MozillaがZoomを使用して100%バーチャルなグローバルMozFestを主催

Zoomのビデオプラットフォームが、2021年のバーチャル集会で創造性を推進し維持する支えとなりました。

Mozilla
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従業員数: 50~999人

Mozilla Festival(MozFest)とは何かを説明することは、この毎年恒例のイベントを運営する人たちにとっても、簡単なことではありません。このイベントは「アート、テクノロジー、社会の集会でもあり、メーカーの祭典でもある、より人道的なデジタル世界を求めて活動する多様なグローバル運動の活動家のためのプレミア集会」だと運営側は述べています。

 

1998年にコミュニティのオープンソースプロジェクトとして設立されたMozillaは、現在2つの組織で構成されています。運動活動を主導する非営利の Mozilla Foundation と、その完全子会社であり、Mozillaの市場ベースの業務を先導する Mozilla Corporationです。Mozillaの人気の高いオープンソースウェブブラウザであるFirefoxは、Mozilla FoundationとMozilla Corporationが共同で開発しました。

 

MozFestは、何千人もの技術者、活動家、アーティストで構成されているMozillaコミュニティが「インターネットをより健全な場所にする」ために年に一度集会するためのイベントです。コードを書いたり、アイデアを交換したり、プライバシーやセキュリティ、デジタルインクルージョン、信頼のおけるAIなどの問題について話したり、コミュニティを築いたりすることができる場となっています。

 

2021年3月には世界的なパンデミックが発生していることを踏まえ、11年の歴史の中で初めて、対面形式ではなく完全にオンラインのMozFestが開催されました。MozFestのプロデューサーおよびクリエイターらは、MozFestの特徴である創造性とインクルーシブ精神を推進して維持するためにZoomを利用しました。何百というインタラクティブなセッション、パネルディスカッション、内容を深く掘り下げるワークショップがZoom Meetingsを使用して開催されました。

 

前回開催された2019年のMozFestは対面イベントで、3,000名弱の出席者が集まりました。今年のバーチャル集会では、9,800名近くの参加者を迎えました。このような大規模なオンラインイベントの開催は、経験豊富なMozFestの主催者にとっても大変なことです。

Mozfest 2021

アクセシビリティ、多様性、インクルージョンがMozFestの鍵に

2021年度のMozFestが、当初の計画通りにアムステルダムで対面形式で開催されないことが決定されたとき、MozFestのコミュニケーションマネージャーであるKristina Gorrさんは、数千人の参加者と数百というブレイクアウトセッションにバーチャルで対応するための最善の方法を見つけるためには、方向性を素早く切り替える必要があることを理解していました。「一丸となって、対面イベントに向けて準備を整えているときにパンデミックに見舞われました」とGorrさんは述べています。

 

Mozillaでは、社内でZoomを使用していました。フェスティバルの主催者はすでにこのプラットフォームを何度も利用していました。また、何百ものバーチャルMozFestセッションを担当するクリエイターのほとんどもZoomについてよく知っていました。その機能がよく理解されていることから、同社ではMozFestで2021年の集会をサポートする主要なコミュニケーションプラットフォームとしてZoomを選択しました。

 

Gorrさんはこう述べています。「すべての人にアクセシビリティと多様性、インクルージョンを提供するコミュニケーションプラットフォームを求めていました。コミュニティには、世界中から参加を強く希望している人々がいました。 私たちは、毎年、さらに多くの人々が参加できるようにするため、できる限りの改善に努めています。 Zoomのおかげで、今までで最大のフェスティバルを開催することができました!」

ZoomがサポートするMozFestセッション

MozFest 2021では、2週間にわたって530種類の60分間セッションが提供されました。セッションは「クリエイティブAI」や「ニューロダイバーシティ」などを主要トピックとする、さまざまな「スペース」に分類されて実施されました。参加者は、「信頼できるAI」や「インターネットヘルス運動」など、各スペース内の個別のブレイクアウトセッションを選んで参加する形にしました。MozFestの主催者にとって特に重要なことは、すべてのセッションが参加型でなければならないということでした。

 

MozFestのデジタルプロデューサーであるMarc Walsh氏はこう述べています。「一方通行のプレゼンテーションとなるようなセッションは避けるようにしました。インタラクティブな会話と、さまざまな意見が集まってトピックについて議論することが大切なのですから。」Walsh氏は、各セッションにおいて参加者全員に発言の機会を提供し、物理的にその場にいなくとも「ルーム」にいる全員が関わり合えるようバランスをどう取るかを検討する必要があったと説明しています。

 

Zoom Meetingsは、MozFestに不可欠な機能を提供しました。「Zoomセッションに参加するにあたり個別のログインは必要ありません。これは、アクセシビリティの観点から本当に大きなポイントでした」とGorr氏は述べています。多くのMozFest参加者が、インターネット接続が乏しいか、コストがかかりすぎる地域から参加していることから、Zoomのダイヤルイン機能も重要でした。「世界中の人々が参加できるプラットフォームを求めていました」とGorr氏は言います。「アフリカの地域や、他の遠い地域からの出席者もいました。こういった出席者は、インターネット接続のビデオに対応できるだけの帯域幅を持っていません。Gorr氏はまた、字幕や言語通訳などのZoomのサポート機能も、MozFestコミュニティ全体が参加できるようにするための重要なオプションだったとして挙げています。

