AI Companion

AI 導入時に法務・コンプライアンス チームが考慮すべき 5 つの重要事項

Zoom のお客様は、セキュリティ、プライバシー、効率性といった価値を維持しながら、AI 導入のメリットを享受しています。そこから導き出される重要事項をご覧ください。

更新日 February 25, 2025

公開日 February 13, 2025

AI 導入時に法務・コンプライアンス チームが考慮すべき 5 つの重要事項
Cheree McAlpine の画像
Cheree McAlpine
最高法務責任者

Cheree McAlpine は、最高法務責任者としてグローバル テクノロジー企業で培った 25 年以上にわたる法務経験を Zoom で活かしています。

 

Zoom 入社前、Cheree は AI / 顧客ソリューション企業である Intercom の上級副社長(SVP)および法務顧問として、経営幹部(法務)の役職を数多く歴任していました。それ以前は、Lumileds Inc. の最高法務責任者兼事務部長を務めていました。Lumileds に入社する前は、Avnet Americas と Wyse Technology の法務顧問を務め、同企業の Dell への売却を成功させました。

 

彼女は、アラバマ大学で学士号、Suffolk University Law School で法務学位を取得しました。現在はベイエリアに拠点を置いています。

従業員は会社の情報を安全かつ確実に扱いたいと考え、企業は自社の情報管理を徹底したいと考えています。業務関連のほとんど、あるいはすべての情報がさまざまなシステム、アプリ、プラットフォームで作成、保存、転送されている場合、その状況が組織にとって実際にどう影響するかを考えることが大切です。各部門のさまざまなニーズをバランスよく満たすため、組織に AI Companion を導入する意義をしっかりと理解する必要があります。

1. 信頼できる方法でデータを使用する

AI Companion は、1 日を通してさまざまな方法で業務をサポートします。AI Companion を使用する際は、プロンプト、ミーティングのレコーディング、ドキュメントの作成から始めることが多いでしょう。たいていなんらかの見返りを得ることができます。たとえばミーティングに基づく要約や、プロンプトに基づく概要といったものです。組織が AI ソリューションの導入を検討する際の中心的な考慮事項になるのが、これらのインプットとアウトプットの保持方法です。Zoom のお客様は、さまざまなオプションを理解し、組織で AI Companion をテストできるため、Zoom がこれらのインプットとアウトプットを慎重に取り扱っていることに確信を持つことができます。

Zoom は、お客様のオーディオ、ビデオ、チャット、画面共有、添付ファイル、その他のコミュニケーション関連のカスタマー コンテンツ(投票結果、ホワイトボード、リアクションなど)を Zoom またはサードパーティの人工知能モデルのトレーニングに使用することはありません。保持に関しては、お客様がインプットとアウトプットの両方を制御でき、組織のニーズに合わせて最適な削除期間を設定できます。

柔軟性を必要とするお客様にとってもう 1 つの重要なオプションは、ミーティング要約を提供するために使用される Zoom ミーティングの文字起こしのゼロデータ保持(ZDR)です。ZDR は通常、AI ポリシーを概説するのに時間がかかるものの AI Companion のメリットは享受したいという組織で使用されます。

ZDR を使用しない場合、Zoom は、お客様のユーザーに AI Companion 機能を提供する目的でのみお客様のデータを一定期間保持します。ZDR を使用する場合、AI Companion 機能の一部と引き換えにゼロデータ保持モデルを使用することになります。たとえば、ZDR を有効にすると、ミーティングの文字起こしを使用して Zoom Docs をすばやく作成したり、ミーティング参加者がミーティング コンテンツを AI Companion サイドパネルからリクエストしたりすることができなくなります。お客様の組織に最適な機能とデータ保持のバランスを判断するには、パイロット グループを作成し、組織が納得する方法で AI Companion をテストすることをおすすめします。

