加入電話への発着信ができなかったり、発信できる番号に制限がかけられていたりする場合があります。そのため、社外との連絡手段として日常的に使うことには向いていません。
個人用IP電話や通話アプリと法人用IP電話の大きな違いは、通話品質の保証(SLA)と管理・セキュリティ機能です。
個人用IP電話や通話アプリは手軽に導入・活用できますが、通信品質が不安定になる傾向にあります。また、セキュリティも個人利用を前提としており、決して高いレベルではありません。
一方、法人用IP電話は、ビジネス利用に耐えうる通信品質が確保されています。セキュリティ面でも、ユーザー権限の管理、通信ログの取得、高度なセキュリティ対策が施され、機密情報が多いビジネスの現場でも安心して活用できます。
続いて、ビジネスでIP電話を利用するメリットについて解説します。
IP電話はインターネット回線を利用するため、個別に電話回線を利用するよりも基本料金を安く抑えられます。また、本店-支店間など拠点同士の通話は内線扱いとなり、通話代がかかりません。さらに、国際電話も安価で利用できるため、グローバルに事業を展開する企業にとってはコストを大きく削減できる可能性があり、必須のツールとなっています。
ビジネス用IP電話の番号は、従業員のスマートフォンアプリ上でも利用できます。そのため、外出中の営業担当者や在宅勤務中の従業員でも、手元のスマートフォンから、会社の代表電話番号で発着信をすることが可能です。これにより、営業機会の損失を防ぐことや、電話対応のためだけの出社を減らすことが期待できます。
IP電話はLANケーブルやWi-Fi環境があれば利用できるため、配線工事が不要です。従来の固定電話では、引越しやオフィスレイアウト変更の際、PBX(主装置)から各電話機の配線が必要でした。しかし、IP電話にすれば、オフィスレイアウトの変更やフリーアドレス化の際も配線工事発注の必要がなく、総務・IT担当者の負担を大幅に軽減できます。
IP電話はソフトウェアベースのシステムのため、CRM(顧客管理システム)やSlack、Microsoft Teamsなどのチャットツールと連携しやすいのも魅力です。着信時に顧客情報をパソコン画面にポップアップ表示するなどの連携をとれば、よりスムーズな顧客対応が実現するでしょう。また、チャット画面からワンクリックで発信するといった連携も可能です。これにより、電話業務まわりのDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速するでしょう。
オフィスが被災した場合や長時間の停電が発生した場合、従来の固定電話では電話機能が完全に停止してしまう恐れがあります。しかし、クラウド型のIP電話は主装置(PBX)がクラウド上にあるため、オフィスが壊滅的な被害にあっても電話システムまで影響を受けることはありません。従業員のスマートフォンでアプリを立ち上げれば、4G/5G回線を通じ、会社の電話番号で発着信できます。
音声がアナログ信号ではなくデジタルデータとして扱われるIP電話はAI(人工知能)との相性がよく、業務の効率化に大きく貢献します。
例えば、通話内容をリアルタイムで録音、文字起こしをしてやりとりを可視化したり、長時間の通話内容を要約してCRMに自動登録したりすることも可能です。
従来の電話の場合、録音データは個別のパソコンなどで管理され、共有や検索が困難でした。一方、クラウド型IP電話(Zoom Phoneなど)なら、通話履歴、録音データ、ボイスメールなどがすべてクラウド上で一元管理されます。
これにより、管理者はWebブラウザからいつでも通話履歴などにアクセスできるようになり、コンプライアンス監査やオペレータ教育にスムーズに活用できるようになります。
法人向けIP電話には高度なセキュリティ対策が講じられています。例えばZoom Phoneでは、通話データの暗号化(TLS 1.2およびAES 256ビット)、多要素認証による不正アクセス防止など、金融機関レベルのセキュリティ基準を満たすサービスも多く用意しており、安心してビジネスに利用できます。
では、IP電話の導入にはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。
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初期費用 |
アカウント発行手数料や必要に応じたIP電話機の購入費のみ |
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月額基本料金 |
利用するユーザー数(ID数)に応じた従量課金制 |
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国内通話料金 |
サービス事業者によって異なる。国内固定電話への発信なら3分8円~、携帯電話への発信なら1分16円~など、安価な料金設定が主流 |
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内線通話料金 |
拠点間の通話は距離に関係なく無料 |
