ノートルダム大学は、新型コロナウイルスのパンデミック時にバーチャル講義へと方針転換した後、2020年の秋に学生をキャンパスに迎え入れ、ソーシャルディスタンスを保持したうえで学習を進めたいと考えていました。
2020年秋学期には「デュアルモード」というハイブリッドモデルでの講義形式を導入しました。その準備に向け、NDスタジオ教育&学習テクノロジー(TLT)チームはカメラ、マイク、オーディオ機器を備えたつながりのある学習スペースとして、キャンパス全体で最大150のクラスルームを整備し、アップグレードを施しました。各教授はこの「エコシステムとしてのクラスルーム」内で、Zoomセッションのスムーズな開始、講義のレコーディング、ビデオ管理プラットフォーム「Panopto」とZoomの連携を活用したレコーディングの自動アップロードと保存が可能になりました。これらのレコーディングには大学の学習管理システム(LMS)からアクセスして、再生、保存、検索、検出を行うことができました。
ノートルダム大学のITソリューションアーキテクト兼ストリーミングプログラムマネージャーであるTom Marentette氏は「教授と学生のためのエコシステム環境を実現し、人間を中心に据えたアプローチを取ることが重要でした。つまり、学生と教授を最優先に考えるということです」と述べています。
教授と学生のための公平な体験
Panoptoとの連携により、講義をキャプチャするためのよりシームレスな自動化プロセスが構築されました。このプロセスはテクノロジーに対する能力や慣れの程度に関係なく、すべての教授が導入できるものでした。
ノートルダム大学の教育技術者兼Panopto管理者のCharles Barbour氏は「私たちは、誰もが公平にレコーディング体験、制御システム、再生体験を活用できるようにしたいと考えていました。今ではテクノロジー恐怖症がもっともひどい教授でさえ、すべてのレコーディング済みセッションを大きな問題なく学生と共有できるようになりました」と述べています。
ノートルダム大学は、学生が欠席した講義内容を把握する場合や、セッション後に講義内容を復習する場合に、それらのレコーディングが役立つことに気付きました。講義のレコーディングの再確認は、英語が第一言語ではない学生にとって特に有用です。
Barbour氏は「手が空いたときに講義内容を復習し、確実にその要点を把握できる有益な機能について、非常に多くの学生が報告をあげています」と述べています。
ゲストスピーカー&固有のパフォーマンス
哲学教授兼ノートルダム高等研究所所長であるMeghan Sullivan氏は、パンデミック中に彼女と学生たちがさまざまな方法でZoomの機能を試したと述べています。同氏は「この取り組みは『普段対面で行っている会話やアクティビティをソフトウェアに適応させる方法を見つけよう』という精神にあふれ、創造的かつ刺激的に思えました」と述べています。
Sullivan氏は、ノートルダム大学ロースクールの同僚と協力して、SF作家のTed Chiang氏と特別な講義を行う機会を得ました。パンデミック発生時は、講義をバーチャルで行うことに決め、Chiang氏はシアトルの自宅から毎週Zoomで参加しました。
Sullivan氏は「Chiangさんがキャンパスに来るのは数回の予定だったのですが、Zoomのおかげですべてのクラスに参加していただきました。今回のコースはSFとテクノロジーに関する講義だったので、この講義の思想に合うテクノロジーで試行しました」と述べています。
また、Sullivan氏はノートルダム大学にアーティストインレジデンスとして滞在するReginald Dwayne Betts氏が、キャンパスコミュニティのためにZoomを使用して、収監体験に関するバーチャルパフォーマンスをワンマンショーで行った様子についても回想しています。