株式会社パートナープロップ Zoomソリューション導入事例
「RevOpsはただのツール導入で実現できることではなく、組織全体を最適化する仕組み作りです。Zoomを導入することで、私たちはインサイドセールス、営業、マーケティング、カスタマーサクセスという各部門が連携し、属人的な判断や偶発的な成果に依存しない、強固な仕組みを作り上げました」
株式会社パートナープロップ Zoomソリューション導入事例
2024年
〒102-0093 東京都千代田区平河町2丁目5−3
IT
営業活動の属人化が進み、情報共有がバラバラに。再現性のある仕組みがなく、提案準備やナレッジ継承にも時間がかかっていた。限られたリソースでパートナー施策を継続するために、営業活動を効率化する共通ツールが必要だった。
「アライアンス(パートナー企業との協業)は、実は8割が成功しない」と言われています。特に、スタートアップと大企業、異業種同士の協業のように、規模や文化の異なる組織では、目的や価値観のズレ、コミュニケーション不足やガバナンスの曖昧さなどが顕在化しやすく、協業が頓挫する原因となりがちです。
そんな課題を解決する方法として、注目されている解決策が「パートナーマーケティング」です。パートナーマーケティングは、ベンダーによる一方的な努力ではなく、パートナーによる成果創出を支える仕組みづくりを大切にするアプローチです。株式会社パートナープロップは、パートナーマーケティングを実現する日本唯一のSaaS「PartnerProp」を提供しています。
創業当初からエンタープライズ企業・スタートアップ企業に対する導入が進む一方、同社が懸念していたのは、事業スケールの過程で起こりがちな「情報共有の断片化と属人化」。マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスなど、それぞれが独自のKPIで動くと、こうした課題は必ずといっていいほど発生します。 そこで同社が導入したのが、Zoomのプラットフォームです。アライアンス業界の変革を導く中で、Zoomがいかに成長と成果を後押ししたのか──その詳細に迫ります。
広告費用対効果の低下や、優秀な営業人材の確保の難しさ──。こうした課題が多くの企業に影響を与えるなか、「パートナーチャネル(間接販売)」に取り組むことで大きな売上創出をする企業が増えています。そんなパートナーチャネルで成果を生み出すために、株式会社パートナープロップが提唱するのは、パートナーの段階的な成果創出を支援する仕組みである「パートナーマーケティング」という手法です。
同社はあらゆる企業がパートナーマーケティングを実現できるよう、クラウドシステムである「PartnerProp」を開発・提供しています。パートナー企業の発掘から育成、稼働、そして継続的な成果創出までを一貫して支援することができ、これまで属人的に進められていたパートナービジネスを、SaaSの力で再現性のある仕組みに転換できます。
「広告費の高騰、営業人員の確保難、インバウンド獲得効率の低下といった環境変化により、従来型の手法では企業の成長に限界が見え始めています。その中で、営業リソースだけに頼らず、『信頼』と『接点』を持つパートナー企業との連携によるパートナーチャネル戦略の重要性が増しています。しかし、実際に成果を出しているパートナーは全体の2割以下という調査もあります。その背景には、属人的で非体系的な運用、KPIの不在、育成の未整備といった構造的なボトルネックがあります」
そう語るのは、同社で営業を統括するVP of Sales、磐崎友玖氏。PartnerPropは、まさにパートナーの「育成・稼働・継続」という3つのプロセスを可視化し、支援するツールです。
NTT データやみずほ銀行をはじめとする大手企業でも導入が進み、プロダクトの正式リリースから約1年で累計9億円を調達。加えて、自社の売上におけるパートナーチャネル比率も54%を占めており、パートナーマーケティングの価値を実証しています。
パートナープロップがプロダクト開発と並行して進めてきたのが、収益最大化を目指す部門横断の全社的な営業体制──いわゆる「RevOps(レベニューオペレーションズ)」の構築です。スケール可能な組織の“型”をつくることを目指し、部門横断的なオペレーション体制を整備しています。この思想に本格的に取り組む企業は、国内ではまだ少数派です。
創業初期の磐崎氏は、次のような危機感を抱いていました。
「起業直後はプレイヤーが少ないため、属人的なやり方でも業務は何とか回ります。しかし売上の拡大とともに人員が増えると、徐々に非効率が目立ちはじめる。そしてその段階で初めて、“型がないこと”の代償を痛感するのです」
同社が直面していた最大の課題のひとつが、「情報の分断」でした。営業部門が把握している顧客の課題や反応が、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスといった他部門に十分に共有されず、その結果、判断や施策にばらつきが生じていたのです。
チームごとに構築された業務プロセスによる「部分最適化」、情報やプロセスが共有されないことによる「ブラックボックス化」、そして成果やノウハウが個人に依存する「属人化」──。こうした課題を一気に打開するため、同社は全社的にZoom Platformを導入しました。
具体的には、ウェビナー配信「Zoom Webinars」、受注後のオンボーディングに「Zoom Meetings」、架電業務に「Zoom Phone」、商談や各工程へのAI活用に「Zoom Revenue Accelerator」を採用。部門間連携では、顧客との合意内容を明確に可視化し、それをもとにインサイドセールスから営業、カスタマーサクセス、アライアンスへとスムーズに引き継げる仕組みを構築しました。これにより、従来のような情報の断絶を解消し、チーム全体で足並みをそろえて動けるようになったのです。