IP電話の初期費用は、アカウント発行手数料や必要に応じたIP電話機の購入費のみです。従来のビジネスフォンでは主装置(PBX)の購入や設置工事に数十万円から数百万円かかることが一般的でしたが、クラウド型IP電話の場合はこれらの費用がかかりません。そのため、導入コストを大幅に削減できます。
月額基本料金は、利用するユーザー数に応じた従量課金制が一般的です。従業員数の増減に合わせて柔軟な運用ができるため、繁忙期に回線数を増やしたり、閑散期に回線を減らしたりすれば、コストの削減が実現できます。
国内通話料は、国内固定電話への発信なら3分8円から、携帯電話への発信なら1分16円からといった安価な料金設定が主流です。ただし、実際の料金はサービス事業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。なお、国際通話料においては圧倒的な低コストを実現しています。
さらに、社内の拠点間における内線通話料金は距離に関係なく無料となります。これはIP電話の最大のメリットといえるでしょう。
IP電話を利用する際の注意点についても理解しておきましょう。
050番号や通話アプリ型のIP電話では位置情報の通知が難しいため、緊急通報を利用できません(※0AB-J番号など一部のIP電話を除く)。
緊急時は個人の携帯電話を利用して緊急通報をする、IP電話からでも発信できるようにあらかじめ最寄りの警察署などの電話番号を登録しておく、などのルールづくりが重要となります。
IP電話の通話品質はインターネット環境に依存します。例えば、社内で大量のデータダウンロードなどがあると、その間は回線が圧迫され、音声が途切れたり遅延が発生したりする恐れがあります。
その解決のためには、QoS(帯域制御)設定を行うと同時に、通話品質に定評のあるベンダー(Zoom Phoneなど)を選定することが重要です。
IP電話は、停電すると利用できなくなる場合があります。これは、電気で稼働しているインターネット機器(ONU、ルータなど)への電力供給が止まるからです。インターネット機器を介した固定のIP電話機やパソコンのソフトフォンは使えなくなります。
ただし、スマートフォンアプリでIP電話を使う場合は、4Gや5Gの電波を使ってクラウド上のPBXにアクセスできます。このような対策を講じることで、停電時の利用不能リスクを低減できます。
IP電話はサービスごとにさまざまな違いがあります。導入を決断したら、どのサービスが自社に合っているのか比較検討してみましょう。
ここでは、その際に確認すべきポイントをご紹介します。
通話においてまず重視したいのは、音声品質や安定性でしょう。ビジネスで利用する際に通話品質が悪いと、業務に支障をきたす恐れがあります。ベンダーのサービス保証品質(SLA)などで稼働率を保証しているベンダーを選ぶことをおすすめします。
03や06で始まる既存の電話番号を変えずに移行できるかどうかも重要です。番号ポータビリティサービスに対応しているかどうかを確認しましょう。引き継ぎが難しい場合、会社の代表番号を変更せざるを得なくなってしまいます。
移行後に従業員がスムーズに使える仕組みであるかどうかも重要なポイントです。直感的に使えるUIになっているか、管理者がWebブラウザから簡単に番号の追加や設定変更ができるかなどを確認しましょう。
拡張性と連携機能も重要です。オペレータの増席といった将来的な拡張に対応できるか、自社で使用しているビジネスツール(Zoom Meetingなど)と連携できるかなどを確認しておくと安心です。
料金の安さだけに着目しサポート体制が不十分なサービスを選んでしまうと、電話回線に障害があった場合などにスムーズな対応が得られず、ビジネスの機会を損失する恐れがあります。
十分なサポート体制を持つベンダーを選びましょう。日本語でサポート対応してくれるか、24時間365日のサポート体制が整っているか、既存環境からの移行や初期設定に関するサポート(オンボーディング)が用意されているかどうか、などが重要な確認事項です。
IP電話の導入で失敗を避けたいなら、Zoomのクラウド電話サービス、Zoom Phoneがおすすめです。Zoomアプリ一つで、電話やビデオ会議、チャットが利用できます。
Zoom Phoneの最大のメリットは、クリアな音質です。インターネット環境が不安定な場合でも音声が途切れにくく、高品質な通話が実現します。また、番号ポータビリティ(LNP)に対応しており、03や06などの市外局番から始まる代表電話番号をそのままクラウド電話サービスに移行できます。050や0120、0800など多様な番号での発信も可能です。
管理や運用もシンプルで、ユーザーの追加や権限設定はWebポータルからスムーズに変更可能。PBX業者の工事を待たずに利用できます。
IP電話の導入をご検討の際は、ぜひZoomの電話サービス、Zoom Phoneの導入をご検討ください。
IP電話は、従来の固定電話に比べてコストを削減できる、人数や拠点の数に合わせて柔軟に回線数を変更できるなど、さまざまなメリットがあります。また、他のビジネスツールやAIとの連携、クラウドでのデータの一元管理など、企業にとって大きな業務効率化にもつながります。
一方、ここで解説したように、導入には注意点もあります。メリットだけで選ばず、さまざまな側面からサービスを比較検討し、信頼できるベンダーを選びましょう。