セッションの保護性と安全性を維持

参加者が膨大な人数になることを考慮し、MozFestチームはすべての出席者を保護するために複数の方法でセッションを保護しました。Walsh氏は、MozFestのスケジューリングプラットフォームが、最低限のセキュリティを提供したと言います。「ニューカッスル大学のオープンラボから、チケット所有者がセッションに登録できるプラットフォームが提供されました。Zoomベースのセッションへのリンクは、登録済みの参加者だけに表示されます。」

 

さらに、セッションはすべて20種類の異なるZoomミーティングに分割されており、Walsh氏が率いるチームはオンラインで共有されているリンクを監視することができました。これはMozilla AV Opsチームを通じてZoomによってサポートされました。

 

最後に、MozFestでは、セッション中に誰かが意図的に妨害したり、不適切な行為を行った場合に備えて対応策を考案しました。100人を超えるボランティアで構成された技術スタッフと「安全チーム」が常に待機し、必要に応じて介入します。進行役には、セッションのホスト権限も付与され、状況に応じてアクションを起こすことができるようにしました。


Project Immerse: Zoomで実現するMozFestのハイライト

フェスティバル中の2週間にわたり複数回開催された非常にユニークなセッションの1つが Project Immerseと呼ばれるバーチャル体験でした。これは、 コロンビア大学芸術学部のデジタルストーリーテリングラボ の共同創設者である Lance Weiler氏が制作および進行を手がけた作品です。MozFestプログラムの説明にあるとおり、Project Immerseは「ストーリーと遊び、ウェブの普及技術を組み合わせたバーチャル体験の中に100名程度の参加者を配置するディープフェイクの妄想スリラー」です。

 

Zoomと共同ホワイトボードプラットフォームであるMiroで動作するように設計されたProject Immerseは、ZoomとMiroのウェブツールを使用し、「映画、没入型シアター、ARG、エスケープルームの要素をコラボレーションストーリーテリング体験に活用してスリル満点の作品に転化」したプロジェクトです。この作品では、ディープフェイク、シャローフェイク、ボットに関連する課題を探ります。すべての画像、ビデオ、オーディオ、テキスト、そして体験のおよそ90%は、AIで制作されています。その結果、欺瞞、陰謀、そして人間が意味を創造し、つながりを作る方法を探求するユニークなストーリーテリング体験となっています。

 

この体験は Zoomの待機室から始まります。参加者には、最初にZoom Team Chatを介してMiroボードへのリンクを使って体験を進める方法が説明されます。その後、何が真実で何が嘘なのかを見極めながら、ストーリーを進めていきます。参加者がMiroを使っている間、Zoomはブレイクアウトルームを通じて参加者同士を繋ぎます。参加者は互いの顔を見ながら、何が起きているのかについての仮説をチャットし合います。

 

Project Immerse体験に一足先に参加したGorrさんはこう述べています。「Project Immerseは、存在しないつながりを作り上げようとする人間の傾向によって、本質的に誤った情報がどのように生成されるのかを教えてくれました。AIによって作成された手がかりが与えられましたが、実際には何の意味もありませんでした...これらの手がかりには何の関係もなかったんです。私たちは殺人事件を解決していると思いこんでいましたが、殺人はなかったんです。AIによって作り出されたものでした。そこがポイントでした。真実ではない情報を与えられた場合、人間は脳内で情報をつなげようとします。それによって誤った情報が共有されることになるのです。何かが聞こえると、あらゆる種類の結論に飛びつこうとします。こうやって陰謀説が生まれるのです。」


Zoom: バーチャルコミュニケーションを「快適」にする存在

Gorr氏は、Zoomによって、人々は最も快適な方法でMozFestに参加することができたと述べています。「セッションに参加するときには、マイクをミュートにすることも、ビデオをオフにしてリスニングのみを行うこともできます。進行役は、静かに視聴だけしたいという参加者に対して、参加を強制しないように訓練されています。ミーティング内チャット機能のおかげで、自分の顔や声が記録されるのを好まない人も参加することができました。また、背景の外観を変更するなどして、Zoomの楽しい機能を活用することもできました。Zoomのおかげで、やりたかった多くのことを簡単に、実現できました。」

 

MozFestでは、MozFestのバーチャルイベントに参加する何千人もの方々のオーディオとビジュアルに対応するコミュニケーションプラットフォームを必要としていました。同社のコミュニケーションマネージャーとデジタルプロデューサーは、Zoomがその主要な要件を満たしてくれたと述べています。「Zoomのおかげで、今年のバーチャル集会でも、MozFestの本質を生かすことができました。」

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