また、提案業務の効率化においては、 Revenue Acceleratorの文字起こしデータを ChatGPT で構成案に変換し、自社フォーマットに落とし込むプロセスを確立。これにより、提案書作成のスピードと品質のばらつきを大きく改善しました。
さらにZoom Revenue Acceleratorによって、営業活動における合意形成スコアを定量化し、担当者ごとのグラフで可視化。スコアを高めるために、担当者ごとの「クセ」までも定量的に把握できる体制を整え、営業活動のデータに基づいた人材育成を実現しています。
RevOps体制の目的は、全体最適・可視化・標準化にあります。これを仕組みとして導入することで、ARR最大化に向けた全体最適、KPIやボトルネックの即時把握を可能にする可視化、そして誰もが同じフローで実行できる標準化が実現され、組織は着実に改良されていったのです。
また、Zoomを中心に据えた同社のRevOps体制は、営業だけでなくマーケティングやカスタマーサクセスの業務効率も大幅に改善しました。磐崎氏はこう説明します。
「以前は、“誰が・どこまで・何を話したか”といった業務の進捗でさえ、各人の記憶に頼るしかありませんでした。チャットツールやCRMに散在する断片的な情報をかき集めて、ようやく顧客対応ができる……そんな状態でした。一方、現在はマーケティングでは、お客様の声を即座にナレッジ化し、施策やコンテンツを最適化することができ、カスタマーサクセスでは会話ログを起点に、オンボーディングやフォロー施策を設計しています。これによって、全社で一貫した顧客体験を提供できるようになっています」
成長しても崩れない「型のある組織」の構築には、感覚や記憶に頼ることなく、全員が同じ情報を共有し、同じ行動様式で再現性高く動ける体制が必要不可欠。Zoom Platformは、同社にとって、いまやビジネスの基盤を支える存在となっているのです。
「RevOpsはただのツール導入で実現できることではなく、組織全体を最適化する仕組み作りです。Zoomを導入することで、私たちはインサイドセールス、営業、マーケティング、カスタマーサクセスという各部門が連携し、属人的な判断や偶発的な成果に依存しない、強固な仕組みを作り上げました」
Zoomの導入は、同社の営業成績に劇的な変化を起こしました。その代表的な例が、提案準備にかかる作業時間の劇的な短縮です。
「以前は、営業担当が記憶を頼りに過去の商談を思い出しながら、資料をゼロから作っていました。今では、Zoomの録画と文字起こしを基に生成AIが構成を提案してくれるため、準備時間を約75%も削減できました」(磐崎氏)
さらに、1回の商談でクロージングに至る確率が大幅に向上。商談回数は40%削減され、受注率は約2倍、商談化率も1.8倍に改善し、限られたリソースでより高い成果を出す“営業組織の効率化”が実現しています。
録画・共有の文化が社内に定着したことで、提案の精度も一段と向上。営業担当者からは「話すことに集中できるようになった」「お客様の言葉を活かした提案ができるようになった」「録画で振り返れる安心感」や「商談に参加していないメンバーとも共通認識が持てる」といったフィードバックも自然と生まれ、Zoomの活用がカルチャーとして根づいてきた実感があるといいます。
顧客からも「話していた内容が正確に議事録や提案に反映されている」と好評で、提案の信頼性と受注率向上に確かな手応えを感じていると磐崎氏は語ります。商談という一過性のやり取りが、会社全体の“成長資産”として着実に蓄積されていく体制は、同社の新たな強みになりつつあります。
「Zoomを活用することで、営業チームは商談情報をリアルタイムで可視化できるようになり、提案プロセスの標準化が進み、さらに育成・改善サイクルも一貫して回せるようになりました。組織全体が共通の視点で顧客と向き合えるようになったと感じています」
一般的に、RevOps(Revenue Operations)は企業が成長した後に整備すべき領域と捉えられがちですが、むしろ最初に着手すべき重要な戦略的基盤です。ツールはあくまで手段に過ぎず、真に重要なのは「情報をいかに蓄積して、価値や売上につながる資産に変換するか」という設計そのものです。その点で、Zoomの活用は組織作りに大いに貢献したと磐崎氏は説明します。
「Zoomの本質的な価値は、“会話”という非構造的かつ流動的な情報を、構造化された“成長資産”に変換できる点にあります」(磐崎氏)
同社はZoomを情報の起点として全社統一し、インサイドセールス、営業、マーケティング、カスタマーサクセスなどの部門が商談から提案、社内共有までを1本のデータラインで繋げることで、組織全体の判断精度と行動速度を大幅に向上させました。このプロセスは、RevOpsが目指す「全体最適」の実現そのものであると磐崎氏は述べています。
そんな同社は、今後“パートナーマーケティング”という新たな考え方を国内に広めることに力を入れていくとしています。
「従来の代理店営業にありがちな“お願い営業”や“属人的な成果”に依存するのではなく、誰でも再現可能なチャネル戦略として、パートナービジネスを“マーケティング”のように設計・運用する発想が、これからの時代に求められる変革であると確信しています。直販が強い企業が勝つ時代から、パートナーチャネルも設計できる企業が勝つ時代へと変わる中で、その変革をリードする存在として、私たち自身も進化を続けていきます」
ツールの力を最大限に引き出して、強力な戦略に組み込んだ株式会社パートナープロップ。同社は今後、パートナー戦略における新たなスタンダードを切り拓いていくに違いありません。
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