コミュニケーションインフラとしてZoomが採用される以前には当然、他の同様のクラウドサービスと比較検証がなされたが、「操作性の良さ、サービスへの接続性、画質、音質において Zoom が一番安定していた」(安居副校長)ことで全校利用することにつながったと話す。
使い始めのころは、Zoomの操作に教員達も慣れていないこともあり、教員同士で教え合ったり、時には生徒から教えてもらったりしていたとのこと。これにより、図らずも教員・生徒間で互いに学び合う関係性が強化されることになったという。
また、実際にオンライン授業を実施・運用するにあたり、生徒からリアルタイムで評価されている感があるため、生徒の反応を確認しながら教員側も試行錯誤をしていたと荒木校長は振り返る。そこで、荒木校長からは、通常 45 分の授業を15〜20分の内容に集約し、残りは質問対応、協働作業に当て、ネット上の優良なコンテンツも使って良いと教員へ指示。実践した教員達からは、授業内容は 2、 3 に焦点化できるとわかったと貴重なフィードバックがあった。
そして、フルオンライン化後すぐに Zoom 授業について保護者にアンケートをとった際にも、 93% が満足との回答も得られ、結果的にオンライン授業はドルトン東京学園の目指している学習の個別最適化にとって追い風となった。
生徒側においても、授業を受けるのはデバイスさえあればどこからでも可能となったことで、状況に応じてリアルとオンライン授業を主体的に選択しながら学びを止めることがなくなった。学外に目を向ければ、海外の学校との教科の枠を超えたコラボ授業、他校の生徒会との交流、生徒企画の英語のプレゼンコンテストなど、学びとコミュニケーションの場はより一層広がってきている。