「AI Companionは、既存のアプリと連携している生成AIとしては、もっとも有用な機能の1つです」とWolf氏は言います。「Zoomの場合、有料ライセンスを取得さえしていればAI Companionを利用できるのが非常にありがたいです。高額なプランにアップグレードする必要はありません。」これはつまり、Gainsightが別のAIアシスタントプロバイダーに支払う可能性があった、ユーザー当たり最大30ドルのライセンス料金を支払う必要がなくなり、年間だと数千ドルもの節約につながることを意味します。AI機能のためにプレミアム料金を支払わなくて済むだけでなく、サードパーティのAIアプリを使用していた従業員への払い戻しも不要なため、その点でもコストを削減できました。
Zoomは、顧客コンテンツのデータをAIモデルのトレーニングに使用しないことを明確に示しており、それもGainsightチームにとって利点の1つでした。「Zoomは、自社データをAIのトレーニングに使用して欲しくないという顧客の意見に耳を傾け、別のトレーニング方法を模索しており、その透明性が非常に気に入りました」とWolf氏は語ります。
共有コンテンツは従業員が制御
従業員がAI Companionを使い始めると同時に、サードパーティAIアプリケーションの使用率が低下してきたことにMosgofian氏とWolf氏は気づきました。ミーティングホストは、外部のAIメモ作成機能が機密情報を取得するかもしれないという心配をすることなく、出席者が共有する情報をより制御できるようになりました。
Mosgofian氏は、こうした情報の制御を、現代の職場環境におけるミーティングの標準的なエチケットだと考えています。「ミーティングをレコーディングするかどうかはミーティング開催者が決めるべきです。ミーティングのAI要約が必要だと主催者が判断するなら、AI機能をオンにするべきですし、それを共有したい場合は共有すればよいのです」とMosgofian氏は言います。
従業員は、AI Companionによるミーティング要約の使い方を、毎回のミーティング開始時に自動的にオンにするか、その時々でオンにするか否かを自ら決めることができます。たとえば、Mosgofian氏の場合、自分が主催するミーティングでは毎回ミーティング要約をオンにするよう設定しています。
「後で参照するかどうかはわかりませんが、簡単に要約を入手できるのであれば、メールに要約が保存されていると思うだけで安心感が得られます」とMosgofian氏は語ります。
彼はミーティング終了後、生成された要約の確認と編集機能を大いに活用し、トピックから外れた会話の削除や、次のステップが正確に取得されていることの確認をしてから同僚に共有しています。
従業員の時間の節約とつながりの維持を支援
AI Companionによるミーティング要約により、従業員はメモ取り作業の時間を節約できますが、これはもたらされる価値のほんの一部にすぎません。AI Companionによってチームの結びつきが強まり、ミーティングでの話し合いからより多くの情報を得ることができます。
「ミーティング要約は、私たちにとってもっとも利用しやすいAI活用法の1つであり、実際に大勢が実務に利用しています。最大のメリットは、ミーティングの公式議事録を作成しなければならない従業員が、時間を大幅に節約できる点です」とMosgofian氏は語ります。AI Companionの導入前、Mosgofian氏はミーティング中に、大事な会話に加わらずに議事録作成に集中しなければならない時間がありました。AI Companionのおかげで、推定で以前より17%多くのミーティング時間を、影響力のある話し合いに集中できるようになりました。