サードパーティのモデルについては、サードパーティのモデル プロバイダーがデータ保持期間に関する Zoom の要件をどのように尊重しているのか、また、顧客コンテンツで AI モデルをトレーニングしていないことをどのように知ることができるのか、という質問も寄せられます。Zoom はサードパーティ モデル プロバイダーと契約を締結し、年次監査権を含むサードパーティ リスク管理プログラムを実施しています。

データ保持に関する詳細情報については、当社のセキュリティとプライバシーに関するホワイトペーパーをご覧ください。

「Zoom の新機能、特に高度なものや複雑なものについては、まずテクニカル アーキテクトが基本的な検証を行います。その後、データ プライバシーとサイバーセキュリティのプロセス策定に取り組みつつ、100 人程度の小規模なパイロット グループでテストすることから始めます。それが終わったらトレーニング セッションやコミュニケーション計画を提供します。準備が整ったら、組織の他部門にも使用を拡大し、その後、追加のウェビナーも実施することで、従業員が機能をより理解できるようにしています。」

Flex、デジタル ワークプレイス& IT インフラストラクチャ担当副社長、Diofanto “Dio” Rosales 氏(Zoomtopia 2024 にて)

2. 設定を確認し、アカウントを管理する

新しいツールのオンボーディングの際には、そのツールが組織のポリシーに適合していることが重要です。特に AI を扱う場合は、安全性とセキュリティが最重要です。つまり、AI の安全な導入に必要なツールを提供することに重点を置くパートナーを持つことも、同様に重要なのです。

そのため Zoom は、AI Companion のアカウント コントロールに安全機能を直接組み込み、管理者が組織のニーズに合わせて AI Companion を設定できるようにしました。これには、ミーティング時に AI を自動起動する機能や、主催するミーティングで特定機能を使用できるユーザーを固定する機能などがあります。

組織全体にどの特定機能を設定すればよいか確信が持てない場合は、パイロット グループを作成し、全員に展開する前にテストできます。組織内の特定グループに対して特定の設定を行いたい場合でも、アカウント全体の設定を変更したい場合でも、お客様のニーズに合わせて AI Companion の使用方法を決定できます。

たとえば、ミーティングの自動開始機能について言えば、従業員にミーティング要約を見逃してほしくない組織の場合、全従業員に対してミーティング要約の自動起動を有効にできます。組織によっては、ミーティングごとの特定の選択肢としてミーティング要約をオンにしたいだけの場合もあるでしょう。アカウント、グループ、ユーザーの各レベルで設定をコントロールできるため、組織のポリシーに柔軟に対応できます。

当社のセキュリティとプライバシーに関するホワイトペーパーには、AI Companion のモデル処理に関する詳細情報が記載されています。

「新しいツールやシステムを導入する際には、サイバーセキュリティやデータ プライバシー、法務チームに関連するプロセスを踏む必要があります。当社では、これらのグループが取り上げ、対処すべき項目をまとめた質問リストがあります。GDPR のような欧州の規制によるデータ プライバシーに関する質問、知的財産やデータの取り扱いに関するサイバーセキュリティの質問、あるいはモデルのトレーニング方法に関する質問などに答えるのに、約 4 か月かかりました。Zoom は、その際に素晴らしいサポートをしてくれました。まずはホワイトペーパーですが、さまざまなステークホルダーからのすべての質問に対応するための、直接的なサポートも受けられます。」

Flex、デジタル ワークプレイス& IT インフラストラクチャ担当副社長、Diofanto “Dio” Rosales 氏(Zoomtopia 2024 にて)

「世界最大級の完全リモート企業である BairesDev 社にとって、Zoom はなくてはならないツールです。Zoom AI Companion を採用してから最初の 10 か月で、推定 19,000 時間以上を節約し、信頼性の高い会議後のメモで集中力を高めました。 グローバルな従業員を抱える当社では、現地のデータ法を遵守する方法を常に考えて います 。

BairesDev、最高情報セキュリティ責任者、Pablo Riboldi 氏

3. AI 導入戦略を考える際は精度を重視する

現在ほとんどの AI ツールの使用に際して「AI は間違えることがあります。精度を確認してください」という文言が表示されるのを見たことがあるでしょう。AI Companion も例外ではありません。世界はいまだ、生成 AI の能力と限界に適応している最中であり、これらの通知は AI のアウトプットを検証するための注意喚起として役立ちます。

Zoom では、精度が組織にとって大きな関心事であることを理解しています。そのため、当社では外部企業と提携し、AI プロダクトの品質テストも実施しています。2024 年の Zoom AI Companion パフォーマンス レポートでは、TestDevLab が AI Companion を複数の競合プロダクトと比較評価し、Zoom ミーティングの文字起こしにおける単語エラー率(WER)が Microsoft Copilot よりもはるかに低いことを明らかにしました。

WER の低さと、それが AI Companion をご利用のお客様にもたらすメリットを、誇りに感じています。AI Companion 機能でもっとも使用されているのはミーティング要約で、ミーティングの文字起こしは Zoom Workplace 全体の多数の AI 機能をサポートしています。文字起こしの品質が高いということは、当社のプロダクト スイート全体にわたってお客様により質の高い AI のアウトプットを提供できるということです。

「AI Companion が有効になっていることがわかれば、ミーティングに集中できます。ほかのユーザーに集中し、より積極的に関わることができます。集中力を削いで書き留めなきゃいけないと思わなくていいので、聞き逃す心配がありません。つまり『大丈夫、AI Companion があとで教えてくれる』と思えるのでその場に集中して会話ができるんです。もうこの価値はプライスレスです。」

Gainsight、元最高情報責任者、Karl Mosgofian 氏

4. AI がアクティブになるタイミングをユーザーに確実に知らせる

透明性は非常に重要です。すべての人間関係において重要な要素であるだけでなく、オンラインや人工知能との関わり方においても同様です。AI Companion の機能を構築する際には、可能な限りわかりやすく、ユーザーの操作性を考えた体験を構築するよう心がけています。

AI Companion がミーティングでアクティブになると、右上にある AI Companion のダイヤモンド アイコンが点滅するのをミーティングの参加者全員が確認できます。ミーティング参加者がこのアイコンをクリックすると、そのミーティングで使用されている AI Companion 機能に関する詳細情報が表示されます。ミーティング参加者がミーティング中に AI Companion のサイドパネルを開くと、ミーティング内質問ができるかどうかや、ミーティング ホストに機能をオンにするよう依頼できるかが表示されます。

ミーティング ホストは、ミーティング中にどの AI Companion 機能をアクティブにするか、またそのオン / オフを自由に設定できます。ミーティング中に、次の議題が要約されたりレコーディングされたりするのは避けたいと思うかもしれません。その場合はミーティング要約、レコーディング、またはその両方を一時停止し、そうした特定のトピックが終了してから再開できます。AI Companion のオンとオフのタイミングは、ミーティング参加者全員に通知されます。

AI Companion を簡単に設定できるのは Zoom Meetings だけではありません。Zoom Meetings、Zoom Webinar、または Zoom Phone での通話に参加するユーザーには、AI Companion がアクティブであることを示す通知が表示されたり音声で聞こえたりします。アカウント管理者は、ユーザー向けにこれらの通知をカスタマイズできます。参加者は、AI Companion の起動リクエストをホストに送信することもできます。

レコーディングされている内容や、その使用方法が明確でない場合、ユーザーは不快に感じる可能性があります。AI Companion では、従業員、顧客、その他のパートナーに必要な明確さと信頼性を提供するために必要なすべてを設定できます。

Zoom のセキュリティとプライバシーに関するホワイトペーパーには、当社の通知に関する詳細情報が記載されています。

「生成 AI は、オフィス ワーカーやナレッジ ワーカーのために AI を民主化し、より有効活用するための新たな可能性をもたらしています。ここにこそ、従業員一人ひとりの生産性向上や、コンテンツの生成と品質の改善、全体的な従業員体験の向上を支援する、メリットや機会を見いだすことができるのです。」

Flex、デジタル ワークプレイス& IT インフラストラクチャ担当副社長、Diofanto “Dio” Rosales 氏(Zoomtopia 2024 にて)

5. 従業員をオンボーディングし、プロダクトをニーズに応じて使う

新しいプロダクト、プラットフォーム、またはツールを組織に完全に連携させるには時間がかかりますが、注力すべき点はそれだけではありません。従業員が新しいツールを使いこなせるよう指導することは、最初に適切なツールを用意するのと同じくらいたいへんな作業です。

幸いなことに、Zoom には開始時に役立つ一連のガイド、ハウツー記事、その他のサポート コンテンツが用意されています。Zoom AI Companion オンボーディング センターでは、新しいソフトウェアやツールを導入し、組織での利用を拡大することを職務とする人々を支援するためのコンテンツを作成し、更新し続けています。

Zoom が提供するのは、単なるサポート ドキュメントではなく、プロダクトそのものです。Zoom のお客様は、AI Companion の使いやすさと、すぐに日常ツールとして頼れる存在になることに幾度となく興奮されています。

「Zoom の発表から 2 週間以内に、従業員全員に対して機能を有効にし、展開しました。AI によるミーティング要約は、IT 部門よりも IT 部門以外の人たちが興奮した最初のテクノロジーです。口々に『いつオンにできるのか』と聞いてきました。AI によるミーティング要約によって、従業員は週に 2~5 時間を節約しています。Zoom のモデルとゼロデータ保持ポリシーだけを使うことができるのは素晴らしいことです。Zoom は AI のリーダーだと思います。」

グローバル フィンテック プロバイダー(従業員数 1,000~5,000 名)、IT ディレクター
S&P Global Market Intelligence の一部である 451 Research による、ビジネスに対するテクノロジーのインパクト レポート(Zoom 委託)

「当社ではデータ プライバシーとサイバーセキュリティの検証の一環として、ユーザーのデータ プライバシーを含む AI Companion の基本的な使用方法を網羅的に学習するためのトレーニングが従業員に必要であることを知るようになりました。」

Flex、デジタル ワークプレイス& IT インフラストラクチャ担当副社長、Diofanto “Dio” Rosales 氏(Zoomtopia 2024 にて)

Zoom Workplace の活用方法について理解を深める

「Zoom AI Companion は、ミーティングや講義で非常に役立っています。重要なディスカッションをわかりやすくまとめ、アクション項目を要約してくれるからです。おかげで、私たちの仕事と指導方法は格段に向上しました。教員は、簡潔な要約や役に立つアクション項目の提供によりミーティングの質が向上したと報告しており、学生は、リモート講義が明快になり、アクセシビリティが向上したことを評価しています。」

ロード アイランド大学 IT イノベーション副部長、Karen Lokey 氏(Zoomtopia 2024 にて)

組織やそのニーズはそれぞれ異なります。Zoom では、さまざまな業界のさまざまな人々にサービスを提供できることを幸運に思っています。そのような人々に、意思決定プロセスや展開の各段階で、Zoom Workplace プラットフォームに関するできるだけ多くの情報を知ってもらいたいと考えています。

Zoom の慣習と、それが組織にどのように適合するかについての詳細は、セキュリティとプライバシーに関するホワイトペーパーをご覧ください。

Zoom の最高法務責任者である Cheree McAlpine と、Micron Technology の副社長兼最高セキュリティ責任者である Hanan Szwarcbord 氏から直接話を聞くことができるウェビナー「Navigating Legal and Privacy Challenges in AI Implementation(英語)」にぜひご参加ください。AI の導入に際して法律、プライバシー、セキュリティの重要な課題に取り組む方法についてご紹介します。

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